ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

日比谷松本楼 @東京・日比谷公園

2013年11月20日 | 東京都(老舗)

歌舞伎観劇を終えてバスで銀座方面に向かう途中で散歩がてら途中下車した日比谷公園。ここには市制会館や日比谷公会堂、屋外音楽堂などの歴史ある建物がいくつも残っていて、建物好きにはたまらない場所だ。

↓ 写真は昭和4(1929)年建造の「市制会館」

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周辺を散策し、向かったのは公園の中央付近にある「日比谷松本楼」。創業が大正14(1925)年という老舗洋食レストラン。大正時代には関東大震災で焼失し、昭和の学生運動華やかなりし頃には焼き討ちに遭い、2度建て直しがあったのは有名なエピソード。1階では洋食を、3階では仏蘭西料理を提供し、婚礼や会合にも利用されるのだそう。歴史上の人物や、文学作品にも登場する。

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公園の中ほどまで歩いていくと木々の間に雰囲気のある洋館が現れる。この日の日比谷公園はイベントがあって周りはとても賑やかだったが、木々の緑が深いこの建物の周りはとても落ちついていて、午後の遅い時間ながらテラスに出てお茶を飲んだり、食事をしたりしてゆっくり時を過ごしている人達が多い。家族連れも子供がちょっと雰囲気に合わせて大人しくしているように見えるのは気のせいだろうか(笑)。自分は1階のグリルでハイカラビーフカレーを注文。そういえば洋食屋ではハヤシライスを注文することが多いのでカレーを注文するのって久しぶりだ。出てきたカレーには福神漬けが添えられ、やや淡い色合いで、辛さはあまりなくマイルド、でもしっかりコクがあり、おいしいカレーだった。(勘定は¥850)

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日比谷松本楼 (ひびやまつもとろう)

東京都千代田区日比谷公園1-2

(松本楼 松本樓 まつもとろう 日比谷)

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寺田屋 @福岡県福岡市

2013年11月19日 | 福岡県

博多で念願だった某居酒屋へ向うも、なんと早仕舞いで看板が消えていた。この晩はそこがメインとも考えていただけに行き先に迷い、少し彷徨う。もちろん中州の屋台や数多ある近隣の居酒屋なんかも覗いてみたがあまりそそられることなく、数少ない候補に挙がっていた「寺田屋」に決定。国体道路から少し入った路地にあり、そのまた細い入口の一番奥に怪しく光るお店。

その入口付近がこちら↓(一番奥が寺田屋)

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木戸なので店内を窺い知ることが出来ないが、思い切って中へ。入れるかどうかお店の人に確認し、靴を脱ぎ(本当は靴を脱ぐところって好きじゃないけど)、L字のカウンターに座る。

店内はこじんまりとして落ち着いた感じで雰囲気がいい。窓がないこともあって秘密の場所にでも入ったよう。先客には年輩の地元カップル客が居て、主人と楽しそうに喋っている。そういえば本場の博多弁を聞く機会って意外となかったなぁと耳をそばだてて、明るく面白い客の楽しそうな方言を楽しんだ。

お酒は寒北斗(純米)をもらい酒肴を一品。その後には自分のように他所の土地(関西方面)から来ている若い男性二人が入店し、落ちついた中にも少しにぎやかさのある丁度いい感じでお酒を楽しんだ。壁にはってある品書きは毎日書き換えてあるようだが値段は載っていない。カウンターの大皿に丸のままのピーマンがあったのでどのように調理するか訊いたら、生のままで肉詰めをするとの事。あまりに艶のいいピーマンだったので、それとお酒(大七だったか)を燗で追加。主人と地元のラーメンの話なんぞして(地元では小さい頃に博多のラーメンなんか体に悪い、とほとんど食べさせてもらえなかったそうだ・笑)、しばしの時間を楽しんだ。酒肴の値段はやや高めだと思うが、店へのアプローチといい雰囲気のいいお店で、楽しめるお店だと思う。こんなところに誰か連れて来たいよね。(勘定は¥3,000程)

寺田屋 (てらだや)

福岡県福岡市中央区大名1-11-29-6

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丸デブ総本店 @岐阜県岐阜市

2013年11月18日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

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岐阜市の古い歓楽街「柳ケ瀬(やながせ)」の外れ、高島屋の近くにある老舗中華そば店「丸デブ総本店」。創業は大正6(1917)年との事なので96年目。たぶんこの界隈でもっとも古い飲食店のひとつだろう。けれど老舗らしからぬ面白い店名(由来は検索すると出てきます)。総本店とあるからには以前に同名を名乗る店でもあったのだろうか。この地方では有名店なので以前から名前は知っていたが、初めて入ったのはまだごく最近。その日は何年か前の夏のかなり暑い日だったが、仕事の合間の短い時間に少々時間を気にしつつの初訪問。店内はテーブルがいくつかと小上がり。もちろん小さい繁盛店なので相席。メニューは2つしかなく、「中華そば」と「わんたん」のみでどちらも400円。

一番奥のテーブル席に座り、気分で「わんたん」を注文。思ったより時間がかかって、小さめの丼になみなみとスープの注がれたわんたんが到着。給仕のおばちゃんが盆からテーブルに降ろしてくれたが、スープがこぼれるのが当たり前のようで、他の客も同じように丼の下にはスープがたっぷりこぼれていた。事前情報はあったので心していたが、やはり普通イメージする中華そばのスープとは違い、全体的に和風の出汁で、うどんとかそばの出汁に近い。わんたんの皮で薄まっているからかな。熱々だったので口をやけどしそうだ。この丼を汁こぼしながらよく平気で持てるな、おばちゃんは。わんたんはほとんど具が見当たらない(←ちょっと言い過ぎ・笑)。軟らかくとろんとしている。遅まきながらこの時点で初めて気付いたが、これは「わんたん麺」ではなく「わんたん」なのだ。丼の底までぎっしりとわんたん。わんたん麺と勝手に勘違いしていて、下から麺が出てくると思っていたのでとても戸惑った(笑)。熱いし、大量だし、仕事の時間は迫ってくるし…。汗だくになって食べ終えて、大急ぎで店を出た。

次は中華そば目当てで訪問。この日は日曜の午後1時過ぎだったが店はほぼ満員。空席はひとつ見えるが店に入って、ひとりのおばちゃん(女将かな?)と顔を合わせて声をかけても反応がない…。その後もどうもこの人とは波長が合わず(笑)。少し待って、相席で案内される。外には待ちが出来るほどの盛況。タイミングが悪かったのか、店に座っている客の半分以上に何も給仕されていない状態だったので、しばらく待ってから、お盆の上に出汁がたっぷりこぼれた状態で(←皆そうなんです)、なみなみと麺が入った小ぶりな丼が運ばれた。麺はストレートだがいわゆる中華麺とはちょっと違う。かといってうどんのようなコシがあるわけではない。スープは以前食べたわんたんの時よりも鶏ガラ出汁が感じられる。チャーシューは脂身の無い部位で小さいが薄くはない。他の客の注文を聞いていると、濃いめやネギ多めなどの注文も受け付けているようだ。たまり醤油由来の濃いめの色で、いわゆる一般的な「中華そば」とは味も違うものだが、あっさりとしていてなかなか旨い。お歳を召した方にも人気なのが分かるような気がするなぁ。

(注)初めて入ってわんたんと中華そばの両方を注文している人は結構苦戦しているのを見かけます。安いし、せっかくだからと注文してしまうのかな、と思うのですが、丼は小さいがどちらもなみなみと入っているし、淡白な味付けなので食べきれないかも。(勘定はそれぞれ¥400)

この後の記事はこちらこちら

 

丸デブ総本店

岐阜県岐阜市日ノ出町3-1

(丸デブ総本店 丸デブ本店 丸でぶ 丸デブ 〇デブ 本店 総本店)

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神田志乃多寿司 @東京・神田淡路町

2013年11月17日 | 東京都(老舗)

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雨のそぼ降る中、「笹巻きけぬきすし」と一緒に買い求めたのは、同じ神田の隣町にある「神田志乃多寿司」。外堀通り沿いの三叉路にある創業明治35(1902)年の老舗稲荷ずし店。現在はとても近代的なビルになっている。

ちなみにネット上(近江屋洋菓子店さんのHPから拝借)で見つけた昭和30年代と思われる店の写真がこちら ↓

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(すでにビルディングだ)

「しのだ」を名乗る稲荷ずし店は人形町や浅草にもあり(表記は様々)、どちらも老舗なのだが、系譜はよく分からない。人形町は創業明治10年とのこと。さして遠くない距離だからなにか関係があったのだろうか。どちらの稲荷にもファンがいるようだが、ここはもちろん食べ比べをしてみようと、後日、人形町にも行く計画をしている。

店に入るとカウンターに埋め込まれた大きなガラスのショーケースがあり、そこに色んな種類や組み合わせの折詰サンプルがある。稲荷ずしと海苔巻きだけではなく、大阪寿司(押し寿司)も色々な種類がある。昼には地下で食べる事も出来るようだ。数ある中から一番小さい「しのだのり巻き」の7個入りを注文。作って箱に入れてあるのではなく、その場で入れてくれた。

翌日に朝食として食べてみる。揚げは煮汁と油が多めに含まれていて甘めの味付け。中の酢飯の酸味と合って旨い。海苔巻きのかんぴょうも甘めの味付け。どちらもはっきりとした濃い味付けの味わいで熱いお茶にぴったりだ。(勘定は¥683)

人形町志乃多寿司總本店の記事はこちら

神田志乃多寿司 (かんだしのだずし)

東京都千代田区神田淡路町2-2

(神田 志乃多寿司 志乃田寿司 志乃だ寿司 志のだ寿司 しのだ寿司 いなり寿司 稲荷ずし いなり)

 

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笹巻けぬきすし総本店 @東京・神田小川町

2013年11月16日 | 東京都(老舗)

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若い頃は下北沢に住んでいたので、東京では西の方ばかりで遊んでいたが、最近はもっぱら東の方ばかり。常宿も便利で値打ちなので東銀座あたりにする事が多い。東銀座でホテルに宿泊するのが土曜日だと、次の朝は築地場内も休市日なので、ホテル内(あるいは別のホテル)か喫茶店、ファミレスぐらいでしか朝食を採ることができない。ただ今回泊まるホテルはビジネスホテルなので正直朝食には期待できないし、あまりそういうありきたりのもので腹を満たしたくないので、そんな時には前日に好みの折詰などを買っておくようにしている。この日は朝食用に鮨の折詰をいくつか買い求めた。

まず初めに選んだのは創業・元禄15(1702)年(!)という310年もの長い歴史を持つ江戸前握りずしのルーツとも言える「笹巻きけぬきすし総本店」。310年ってもう想像もつかない。当時と同様の食べ物が残って、現代に店で販売されているだけで奇跡的だ。都営新宿線の小川町の駅を地上に上がり、靖国通りを少し北へ入ったビルの谷間に異彩を放つ建物が現れる。実は以前にも利用しており、今回は2回目。

店に入ると正面にカウンター・ショーケースがあり、注文を入れると作り置きではなく、裏の厨房でその都度作ってくれる。横には小さいがイートインスペースもあり、店内で食べていく事も出来るようになっている。ここで食べていくのもいいなぁなんて考えたりしてしばらくすると、とても風情のある包みをまとった折詰が完成。

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翌朝ホテルで開封。今回頼んだのは一番小さい5個入りのもの。ひとつひとつ艶々の熊笹に包まれ、どちらかというと円柱形をしている。時間が経って充分こなれたすしの味は現在の握りと比較するとずいぶん酸っぱく、保存の方法が限られた時代に作られた食べ物である事を伺い知ることが出来る。これには緑茶が必須。これでも戦前からするとずいぶん酸味が抑えられているんだとか。タネは鯵、小肌、玉子、おぼろ、海苔巻き。つんとくるすし飯と玉子やおぼろ、干瓢のマイルドさが合って緑茶にピッタリ。趣のあるいい朝食だった。これが夜食だったりしてもいいよね。(勘定は¥1,050)

笹巻きけぬきすし総本店

東京都千代田区神田小川町2-12

(ささまきけぬきずし ささまきけぬきすし 笹巻きけぬきずし 笹巻毛抜鮨 笹巻毛抜寿司 笹巻毛抜鮓)

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Inside of Emptiness / John Frusciante

2013年11月15日 | オルタナティヴ・ロック

Frusciante250

Inside of Emptiness / John Frusciante (2004)

元・レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)のギタリスト、ジョン・フルシャンテ(John Frusciante)が2004年に発表したソロ・アルバム。永いことレッチリのファンを続けているが、彼がバンドに復帰した1999年頃は、演奏もエモーショナル過ぎて好きになれなかった。その後、2002年に来日した際に名古屋公演での素晴しい演奏を観てやっと苦手なイメージは払しょくされたが、その後はレッチリのアルバムも彼の影響が濃く出過ぎたのか、以前のようなハード・ロック+ファンク+パンクのような突き抜けた楽しさがなくなったので(大人になったとも言えるが…)、アルバムは買えどフェスまで追っかけるような事はなくなってしまった(そういえば彼が不在時に開催された伝説の第1回フジ・ロック・フェスに行ったなぁ)。

2004年と言うとアルバム「By The Way」と「Stadium Arcadium」の間で、ジョンは6作連続リリースという凄いことをやっていた時期で、この作品はその4作目にあたるそう。確か1作目は少し話題になってチラッと聴いたような記憶があるんだけれど、その後もあまり興味はそそられず、今回買ったこのアルバムが初めて聴く彼のソロ作品となる。

聴いてみてびっくりしたのはいきなりガッツ溢れるロックな曲が耳に入ってきたこと。自分の勝手なイメージからアコギを多用したようなエモーショナルな作品じゃないかと思っていたので嬉しい誤算だった。一連の作品でそれぞれにテーマがあったりするのかな。ドラムの音やヴォーカルからいくと一発録りのような荒けずりな作品だが、なかなかいい。これならしっかりプロデュースされたものを聴いてみたい気もする。

ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (2004/10/25)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Record Collection
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    第三共進丸 @福岡県福岡市

    2013年11月14日 | 福岡県

    Photo_3

    長浜付近で一杯飲もうと偶然立ち寄ったのが「第三共進丸」。しっかり下調べした訳ではなかったけれど、この変わった店の名前をどこかで見た記憶があったので入ってみた。外れた時間だったのか先客はなし。カウンターに座って初めて、何故この店の名前を覚えていたのか分かりました。「吉田類の酒場放浪記」で取り上げられた店だったんですね。店内には吉田氏と一緒に撮った写真が飾ってあった。ただ自分はこの番組をしっかり見た事はなく、ネット動画で少しと、HPを見たことがあるだけで、たぶんそこで店名を見かけたのだと思う。

    中は小上がりもあるごく普通の居酒屋(後で上記HPを見直してみたら大きな水槽があると記述してあるが全然覚えていない…)。カウンターには鮨屋で見るような冷蔵ケースが置いてある。壁に貼ってあるメニューの中からごまさばとお酒を注文。「ごまさば」は鯖の種類を指すのではなく、ここ博多の郷土料理だそうで、鯖の刺身を醤油と胡麻などで和えてあるもの。ここでも醤油の味はこの地方らしくやや甘めだが、お酒にも合ってなかなかおいしい。目当てのメニューは特に無かったのだが、後から調べると、市場が近く、この店の名前もイカ釣り漁船からとったとの事なので、なにか烏賊の料理も試してみればよかったなぁと後悔。(勘定は¥1,500程度)

    第三共進丸

    福岡県福岡市中央区長浜2-5

    (第3共進丸 だいさんきょうしんまる 吉田類 よしだるい 酒場放浪記 )

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    プチ・ヴェルドー (Le Petit Verdot)  (2) @愛知県犬山市

    2013年11月13日 | 愛知県(尾張)

    久々に「プチ・ヴェルドー」に訪問した。犬山城にほど近い路地に建つテナントに入った、あいかわらず人気の南欧料理ビストロ。家族で予約して訪問。数日前に電話を入れたが、幸運な事にすんなりと予約が取れた。この日は祖父母も一緒ということで取分けコースを選択(取り分けコースは値段の違う3種が用意されている)。人数が多いのでパスタは3種類全部用意してもらうことが出来た。多人数ならではで、色々味わうことが出来てうれしい(多分2人につき1種類選択出来るのだと思います)。

    娘とは何度も利用しているが家族全員を連れては意外にも初めてだった。多分うちの家族は他と比べて食べるペースも速いと思うが、この日は週末にも関わらず、このお店にしては珍しく満員でなかったこともあってか皿出しも順調で、次々に出来たてのおいしい料理を平らげることが出来た。前菜に始まり、カルパッチョ、パスタ、サラダ、魚、肉、もちろん温かく提供されるバゲット、そしてデザートとドリンク。みんなとても満足したようだ。ワインも安価なものから様々用意されていて選びやすい。この日はスパークリング・ワイン(豪)と赤ワイン(西)を一本づつ。

    フレンドリーでスマートな接客がうれしいこの店だけに、家族連れでも楽しく食事が出来る。スタッフ達も楽しんで仕事をしているのが感じられて、ただ料理をサーブするだけではなく、客の口にしたちょっとした言葉や雰囲気をヒントに、更にもうひとつ喜ばせる術をスタッフ全員で共有しているのがよく分かる。それが慇懃無礼で居心地の悪い「マニュアル対応」ではなく、ごく自然に出来ることがこの店の強みであり、最大の魅力だ。(勘定はお酒別で¥4,000程/1人)

    前回の記事はこちら

    プチ・ヴェルドー (Le Petit Verdot)

    愛知県犬山市犬山中道43-1

    (プチ・ベルドー プチヴェルドー プチベルドー)

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    市川海老蔵 「古典への誘い2013」 ~江戸の華~ @愛知県江南市

    2013年11月12日 | 歌舞伎・文楽

    Ebizo_izanai_2013as

    市川海老蔵 「古典への誘い2013」 ~江戸の華~ (10月12日・愛知県・江南市民文化会館)

    あるテレビ番組で若手の歌舞伎役者が集まって稽古をする場面があり、何気なく見ていたらひとりの役者に釘付けになった。それが市川海老蔵。なんだろう、醸しだす雰囲気というか空気が全然違う。もちろん我々はいろいろスキャンダラスな話題を振りまいた彼を知っている訳だが、やはりそれと歌舞伎とは別、と言いたくなるような存在感が画面からも感じ取れた。團十郎を名乗る前に生で見ておきたいなぁと思っていたらチャンスが。すぐに(と言っても発売後かなり経っていたが)チケットを購入した。「古典への誘い」と題されているので、自分のような初心者にはぴったりだろう。

    東京で歌舞伎を見てきたすぐ後だけあって、こちらもノリノリ。会場は名古屋から車で40分、電車で30分位の郊外。住宅地の中にある文化会館に車で到着。混雑はしていたがすぐに駐車することが出来た。さすがに年輩の方が多く、着物をお召しになっている方もちらほら。席は少し後ろの方だったが、広くない劇場なので問題なし。最近とみに視力が落ちているので作ったばかりの眼鏡も用意した。

    まずは「口上」。羽織袴の海老蔵がひとり座りご挨拶。こうして喋らせるとやはりまだ若いんだなと思わせるややぎこちない喋りではあるが、佇まいはやはり一流。確かに惹きつけられる「顔」だ。次は清元の演奏。そして立役・荒事の成田屋では珍しいのかもしれない女形「保名」を舞い、最後は「お祭り」。どれも話の流れがある訳ではないので、それこそPV(プロモーション・ビデオ)のようなものとして見る事が出来る。こんな田舎の会場でもきっちり「大向こう」(「なりたやっ!」とか声掛けをする人)がいたのには驚いた。東京ではそういう人の集まりもあると聞いた事があるが、地方でのあれってどういうしきたりがあるのかな。

    正直、この前に国立劇場でたっぷり堪能しているだけに、ちょっと物足りない感じはしたが、華やかな舞台を見ているだけで楽しいし、海老蔵の存在感はやはり抜群。昔(事件よりも前)彼に密着したテレビ番組で生意気に喋る素顔の彼を見て、なんだかダーティーなイメージが着いてしまっていたが、やはり舞台は別物だ。ちゃんとした歌舞伎の舞台で観てみたいな。

    一、口上                    市川海老蔵
    二、清元素演奏「玉屋」  清元菊輔社中
    三、清元「保名」           市川海老蔵 
    四、清元「お祭り」        市川海老蔵

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    升亀 @東京・神田 (※閉店)

    2013年11月11日 | 東京都

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    「みますや」に続いて伺ったのは大衆酒場の名店「升亀」。となりの「大越」と並び神田のガード下の顔だ。ここはいつ頃の創業なのかは調べてみても分からなかった。土曜日だし、店に入った時間が遅かったのでちらほらと空席が目立ってすんなりと座る事が出来た。平日ならスーツ姿のサラリーマンで一杯だろう人気のこの店もこの日は普段着の人も。それでも時間的にはもう21時を過ぎているので大盛況だ。

    店に入るなり主人が「ごめんね、まぐろぶつ切らしちゃってる」とひと言。まるでこちらが何を注文しようとしているのか心の中を読んでいるよう。そう、それ注文しようと思って来ました(笑)。それでも土曜日だけ100円で提供するというここの名物「げそ天」は残っていたので、もちろん注文。100円だからって手抜きなしでしっかりとヴォリュームのあるひと皿。最初に日本酒(大関)を燗でもらい、珍しくハイボール(ここでの名前は「ウイスキー・ソーダ」)も注文した。自分はあまり好んでウイスキーを飲まないが、ちょっとスッキリしたものが飲みたかった。レモンの輪切りが入れられたハイボールは…旨い。これにはやっぱり揚げものを、と「メンチカツ」を追加。「あっとおどろく大きさ」と壁に貼ってあったが、皿が届いて本当にあっと驚いた。ものすごい大きさ。平皿一面に一枚のメンチカツ! こ、これ400円で大丈夫ですか? しかも旨い。

    給仕のおばちゃんは割と無愛想だったが(態度が悪い訳では全然ない)、店を仕切る主人が、ササッと動いてバシッと決める、そのタイミングが絶妙。ひと言声をかけてくれる間合いがまた的確。そろそろ店じまいの準備を始めているので椅子を上げた席が目に入ったが、「ん?」と思ったとたんにサッと来て「椅子ごめんね」と声をかけてくれるし、つまみの注文がラストにかかり始めると「まだ、これとこれ以外はいけるからね」と気の効いたひと言。これだけの大箱でそれが出来るスキルがすごい。

    しばらくするとお姉さんが3人前ほどのポテトサラダを皿に盛って、「これよかったら食べてね」と置いていく。巨大メンチカツを平らげた後で、いやいやもう食べきれないよ、と断ろうとするも「いいから、いいから」と…。どうも店じまいで明日は休業日なので残った惣菜を分けて最後の客に配っているよう。その心意気に打たれてがんばって食べたが、どうしても完食出来ず(申し訳ない)。さぁ、帰ろうと勘定をしにレジまで行った連れが「えっ?」とぶっ飛んでいる。どうしたのかと訊くとその金額2人で¥2,300! 安さに驚いていたのだ。しっかりサイズのげそ天といい、巨大メンチカツといい、サービスポテサラといい、安い値付けの酒類といい、儲ける気ないの? 嬉しい心意気。恐るべし神田。恐るべし升亀。(勘定は¥1,150)

    升亀

    東京都千代田区鍛冶町2-14-2

    ※残念ながら平成25年末に閉店しています

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