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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Miami Pop Festival / The Jimi Hendrix Experience

2013年11月10日 | クラシック・ロック

Jimi

Miami Pop Festival / The Jimi Hendrix Experience (2013)

まだまだ出るジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)の過去音源。オフィシャル・ブートレグ・シリーズを含めると膨大な数になってきた。今回は1968年5月に行われたフェスティバルでの音源。オフィシャル・リリースとあって音はなかなか良い。もちろんベースはノエル・レディング(Noel Redding)だ。ジミがエクスペリエンスの終焉をアナウンスするのが6月だから、クリーム(Cream)と並び最強と思われた(少なくともファンには)3ピース・バンドの末期の演奏だ。過去にはブートレグ(海賊盤)でサウンドボード音源が出回ったらしいが自分は未聴。晴れてエディ・クレーマー(Eddie Kramer)の仕事により45年の時を経て甦ったとの事。

当時のフェスなんて写真を見ると、ステージは急造もいいとこで、周りは人がうろうろしているし、環境的には最悪の状態だ。まだPAが確立されていない時期だけに演奏者にとってもつらい状況だったろう。それに写真でみるジミは(実際にこの時の写真なら)精彩を欠いているようで、この頃の風貌はたしか昔のアナログ・レコードの「Loose Ends」で初めて見てゾッとした覚えがあるが、白髪なのか染めなのか、ものすごく老けて見える。最初はミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)のドラムがバタバタとなんだか乗れない感じで、全体のまとまりがない。演奏もはっきり言って絶好調ではないのが分かるが、それでも十二分に聴けるレベルなのがすごい。長尺の「Red House」ぐらいになるとがぜん熱を帯びてくる。でも以前のライブにあった疾走感はやや希薄(でもなぜかボーナス・トラックの昼公演は結構凄かったりする)。こうして音を聞くだけではノエルとの確執など、煮詰まった感はあまり感じられないが実際のところどうだったのだろう。

脚光を浴びてからの活動期間がたったの3年。それが伝説となり、今になって未発表スタジオ音源だのライブだのが毎年のように発売される。でもあまりクオリティ(音じゃなくて質)が一定レベルに達していないものまでが掘り起こされ、乱発されることで有難味が無くなってきているのも事実なんだよな…。

amazonにて購入(¥1,190)

  • CD (2013/11/5)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Sony Legacy
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    日本料理 てら岡 中州本店 @福岡県福岡市

    2013年11月09日 | 福岡県

    同業者との懇親会で利用した中州にある日本料理店。HPでは老舗と謳っているがまだそんなに歴史がある訳ではないようです(自分の老舗基準は戦後の昭和20年代創業ぐらいまでなので…)。メインはふぐと烏賊だそう。建物の5階に案内されると、すでに前菜と鍋がテーブルに用意されている。いわゆる宴会コース料理での利用なので大きな期待は出来ないが、やはり他所の土地に来ると少し変わったものを口にしてみたいもの。といっても今までふぐのコースを何度か食べた事もあるが、感心するほど旨かったという記憶がない。刺身はやや歯応えのある淡白なものだから、つけるポン酢の質に大きく左右されてしまうし、印象はどこもそんなに変わらない。柑橘類の強さばかり舌にのってしまう。揚げものになってしまうと質の違いはさらに分かりにくいものに。あとは鍋ぐらいか。出汁は旨いが、店によってはふぐだけの出汁ではないだろうし、既製品っぽい味付けの出汁も多い。

    この日、この店で出たふぐ刺しは大皿に綺麗に盛られていて豪華。ここでもやはり定番のネギともみじおろしとポン酢なので、味の印象は他所とあまり変わらない。でもおいしくいただきました。これにはやっぱり日本酒ですね。その後、から揚げと鍋。鍋はアラ鍋だったのでふぐは関係なし。うーん、いちど心ときめくようなふぐを食べてみたい…。こういうお店では1階のカウンターか小部屋でいただくといいんだろうな。

    少し残念だったのは給仕のパート女性(多分)が完全に流れ作業で、こちらが「これって何ふぐなんですか?」とか質問しても面倒くさそうに流されてしまったり(聞いちゃダメだったか・笑)、食べ方を聞いても、えっ、知らないの?的なぞんざいな対応をされてしまったこと。ま、多人数相手で配膳だけでも大忙しだろうから仕方がないとは思うが、こういう大箱の宴会場を利用する団体は自分のような他所者も多いだろうから、そういったちょっとした印象ひとつで訪れた土地の印象が大きく違うものなんだがなぁ。

    Photo_18

    日本料理てら岡 中洲本店

    福岡県福岡市博多区中洲5-2-6

    (日本料理てら岡中州本店 日本料理てら岡 中州本店 てらおか)

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    みますや (2) @東京・神田司町

    2013年11月08日 | 東京都(老舗)

    Photo

    神田の某居酒屋を予約していたが、翌日のイベントの為に早仕舞いをするというので予定を変更。連れとの呑み場所に選んだのは神田の老舗「みますや」。東京で最も古いとされる居酒屋(注・居酒屋形態で)で、創業は明治38(1905)年。このお店のあたりは神田や小川町、淡路町の各駅から少し離れているので周りは夜になるとやや静か(もちろんどの駅からも徒歩5~10分圏内)。神田駅で待ち合わせて、駅から少し歩くと「どぜう」と書いた赤い提灯と看板、趣のある昭和初期の建築という店が見えてくる。

    神田近辺は会社勤めのサラリーマンが多い事もあり、土曜日ということもあってか平日に来る時より人は少なめ。入れ込みの土間のテーブルに腰をおろした。自分は小上がりよりこういうテーブル席の方が好き。連れは東京に住んでいながら初訪問との事。歴史はあるが気取りのない店の雰囲気が結構気に入ったようだった。でも注文を取りに来る給仕のお姉さんがひとりを除いて中国の若い方だったので意外だったとの事。

    ひとりだとあまり品数は頼めないが、この日は連れが居たので、おすすめされた好物のカキフライの他、どじょうの丸煮やさくら刺身(馬刺し)など普通の居酒屋であまり見かけないメニューをいくつか注文。ビールを2人で分けた後は日本酒(白鷹)の2合徳利でぬる燗にしてもらった。カキフライはお勧めするだけあって大きさといい、味といい、なかなかのもの。どじょうやさくら刺しも日本酒にピッタリ。特にさくら肉(馬肉)の質が良く、連れも満足していた。この店は老舗には珍しく、今をときめく色々な銘柄の日本酒も揃えているので、その中から現在の純米酒の指標とも言える「神亀」を味わって店を変えた。(勘定は¥3,000程/1人)

    以前の訪問はこちら

    みますや

    東京都千代田区神田司町2-15-2

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    Radical Departure / Ranking Roger

    2013年11月07日 | レゲエ・スカ

    Roger

    Radical Departure / Ranking Roger  (1988)

    元ザ・ビート(The Beat)→米名ザ・イングリッシュ・ビート(The English Beat)~ジェネラル・パブリック(General Public)のランキン・ロジャー(Ranking Roger)初のソロ・アルバム。ツー・トーン・スカで世に出た連中は国民的バンドにまで成長したマッドネス(Madness)ぐらいを残して、それぞれ80年代半ばには別活動をしていたが、彼も相棒デイヴ・ウェイクリング(Dave Wakeling)と分かれ、ソロ活動を開始。発売当時はまだレコードでの発売もあって、輸入レコード屋でよく見かけたが、見かけた割にあまり食指が動かず、買い逃してそのまま四半世紀経った。ザ・ビートの大ファンだった事もあってすぐに手を出してもよさそうなもんだったけど…。自分でも意外。

    たまたま安く売っているのを発見して、音はだいたい想像が付いたものの、懐かしさもあって購入。いきなりこれぞ80年代というシンセ・ドラムにDX7(※)的なキーボード・サウンド。そうそう、この頃ってみんなこういう音だった。曲調は意外にも、スカ、ダンスホール路線は少なく、どちらかというとジェネラル・パブリック路線のエレクトリック・ポップ・ファンクとでもいう感じが多い。彼独特のヴォーカルとトースティング(ダンスホール・レゲエの今でいうラップみたいなもの)は魅力的だけれど、やはり今聴くにはちょっと音が古いかな。でもこうして彼のヴォーカルを単発で聴いてみると、元相棒のデイヴの声ととてもよく似ている。

    80年代の音楽ってメロディーがまだ健在で、大好きだけれど、当時多用されたシンセのお陰で、今聴くとどれも音がものすごく古臭く感じるのでちょっとつらい。でも同時代に生きた者とすると堪らなくいいんだな、これが。この後、本格的にラップ、ヒップ・ホップが台頭すると、「リズム」ばかりが強調され「メロディー」が消えていってしまい、いわゆるポップスというものが変質してしまった。

    (※)当時世界中を席巻したヤマハ製デジタル・シンセサイザー・キーボード

    ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (1990/10/25)
  • ディスク枚数: 1
  • フォーマット: Import
  • レーベル: Mca
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    鰯組 @石川県金沢市

    2013年11月06日 | 石川県

    少し前、金沢の繁華街・片町で、夜にある鮨屋に飛び込みで入ろうと思ったら、閉店時間までまだかなり時間があるのに主人が店先で片付け中。週末だから早仕舞いはないだろうと思っていたが残念ながら行く先を失ってしまった。そこで片町周辺をブラブラとしていたが前に少し気になっていた居酒屋があったので探して入ってみる。

    市内を流れる犀川沿いにあって、「鰯組」という名前通り、鰯中心の肴を出す居酒屋。表は木戸で中を窺い知ることが出来ないが、明かりは点いていたので思い切って開けてみる。店内は天井が高い吹き抜けになっていて、どういうものなのか人の名前が書いてある赤ちょうちんがたくさん並んでいて、全体的に民芸調。遅めの時間になってしまったからか、ほとんどの客が引けたあとのようで、先客は一組の3人のみ。もうかなり出来あがっているようだ。

    店の人に、ちょっと品が少なくなっていますが大丈夫ですかと聞かれ、長居するつもりもなかったので、構わない旨を伝えてカウンターに座る。地元の純米酒と鰯のたたきなどを注文した。肝心の鰯のメニューは値段としてはあまり安くないが、店に名前を挙げているだけあって鮮度はなかなか。鰯に特化しているのが珍しく、火の通ったメニューも食べてみたかったが、ひとりだと食べきれそうになかったので断念。ここは何人かでメニューをつつきあって食べるといいだろうな。(勘定は¥2,500程度)

    鰯組 (いわしぐみ)

    石川県金沢市片町1-7-13

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    鶴八 (2) @東京・神田神保町 (※閉店)

    2013年11月05日 | 東京都(老舗)

    Photo

    初夏に続いての訪問。この日は生憎の小雨模様。お店は夕闇の中しっとりと濡れている。週末だったが近所の大行列ラーメン店も店じまいしてこの辺りの人通りもめっきり少なくなった時間。この後の遅い時間に人と会う予定が入っていたので、端からお茶をお願いしてさっそく握ってもらった。木札に書いて並べられた今日の鮨タネの中から、好きなものを好きな順でひとつづつ握ってもらう。この日いただいたタネは順不同で、鮪(赤身)、鯵、小肌、鯖、小柱、平目、赤貝、ミル貝、鮑塩蒸し、穴子×2、海苔巻きなど。一気に食べて満足。やっぱりここの握りは自分の好みに合って旨い。最後にまた名物鉄火巻きをと思ったが、夕方に少し腹に入れていたのでこれ位で止めておいた。この日も勘定は相変わらず驚くほど値打ち。

    ここでは威勢のいい掛け声や上気したにぎやかな客の盛り上がりとは無縁だが、こじんまりとして、年月を重ねた落ちついた店内で、主人や女将さんと少し話をしながら静かに過ごす時間がうれしい。お客さんも常連の方ばかりで、自分のようなお上りさんは見かけた事がないが、慣れ合いではなく、かといって慇懃無礼でもなく、自然体の対応で居心地はいい。もっと頻繁に通いたいものだが残念ながらそれは叶わないなぁ。(勘定は¥8,300)

    以前の訪問はこちら

    ※平成29年12月を以って閉店し、移転するとのこと。店の後には「新橋鶴八」の主人が入るそうです。

     

    鮨處 鶴八

    東京都千代田区神田神保町2-4

     

    (神田鶴八 神田 鶴八 かんだつるはち つるはち)

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    元祖ラーメン長浜家 @福岡県福岡市

    2013年11月04日 | 福岡県

    「元祖長浜屋」でラーメンを食べた後、近辺のラーメン屋を覗いてみると、どこもそこそこの客入り。これだけ乱立していて、しかも繁華街からは少し外れているのに大したものです。それだけ知名度があるんですね。全然お腹は空いていないが(当たり前だ)検証精神がムクムクと湧き上がり、先の店から独立したという歩いてすぐの「元祖ラーメン長浜家」へ。同名で開業した別の店(係争中)と区別するために「家1」と通称が付けられているそう(笑)。

    券売機でラーメンを購入。なるほど、こちらは値上げをしていないので400円。店に入るとメニューから注意書きのサインから何から何まで全く同じで「元祖長浜屋」と区別がつかない。席に着いて茹で加減を普通で頼み、あっという間に出されたラーメンの姿もほとんど区別がつかないくらい同じ。気にはしていなかったが、テーブルに置かれた調味料入れや物も同じだそう。恐ろしや。

    食べてみた印象もほとんど同じだけれど、若干こちらの方がスープ濃度というか塩分が強いだろうか。ただ正直ぱっと食べただけではあまり変わらない。同じ店で同じメニューを頼んでも日によって若干スープの感じが違う事があるが、自分にとってはそれくらいの範囲の違いでしかない(通っている人には違いがあるのかもしれないけどね)。面白い経験でした。(勘定は¥400)

    元祖ラーメン長浜家

    福岡県福岡市中央区大手門2-7-10

    (元祖ラーメン 長浜家 ながはまけ 家1 元祖長浜屋 長浜ラーメン)

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    魚末 @岐阜県関市

    2013年11月03日 | 岐阜県(中濃)

    噂は耳にしていたが、ネット上にもあまり情報がなく、その実態がよく分からなかったお店、岐阜県関市にある「魚末」。なんでも予約で一杯で、次に入れるのは何年も先だとか、食べたすぐ後に一年後の予約を取るだとかいう、知る人ぞ知るせいろ蒸し料理がメインのお店。実はうちの母は行ったことがあるらしいが様子を聞いてもいまいち的を射ない。その店に人づてに誘われて宴席をもつことになり、数少ない情報では絶賛されているお店なので興味津々で行ってみた。

    店は商店街の一本脇の道にあり、見たところごく普通の建物で壁面には「鮮魚・仕出し・宴会・魚末」の文字が。ただ店の1階には食べる場所はなく、飲食店然とはしておらず2階に通される。部屋は正直お世辞にも綺麗とは言えず、古びた和食屋の宴会座敷そのもの。テーブルや食器類そして部屋の雰囲気も…。テーブルにはすでに料理がいくつか用意されているが、伺ったのはまだ暑い時期だったので、さすがにせいろ蒸し料理ではなく、いわゆる和食のコース料理のようだ。評判の蒸し料理を楽しみにしていたのでちょっと残念。

    みんな集まると同時にビールを注文。なんと飲み物の注文聞きから、お酒、料理のお運びまで全部主人が1人でやっている。厨房には誰か手伝いがいるのか分からないが、皿数も多いし、飲み物のお代わりや別注文などもあるから大変。料理は前菜、刺身、煮物、焼魚、天ぷら、蒸し野菜、茶椀蒸しなどが次から次へと出てくる。蒸したり、焼いたりシンプルな料理もあれば主人が創作した一見素材が何か分からないものまでバラエティに富んでいて、それひとつひとつを主人が(かなり自慢入りで)説明して運ぶ。それにしてもよくしゃべる人だ(笑)。それでもどの料理もちゃんと温かい状態で運ばれてくるから感心。魚介の仕入れに自信があるのだろう、魚介を使った料理が多いし、実際いくつかの料理の魚の質はとても良かった(この日秀逸だったのは鯛)。ズッキーニの花などこういう店ではあまり使わなさそうな素材を使うのも面白い。

    この日集まった面々は年齢も高いし、食にあまりこだわりが無い人もいたので、主人にとったら一生懸命説明しても手応えがなかっただろう。出される量が多いので若い人だったら大喜びだろうが、歳を召した方々にはやはり多すぎる。その分がもう決して若いとは言えないのに一番若輩の自分に回ってくるからお腹ははち切れそうだ(自分はどんな場合でも残すことが嫌いなたちで…)。それでも主人はまだあれもこれも出てくるから、と手綱を緩めようとしない。全部で12種類くらい皿が出ただろうか。それに炊き込みご飯とみそ汁。最後には「半分に切ったグレープフルーツに、市販のコーン付きアイスクリームが刺さった(!)」何ともシュールな水菓子が出てやっと終了。

    全体的な印象で言うと、垢抜けないボリュームたっぷりの創作和食コース料理。でも素材的には光るものもあった。こだわりが強い主人のキャラクターを愛せる人で、料理を腹一杯食べたい人には面白い店だろうと思う。でもやはりせいろ蒸し料理を食べてみないとこの店の良さは分からないだろう。ただし、この日主人に聞いたらせいろ蒸し料理は平成27年まで予約で一杯だとか…。えっ?…。

    魚末 (うおすえ)

    岐阜県関市山の手1-5

    ( 関 魚末 うおすえ せいろ蒸し料理 せいろ蒸し 蒸籠蒸し 予約困難 )

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    吉野鮨本店 @東京・日本橋

    2013年11月02日 | 東京都(老舗)

    Photo_2

    <少し前に訪問した老舗覚え書き・7>

    日本橋・高島屋の裏手にある吉野鮨本店。明治12(1879)年の創業で、ここも元々は屋台からの出発だったそう。大正12年の関東大震災まで日本橋には魚市場があったので、この店の歴史は江戸前鮨の歴史と密接にリンクしているはず。主人は鮨に関しての研究書(中古で手に入れた)も書いておられるし、老舗の名店だけに敷居が高そうで、最初はランチで利用してみた。摺りガラスの入った木戸を開け、中に入ると左側にL字のカウンター、右にテーブル席。全部「すし」と読む色々な漢字が飾ってある。建物自体は古くはなく(1970年とのこと)思ったよりも庶民的なざっくばらんな雰囲気。

    カウンターに座らせてもらって、箸と醤油皿が用意され、メニューから握り鮨のおきまりを注文。値段と貫数の違いで4種類用意されている。写真で見たことがある五代目と思しき方に握ってもらった。全ての握りが下駄に乗せられて置かれた姿はこれぞ「ザ・江戸前鮨」といった感じ。全ての握りには煮切りや煮ツメが塗られているのでそのまま口の中へ。しっかり酢の効いた飯の味とタネの味や甘い煮ツメの味が渾然一体となって旨い。この店特有の薄焼き玉子の握りもバランスがいい。他所ではほとんど見ないが、これ、他の店も真似てやればいいのにと思う。鞍掛けになったものや海苔を帯にした玉子の握りより余程いいと思うんだけどなぁ。

    落ちついた庶民的な雰囲気だし、応対も丁寧だし、おきまりがあるので値段に気兼ねすることもないし、握りは旨いし、言うことのないお店。若い方で、これから鮨屋のカウンターに、という人にもうってつけのお店じゃないだろうか。(勘定は¥2,500程度)

    この後の記事はこちらこちら

    吉野鮨本店

    東京都中央区日本橋3-8-11

     

    (吉野鮨 よしのずし  よしのずしほんてん)

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    空也 @東京・銀座

    2013年11月01日 | 東京都(老舗)

    Photo

    最中(もなか)で有名な「空也」。明治17(1884)年創業。いつ行っても店頭に「本日分は売り切れました」の張り紙がしてある人気の手土産だ。それでも拡大生産をせず、その日に作った分で売り切りで発送もしないので確実に手に入れるには予約して店頭で受け取るしかない。今回の訪問では割と早く予定が決まっていたので、是非買って帰りたいと早々に電話予約した。そうなるとあの人にも、あの人にもと数が増えていく。それでも今はどんな老舗の銘菓でも工場での量産が多く、大きなデパートや駅に山と積んであるので、この店に行って受け取らないと手に入れる事が出来ないお菓子というのは田舎者にはそれだけでもちょっと特別な感じがしてわくわくする。

    小さな間口の店内には予約で注文の入った菓子箱が山積みになっている。名前を告げて包んでもらい、とうとう念願の空也もなかを手に入れた。後日、我が家用に買って帰った最中を食べたが、小振りな最中は時間が経っていても外の皮が張りを失っておらず、いい食感(お店の人にこの季節なら1週間位は日持ちすると教えてもらった)。餡は甘すぎず、かといって物足りない訳でなく、丁度いい塩梅。いやぁ、この餡旨い。自分は和菓子が好きになってから日が浅いが、こういう具合の餡を食べてしまうと甘ったるいだけの餡は食べられなくなってしまう。家族や差し上げた人達にもとても喜ばれたのでわざわざ足を運んで良かった。(勘定は¥1,100/箱)

    空也

    東京都中央区銀座6-7-19

    (くうや 空也もなか 空也最中 最中 もなか)

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