囲碁の第31期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖(28)と挑戦者、小林覚九段(47)の第4局は2月22日から富山県高岡市の「雨晴温泉 磯はなび」で行われていたが、白番の山下が中押し勝ちし、4連勝で棋聖位を初防衛した。
これまで5つのタイトルを獲得している山下だが、防衛に成功したのは初めて。山下は昨年、4連勝で棋聖位を奪還、2年連続で4連勝で勝負が決まったのは棋聖戦史上初。
(読売新聞より抜粋)
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山下棋聖、破竹の4連勝で初防衛となりました。昨年も羽根前棋聖に4連勝とこの棋戦では絶好調です。
本局では山下棋聖の柔軟なサバキが「技あり」で、寄り切った一局のようでした。
本シリーズ、小林九段の不調もあったかもしれませんが、硬軟自在に打ち分ける山下棋聖の強さが際立ちました。
一方の小林九段は若手の旗頭を前に力みが感じられ、流れに乗れなかったシリーズでした。
後半の粘りも淡白でイマイチ元気がなかったようです。
本シリーズでは苦杯をなめましたが、このままではファンが納得しません。捲土重来を期待しましょう。
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囲碁棋聖戦は読売系列の日本テレビで「棋聖戦・激突の譜」をTVで放映していました。
日曜日の朝5時頃なので「留守録」で予約し後で見ることになりますが、民放の囲碁番組として最近では珍しくなりました。
視聴率最優先のTV業界ですが、深夜の空いた時間でも囲碁番組を流してほしいと思います。
NHK/BSでも放送していますが、タイトル戦のスポンサーが制作となればNHKとは違った内容になると思います。
主要棋戦と主催新聞社/系列TV局一覧
・棋聖戦(読売/日本テレビ)
・名人戦(朝日/テレビ朝日)
・本因坊戦(毎日/TBS)
・十段戦(産経/フジテレビ)
・王座戦(日経/テレビ東京)
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今回の対局地は富山県高岡市の「雨晴(あまはらし)温泉/磯はなび」。4年前の第27期棋聖戦七番勝負第5局もこの地で行われました。
当時の挑戦者・山下敬吾七段が王立誠棋聖に対戦成績4勝1敗で破り、初の棋聖を獲得したところだそうですが山下棋聖は覚えていなかったそうです。
対局地のことなど無頓着なところが大物、山下棋聖らしいかもしれません。
富山県はじめ北陸地方は「住みやすい県」ランキングで上位を占めます。堅実な風土が伝統なのでしょうか。
戦後の日本は「消費社会」に移ってきたようですが、北陸地方の暮らしぶりから学ぶことがあるような気がします。