第32期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、趙治勲十段の第4局は2月21日、22日、長崎県雲仙市の「富貴屋」で行われ、山下棋聖が先番中押し勝ちし、通算成績を3勝1敗とし、3連覇にあと1勝と迫った。第5局は2月27、28日、京都市の「東本願寺別邸 渉成園」で行われる。
左辺で始まった競り合いが全局に波及。両者が強手を繰り出し合い、難解な場面が続くスリリングな戦いとなった。中盤、山下棋聖は右上の折衝で優位に立った。終盤は形勢が接近し場面もあったが、下辺の白地を破って勝負を決めた。
<山下棋聖の話>
あと1勝となったが、それが難しい。次も全力で打つだけです。
<趙十段の話>
序盤、白34と白56の2手が最悪だった。これでリズムが崩れ、碁にならなくなった。
(読売新聞より抜粋)
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終盤、山下棋聖にミスが出て形勢不明の状況でしたが、辛抱強く立て直して勝利に結びつけました。
山下といえば豪快な攻めで一気に決める印象が強いのですが、粘着力を身に付けてさらに進化しているようです。
一方、カド番に追い込まれた趙十段。序盤の手順に納得できず、これが最後まで尾を引いたようです。悲観派の宿命でしょうか。
追い込まれた趙十段ですがここは百戦錬磨の大棋士、逆転力に期待しましょう。
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今回の対局地は長崎県雲仙市の「富貴屋」。雲仙市は平成17年10月11日に国見町、瑞穂町、吾妻町、愛野町、千々石町、小浜町、南串山町の7町が対等合併してできたそうです。
最近合併で新しくできた地名は全国的に知られた名称をつけるのが多いようです。雲仙市もこの地域一帯では「雲仙温泉」が一番有名でしょうからね。