日本棋院創立90周年企画として「週刊碁」に連載(不定期)されている「小林光一名誉三冠が見た90年を支えた巨人たち」。
小林光一・名誉三冠が大棋士の棋譜解説、人となりを2ページにわたって記事にしています。
第1回:本因坊秀哉
第2回:木谷 實
第3回:呉 清源
第4回:高川秀格
第5回:坂田栄寿
第6回:藤沢秀行
第7回:林 海峰
第8回:大竹英雄
第9回:加藤正夫
第10回:石田芳夫
今週の6/15日号が第10回でした。
第6回・藤沢秀行、第7回・林海峰、第8回・大竹英雄の号は省略・・・。
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第9回:加藤正夫
「豪腕『殺し屋』の異名、四冠を2度達成 日本碁界を牽引、史上最年長の本因坊」
(週刊碁、見出しより)
加藤師のニックネームは「殺し屋」。温厚な人柄からは想像できませんが、強力なパンチ力から名づけられたのでしょう。
小林光一さんのコメント「加藤さんに言わせると、相手が死にに来るから取るのであって、無理矢理取りに行ったことはない」とのこと。ナルホド・・・。
タイトル(本因坊)挑戦は22歳と早かったのですが、タイトル奪取までの7~8年は長いトンネル時代のようでした。
その後は四冠を2度、55歳の最年長本因坊など長い期間にわたり日本の碁界を引っぱってきました。
人生終盤は日本棋院の理事長として手腕を発揮、57歳で倒れ帰らぬ人となりました。無念・・・。
人柄は温厚ですが、愚直で一本気なところは棋風に現れているようでしたね。
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第10回:石田芳夫
「木谷三羽烏の出世頭、近未来の象徴コンピューター、史上3人目の名人本因坊」
(週刊碁、見出しより)
加藤師と同じ木谷門下の石田九段(二十四世本因坊石田秀芳)。
21歳で初タイトル、22歳でビッグタイトル・本因坊を奪取。コンピューター・石田時代の幕開けでした。
石田さんの碁は緻密な計算力が特長ですが、一方で独特の勝負師的一面もあったようです。
ただ、本因坊5連覇以降のタイトル戦では加藤、武宮に比べるとドーモ・・・。
それでも今も若手相手に第一線で戦い、解説や立会など囲碁界の事情通として第一人者です。
若いころはクールで現代的な青年棋士というイメージでしたが、テレビ解説などを見ていると軽妙で親近感がありますね。
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