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こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ナイトの腫瘍の手術と病理診断

2011年12月27日 | 犬との暮らし


先日、フラットコーテッドレトリバーのナイトの頸部に拇指頭大の腫瘤が見つかった。

妻が獣医さんへ連れて行ったら、穿刺吸引細胞診で、組織球腫と診断された。
まだ、1歳半で、自然消退もあるという疾患だが、まあ、さっさと切ってしまうほうが、安心、と手術切除をお願いした。

さて、今日は手術だったのだが、手術に先立ち、是非、標本を見たいと思って妻に、切除した組織をそのままもらえないか頼んでくれるように伝えた。
ところが、主治医の獣医さんに「餅は餅屋です。人間の病理と犬の病理は違います。動物には動物病理の専門の獣医師がいます。」とお返事をされ、さらに、「この子(ナイト)のためには正確な診断が必要です。ご主人が診断をするのなら、当院では切除術はしません」と言われた。
当然なお話だったので、すべてお任せすることにした。
人間の病理医として人間の組織が読めれば、犬の組織もある程度はわかると思っていた私がつけあがっていた。細胞診の診断が正しければ、良性だし、それほど心配することも無いとも思っていた。
でも、実際のところはどうだかわからない。組織球系細胞の病変として、人間でみる黄色肉芽腫(ナイトもまだ子供なので、正しくは若年性黄色肉芽腫)みたいなものと思っているのだが、全くのカウンターパートかどうかはわからない。仮にそうだとして、組織像は似ているかもしれないが、私が行った診断そのものが正しいかも怪しいものだし、そもそも鑑別診断として、全く知らない犬独特の病気があるかもしれない。
さらに、断端の評価、治療方針を含めれば、専門の知識が必要なのは言うまでもない。
犬ではどうなるか?
まだまだ、人間ダメダメだと、感じた。ただの親バカ。

でも、標本ができたら、後学のために貸してもらいたいとは思っている。
首の包帯が痛々しいが、比較的元気なようだ。
とりあえずは手術が無事終わってよかったね、ナイト。


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