こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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学用品を学校に置いて帰っていいか

2013年02月25日 | あの頃のこと…思い出話
「学用品を学校に置いて帰っていいか」
小学校3年か4年のとき、こんなことが学級会の議題になった。学用品とは、書道の道具、絵の具セットとかそういったものだったと思う。
私は学用品は教科書同様、毎回持って帰るべきだという「学用品は家に持ち帰るべき」派で、「学用品は学校に置いて帰っていい」派と激論を戦わせた。

ディスカッションは今でいえば、ディベートという感じだったが、どちらかの立場に立って発言するなどというものではなく、自分の信ずる立場に立って発言した。



学用品を持って帰る、というのは建前としてはそうあるべきだろうし、多分に保守的な立場だ。さらに、持って帰るべき、というのは単に家が学校に近かったからそう大変ではなく、持って帰るのが大変な子に対する意地悪の気持ちもあったように思える。三つ子の魂百までであるが、自分の嫌な部分の萌芽がこのような時期に見いだすことができるというのは大変つらい。

対して、学用品は学校に置いて帰ってもいい派、こちらのグループは、どちらかというと、「習字道具、絵の具セットなど、いちいち家に持って帰る必要なんて無いじゃない」という立場で、そもそもどうでもいいことではないか、という感じだった。



何となく、私の方が「どうでもいいこと」を「規則」にしようとしているような感じになり、体制派、非体制派の論争となってしまった。

延々と、議論を重ね、どこでどうなったか途中は忘れたが、最後に私が、
「学校に置いて帰って、泥棒に入られて盗まれでもしたらどうするんですか?」
と発言した。
「誰がそんなもの盗むか」みたいな発言があったが、小学生にとって学用品はきわめて大事なものだ。
そんな戯れ言に対し、私はこう言った
「泥棒が盗んで、自分の子供に使わせます」
この発言で、議論は我が方の勝利に終わったかに見えた。しばらく沈黙があったのを覚えている。



だが、ある子(たしか、私よりも利口な子)が手を挙げて発言した、
「泥棒に子供がいなかったら(学習用具は不要なので)どうなんですか?」
と問い返された。

この発言が決め手になったかは覚えていないが、結局の学用品は学校に置いて帰ってもいい、ということに決まったように覚えている。

私が学級会のそのディベートに負けたおかげで、学期末になるまで書道用具、絵の具セットといったものは学校のロッカーに置きっぱなしでいいこととなった。
もちろん、私も、置きっぱなしにしたのは言うまでもない。情けない奴である。

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