こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

『右』を説明する

2013年05月20日 | 日々思うこと、考えること
誰でも時々へんな考えにとらわれることがあると思うが、たいがいは「ふと思っただけで」すぐに気にしなくなる。
そういうときは、だいたい何らかの答えなり対応方法を思いつき、すぐに解決してしまっているものと思う。
だが、このあいだ思いついた考えに、答えはみつからずに焦った。

「右とは何か」

具体的には、「右」という概念を言葉で表現するとどうなるか、ということだった。


自分の体から向かって右、というのを表現することは難しい。

上下も結構難しいが、これには高い、低いという言葉がある。上は高い位置、下は低い位置と表現できるので、何となくわかったような説明ができる。
大小も多い少ないという言葉がある。

これらに比べて、左右というのは対応する言葉が無い。

とてつもなく、不安になってしまった。

右、右手、右折、右方、右大臣、右肺、右腎・・・右を向く、回れ右。
右とはなに?

左も右が表現できなくては、同様に表現のしようがない。

あれこれ考えたのだが、私には“右”を言葉で説明することはできなかった。
『右は右』で済ませることは難しい。
言葉に表すことのできないことが存在するというのはきわめて恐ろしい状況だ。

いい知れぬ不安感に包まれる。


結局、広辞苑で調べてけりがついた。

みぎ【右】 南を向いた時、西にあたる方。⇔左。
ちなみに、みなみ【南】 四方の一つ。日の出る方に向かって右の方向。⇔北。であった。

英英辞典では、rightは方向というよりは、正しい、という意味が強調されているように思われた。もちろん日本語でも右左はあるが、それよりずっと強い感じである。

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