こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

時計の針は元に戻せない “You can’t put back the clock”.

2013年05月27日 | 生き方について考える
「時計の針は元に戻せない(“You can’t put back the clock”.)」、文字通りとれば、時間は一方向にしか進んでいないという意味になるが、その受け止め方、解釈は人それぞれだろう。

これまで私はこの言葉を、「いくら後悔しても、一度行ってしまったこと、とくに過ちを取り消すことはできない」というように捉えていた。その結果、いつまでもいつまでも、心は昔のことに捕らわれ続け、なかなか新しい自分というものを掴めないでいる。そして、このようなことばかり繰り返していると、自己肯定感は消失していくし、将来への希望も持てない。

常に、過去が自分の生き方を規定してしまっている。

ただ、どれほど悔やむことになろうとも、今(もしくはその時点で)行ったことは、必ず将来に結果として返ってくるもので、そのことを自明のこととして受け入れたら、生き方は多少違ったものとなってくるかもしれない。

今、行ったこと、というのは、今現在自分が存在していることも含めたことのすべてである。“すべて”というもののなかには、当然、自分の意志に関わらない(ように感じられる)ことも数多く含まれている。

すべての事象が時計の針とともに、一点の歪みも無く進行している。
今、この文章をつづっている私は座っているが、この記事を読んでいるあなたはたっているかもしれないし、寝ているかもしれない。そして、私がこのことを考えてからあなたが読むまでの時間の間、私もあなたも同じ時間を生きていたということになる。
それらの事象は関係ないようでいて、関係しているように思える。


私が、今、考えていることが正しいかそうでないのかを判定することは意味が無い。
なぜなら、正しいとはなにか、という正解など無く、そういう状態では、正しいかそうでないのかの判定はできない。

人生、というか全宇宙のすべての事象は同じ時間軸の上で、一つの方向にしか進んでいないし、どの時点からも逆に戻ることはあり得ない。
再現性がないという観点から、“こうすれば良かった”、“ああしておけば良かった”という思いは意味無駄である。

人生の終わる瞬間がいつ来るかはわからないが、日々より良く生きることを心がけていれば、最期の時に、後悔しないで済むかも知れない。

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