アルガルベ杯プレビュー

日本時間の今夜から、なでしこジャパンがポルトガルでアルガルベ杯を戦います。アルガルベ杯は集客は度外視した、おそらくサッカー好きのお金持ちが道楽で女子の代表チームを集めた親善試合です。似たような親善試合にはフランスで行われるU-21男子代表を集めたツーロン国際があります。

なでしこはノルウェー、ドイツ、デンマークの順に当たります。今年は女子W杯も五輪もない年なので、長期的な視野に立った代表強化が可能です。今回のなでしこには、澤や宮間らベテランは呼ばれておらず、27歳の川澄が最年長という若い顔ぶれです。

女子W杯の優勝、ロンドン五輪の銀メダルと結果を出したなでしこの評価は高く、普通の親善試合を海外から衛星中継するのは、人気がなかった頃のなでしこを知っている私には驚くべきことです。W杯優勝の前はなでしこの親善試合の情報はサッカー専門誌のフリーライターの記事に頼るしかありませんでした。

もっとも、昨日の新聞で初戦の相手ノルウェーを格下と言い切っていたのは違和感があります。ノルウェーはかつて世界最強国だったこともあり、90年代のバブル時代のLリーグ(現なでしこリーグ)の日興証券にノルウェー代表のFWメダレンが来るというニュースは当時の日本では驚きでした。

ノルウェーとは北京五輪で対戦して、相手が暑さで動きの鈍る後半にカウンターで攻めたなでしこは5-1という快勝を収めます。これで、ようやくノルウェーに勝てるようになりましたが、それ以前は日本が格下だったので、こういう記事を書いた記者はなでしこが強くなってから取材を始めたのでしょう。

アルガルベ杯は強豪とまとめて対戦できる、なかなかない機会ですが、中1日で試合があるのは女子選手の体力を考えるときつい大会です。もともとが若手強化の場と位置付けているなでしこにとっては、思い切ってターンオーバーをするのは間違いありません。

U-20女子W杯で全国に名を売った、田中陽子(INAC神戸)や田中美南(日テレ)にとっては大きなチャンスです。このアルガルベ杯も全国に名を売れるので、一人でも多くの新顔が活躍して欲しいです。