Kobby loves 埼玉&レッズ

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引かされたダブルボランチ(6/15ブラジル対日本)

2013-06-16 19:48:28 | ワールドサッカー
スタメンは写真に示します。ブラジルはメネゼス監督時代はネイマール(10番)、フッキ(19番)あたりをFWに置いていましたが、現在のフェリペ監督になってからフレッジ(9番)というブラジルにはあまりいないタイプのポストプレイヤーを置いています。

このフレッジのポストプレーが前半3分の早すぎる失点のきっかけになります。アーリークロスを落としてから、トップ下で起用されたネイマールが、豪快なダイレクトボレーを叩き込んだのは、無失点を長時間続けるしか勝ち点の望みが乏しい日本には痛い失点でした。

ブラジルというチームは、ゆっくりやっているように見えるが、実際にピッチに立つと速いという相手です。それを警戒した日本は、どうしてもダブルボランチの遠藤保仁(7番)と長谷部誠(17番)が下がらざるを得ず、前の4人と後ろの6人の間は大きく空いてしまいました。

岡崎慎司(9番)をFWに置いた意図はインターネットの記事によれば相手の長身DFダビド・ルイス(4番)とチアゴ・シルバ(3番)対策です。高さとパワーを誇る彼らにはハーフナーや前田遼一では厳しく、スピードで裏を突く動きを突破口にしようとしました。

しかし、そういう攻めをするには遠藤保仁と長谷部誠による後方からのゲームメークが不可欠です。彼らが下がり気味になったことで縦パスはほとんど入らず日本には苦しい展開になりました。本田圭佑がトップ下の位置まで下がってボールを受けようとしましたが、ブラジルの瞬間的な速さの前に決定機はほとんど作れませんでした。

それでも、1点差なら最後まで何が起こるかわかりませんが、後半3分に2点目を入れられたことは致命傷になりました。この場面はダブルボランチが引きすぎて、バイタルエリアにスペースを与えたところにクロスが入り、パウリーニョ(18番)が強烈なミドルを叩き込んでいます。

ブラジルで面白い選手はオスカル(11番)でした。チェルシーのときのような個人技はそれほど見せませんでしたが、ボールが的確に足元に収まり、3点目のジョー(21番)のゴールのアシストのような正確なパスの能力は高いです。まだ21歳と若く、将来的にはジダンのような世界一のトップ下になれる可能性を持った逸材です。

この敗戦の結果、日本は得失点差で大きく遅れを取ったので、残り2試合を1勝1分けでは準決勝進出は厳しく、2勝を要求されるようになりました。イタリアやメキシコと、残る相手も強いですが、この大会はこういう「死の組」を想定したシミュレーションでもあるので、悔いのない戦いをして欲しいと思います。
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先頭打者ホームラン(秋山翔吾)

2013-06-16 17:15:54 | 他スポーツ
昨日は西武ドームで交流戦の西武対横浜を観戦しました。いつも確保する、写真のように試合が見えるネット裏内野指定席に思惑通り座れたので、いくつかテーマを持って観戦しました。そのテーマは、最大のものは西武先発牧田の投球術でした。

牧田は下手投げの変則投手で、120km台のストレートと100km台のスライダー、90km台のカーブが持ち球です。この球速で防御率1点台というのは何か秘密があるはずで、それを見つけることが最大のテーマでした。

しかし、残念ながらこのテーマは次回以降に持ち越しです。理由は牧田が良くなかったからです。序盤、内角に強気にストレートを投げ込んで内野フライを打たせたのは牧田の投球術の一つだと思いますが、横浜も牧田対策でスタメンに左打者を並べてきました。

3回表にモーガンに3ラン本塁打を打たれた牧田は、4回4失点と彼にしては信じられない乱調でした。牧田にとって緩急の差はどうしても必要なので、カーブをどうやって配球させているかは注目ポイントでしたが、今回は打たれたこともありよくわかりませんでした。言い訳になりますが、横浜に左打者が多かったので自分の席からは打者の陰にホームベースが隠れる位置だったのは残念です。

その牧田対策で左打者が多い逆を突こうと、西武ベンチは5回から変則左腕の小石をマウンドに送ります。小石は打ちにくそうな投げ方をしており、サイドハンドから腕が少し遅れるように出てくるところが売り物です。最速130kmちょっとのストレートの小石が、NTT東日本時代に都市対抗の準優勝投手になれたのも、この打ちにくさが理由と思います。

しかし、勝負のポイントは、横浜の右打者でした。ブランコ、中村紀洋と4,5番が右打者なので、ここを抑えないと小石はロングリリーフの役割を果たせませんが、小石は残念ながら中村紀洋に2ランを打たれてしまい勝負はほぼ決しました。相手先発の三嶋があまり良くなかったので残念な敗戦です。

この試合を見て、良かったポイントは秋山翔吾の先頭打者ホームランです。私の長いスポーツ観戦歴でも、先頭打者ホームランを見たのは少なく、松井稼頭央が一度やったかどうかです。先頭打者ホームランは1点しか入りませんから、野球の勝利には必ずしも貢献するとは限らないですが、これを打てるのは1番打者が思い切ってフルスイングをするタイプのバッターであることを示します。

かつての阪神1番の真弓、西武1番の松井稼頭央あたりの、1番打者で30本塁打を打った経験のあるバッターは四死球を選ぶより思い切り打って出るタイプで、秋山もそういうタイプのバッターを目指しているらしいというのが、この一発に現れていたと思います。

西武を応援する立場では敗戦は残念ではあるのですが、少年時代父に連れて行ってもらったのが西武球場で、ここが自分の今のスポーツ好きの原点ですから、父の日の今日、それを思い出すきっかけになったと思います。プレゼントは西武球場で帽子を買ってきました。
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タイトルを作った男(イチロー)

2013-06-16 09:55:17 | 他スポーツ
私もずいぶん長くスポーツを見てきましたが、観戦歴最大の快挙?はイチローが本名の鈴木一朗でプレーしていた無名時代を知っていることです。イチローは愛工大名電からオリックスにドラフト4位で入団しましたが、甲子園には2度出場したものの9打数1安打と結果を出せず、入団前は無名でした。

イチローは1年目から一軍でプレーして、50試合近くに出て打率こそ2割5分だったものの、ジュニアオールスター戦でMVPを受賞したことと俊足巧打で一軍に定着しやすいタイプなので、野球好きの友人に「オリックスの鈴木はきっと外野のポジションを取る」と話していました。

イチローが有名になったのは仰木監督が就任した3年目のシーズンです。仰木監督は鈴木では目立たないという理由で登録名をイチローにすることを提案します。リーグ事務局の判断は、外国人選手に登録名をファーストネームにしている選手もいることから、「登録は可能」という回答でした。

イチローがきっかけでできたタイトルは最多安打です。イチローは有名になったシーズンに200本安打を達成しますが、打率より安打数と得点(本塁を踏んだ回数)にこだわる、独特の野球観を披露します。以前は打率で争う首位打者は、打率を下げないために消化試合は欠場する習慣がありました。

それに一石を投じたのがイチローの野球観で、一番を打ち数多くヒットを打つことは価値があると認めた結果、最多安打のタイトルができました。今、振り返ると、日本球界でのイチローは別格の存在で、毎年パリーグの首位打者はイチローで決まりというシーズンが続いた時期があります。

イチローの長所はバットコントロールのうまさです。メジャーリーグに行った今でこそ、あまり足を上げていませんが、日本で活躍したときは「振り子打法」と呼ばれる右足を上げるフォームが売り物でした。

かつてはワンバウンドのボールをセンター前ヒットにした伝説を持つイチローですが、ボールを当てるのがうまく内野安打が多いのはイチローが今でも持つ特徴です。今年40歳になるイチローが現役を続けているのは驚異的ですが、ヤンキースでは8番を打つこともあり、毎年当たり前のように200本安打を打っていた全盛期は過ぎたのが、シビアに見た印象です。

しかし、野球は楽しくやろうという新しい価値観を持ち込んだイチローの伝説は今後も語り継がれるはずで、引退後も何をやっても食べていけるだろうと思います。こういう選手と同世代だったことは私にとっても幸運です。
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