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W杯アジア最終予選総括5(オマーン代表)

2013-06-28 18:51:39 | ワールドサッカー
マニアックな、他国から見た最終予選総括は、最終回のオマーン代表です。オマーン代表はGKがプレミアリーグのウィガンでレギュラーのアルハブシなのは知られていましたが、3次予選の成績が2勝2敗2分けの勝ち点8という低空飛行で、厳しいことを言えば最終予選では最弱チームだろうと予想していました。

しかし、オマーンは結果的には敗退しましたが、最終戦のヨルダン戦に勝てば豪州が引き分け以下なら2位に入り、W杯が転がり込んでくる位置にいました。この結果は予想以上の健闘で、B組がもつれた大きな理由になりました。

オマーンはフランスリーグでリヨンの黄金時代を築いた名将、ルグエン監督が指揮していました。中東のチームは監督交代が頻繁なので、短い時間で結果を出せるロングボールとカウンターのチームが多くなる傾向があります。

たぶんオマーンもそういうチームだろうと予想して、埼玉スタジアムで生観戦しましたが、実際には違いました。オマーンは4-2-3-1の布陣で、1トップのアルホスニを使った速いサッカーをやりたいようでした。ただ、埼玉スタジアムに来た段階では理想は高いものの完成していない印象でした。

オマーンが仕掛けようとした時間は逆に日本のチャンスで、そこでボールを奪ってオマーンが苦手にしているDFラインの裏のスペースに長友佑都を走らせれば、比較的簡単にチャンスを作れました。この試合を見る限りではオマーンの活躍は予想できませんでした。

しかし、オマーンはホームゲームの暑さをうまく利用した印象です。日本と対戦した昨年11月の試合では、日本代表に寒い国でプレーする欧州組が多いのを利用して、わざと暑い時間(午後3時)にキックオフを設定しました。

この結果、吉田と本田圭佑の足が止まっていたので、オマーンの作戦としては成功でした。高さの足りない今野泰幸のところをアーリークロスで攻めたのも有効でした。しかし、日本にあってオマーンになかったのは選手層の厚さでした。途中出場の酒井高徳がアシストを決めた日本は辛くも難敵を退けW杯を確実にしました。

それでも、オマーンは豪州から2分けの勝ち点2を奪っています。体力的には豪州のパワーにも対抗できる力はあったようで、たぶん引いて守るだけでは勝ち点9は取れなかったでしょう。予想以上の健闘だったオマーンですが、大事なのは今後です。

中東のチームがW杯予選で結果を出せない理由はガルフカップに熱くなりすぎ、監督をすぐに替えてしまうからです。継続したチーム作りは本当にできるか、答えは次の予選で明らかになるでしょう。
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