Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

新感覚の1トップ(大迫勇也)

2014-06-07 22:08:01 | ワールドサッカー
今の日本代表は、1トップが今でも未定のポジションです。大久保、柿谷、大迫は横一線のイメージですが、今回代表コスタリカ戦の映像で初めて、代表になってからの大迫勇也のプレーぶりをじっくり観察してみました。

大迫といえば、鹿児島城西高校時代に高校選手権で達成した、選手権通算得点記録が印象的です。10点で、高校サッカーといえば思い出す平山でも9点と、燦然と輝く記録です。もっとも、当時のゴールにはヘディングが1点もないという課題もありました。スピードもあり個人技も持っていると、FWとして必要なものは高校時代に持っていましたが、プロとしての当たりの強さは課題でした。

鹿島時代は、敵ということもあって、あまり大迫を中心に試合を見たことはありませんでした。それでも、エース、ダヴィが負傷したタイミングで1トップに座ると機能した試合があり、こういうスピードとテクニックの1トップは時代を変えるポテンシャルがあると想像していました。

今季、大迫はドイツ2部の1860ミュンヘンでプレーし、結果を出して1部のケルンからのオファーを引き出します。それだけ、上り調子だからザックが予選で全く使っていない大迫をW杯のメンバーに呼んだのだろうとは思っていました。

今回のプレーを見て、「新感覚の1トップ」という思いを新たにしました。ザックはミラン時代、1トップにはビアホフというポストプレーヤーを重用しました。ハーフナーマイクに目を付けたあたりはその考えを受け継いだように思えましたが、どうも日本には違ったタイプの1トップがいいと考えを変えたようです。

大迫の、安定した足元の技術と相手DFの間でボールを引き出せるポジショニングは、本田圭佑や香川真司が信頼してパスを出せる存在で、そんなにヘディングが強くなくても生きる道はあると、新しいタイプの1トップと感じました。ただ、柿谷とは似た特徴なので、同時に二人が出ることはありえません。試合に出るためには柿谷に勝つ必要があります。

またもや、こういう「うまいけれど強さが足りない」というFWを、ドイツの環境が変化させたケースを見ることになりました。先輩の岡崎慎司を超える可能性を持った、いい選手だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

格下戦術を攻略した(6/3日本対コスタリカ)

2014-06-07 17:54:49 | ワールドサッカー
今さらながらのネタですが、ようやく火曜日のコスタリカ戦の映像を見ることができました。結果は3-1で日本の勝利ということは知っていましたが、映像で見ればこその試合分析は是非しようと思い、いつもの私の癖でコスタリカがどんなチームかを観察してみました。

コスタリカは5-4-1の守備的布陣でした。もちろん日本に合わせたわけではなく、W杯で対戦するウルグアイ、イングランド、イタリアを想定した現実的布陣でしょう。そういう強豪相手を想定した練習に日本が指名されたのは光栄と、変な喜び方をしてしまいますが、浦和で相手の5バックをよく見てきたので、この布陣をどうやって機能させるかはわかってきました。

プロレベルなら5人で守れば相手にスペースを与えないことはできます。問題は守った後の攻撃で、縦パスを中盤の味方に通し、何本かつないでシュートかクロスで終わるところまで行けないと、防戦一方になっていつかは点を取られてしまいます。コスタリカは、少なくとも前半はそれができていました。

サイドまでボールを出せば、決定力のあるキャンベル、ルイスのFWの頭を狙ってクロスと狙いもはっきりしていて、この戦い方で何とか強豪相手に1点を守り切って勝つという、コスタリカのW杯での意欲は見えました。逆に言えば、日本はこの戦い方を攻略できたから勝てたとも言えます。

このサッカーに勝つためには、相手の中盤が戻り切れないタイミングでバイタルエリアでボールを持つと効果的です。浦和戦でも徳島がナビスコ杯でこの戦い方で来ましたが、中盤のプレスが効いていなかったので相手を防戦一方にできました。相手を防戦一方にすれば、ザックの戦術的には成功と言えます。

ザックは後半に3点を入れて逆転したこの試合で、あえて負けている前半を評価していました。理由はコスタリカに体力を消耗させて、後半に運動量が落ちた要因になったからです。香川真司、柿谷とバイタルエリアでボールを持つと力を発揮する選手がいる日本は、ここでのプレーから2点を奪って逆転して見せます。

そういう意味ではザックの戦術的にも成功し、結果も伴ったこの試合は良かったと言えます。本田圭佑のコンディションが良くないというマスコミの厳しい指摘はありましたが、確かに本番の試合でこれでは非難してもいいでしょうが、調整途上ならこういう動けない日もあると思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

引き分け寸前のドラマ(6/7日本対ザンビア)

2014-06-07 15:20:19 | ワールドサッカー
今朝のザンビア戦、土曜の午前中といういい時間だったのでリアルタイムで見ました。プレビュー記事を書かなかったのは、単にザンビアを知らなかったからですが、今朝の中継で聞いたらW杯アフリカ予選こそ2次予選で消えたものの、アフリカネーションズカップで決勝でコートジボアールと0-0で引き分け、PK戦で勝って優勝した実力のある国でした。

ザンビアはアフリカの内陸国で、昔(高校時代)の世界地理の授業を紐解くと、隣国のタンザニアと結ぶ「タンザン鉄道」で鉱物資源を輸出するルートができて栄えるようになった国という記憶があります。こういう、アフリカの未開の地の代表監督は、欧州の若手監督がステップアップを狙って就任する地位で、ザンビアの監督も36歳のフランス人監督(ボーメル監督)です。

このボーメル氏が、いいチームを作っていたのが印象的でした。布陣こそ4-2-3-1とどこにでもある布陣ですが、DFは正確に空いたスペースを見つける、日本のパスサッカーの特徴の縦パスを読んでカットに走る、日本の苦手な球際の強さを狙うと、かなり日本を研究した戦い方で、先制点のC・カトンゴ(11番)のヘディングシュートは内田がフィジカルの戦いを苦手にしている隙をうまく突いた得点でした。

それでも、ザンビアはアフリカ選手権連覇に向けてモチベーションこそ高かったものの、次第に動きが落ちてきました。相手の運動量が落ちれば、組織で走る日本には有利な展開になってきます。本田のPKで1-2とした日本は、後半はボールを支配し、香川、長友を中心にボールをキープして積極的に点を取りに行きました。

ザックのサッカーは、「強い相手に1点を取られるのは仕方ない。常に2点取れるチームを作ろう。」というのが哲学です。コスタリカ戦で指摘された本田のコンディションは、まだ100%ではない印象でしたが、積極的に空いたスペースに飛び出す、ボールを持ったら追い越すといった日本らしさは発揮することができた試合だったと思います。

感心したのは、3-3の同点だったロスタイム、誰もが引き分けを想定しそうな展開で、日本の選手はあくまで勝ちを狙っていたメンタルの強さです。交代出場したばかりだった青山のファーストタッチのロングパスを、大久保が足元に正確に止めて、見事ザンビアDFを振り切った決勝点は見事でした。

後半頭から1トップで出た大久保はザンビアのDFラインを下げさせようと、積極的にフリーランニングを繰り返してスペースを狙っていました。スペースに対する感覚の確かさは、川崎Fで中村憲剛と組んでいるからこその感覚で、こういう新タイプの1トップ像ができるのはいいなと思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする