北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

友遠方より来たる

2005-11-04 23:54:10 | Weblog
 今年の秋は異常に長くて、山がいつまでも黄色に染まっています。妙に生暖かい秋はちょっと気持ちが悪いですね。

 そろそろ里の初雪の季節です。

 今日は
■掛川から友来る の1本です。

【掛川から友来る】
 一月ほど前に、掛川市役所職員で現在は他の市役所に人事交流で出向しているA君からメールが来た。

 聞けば「出向の期間が半分を過ぎて、故郷を離れて仕事をする上で残り期間にすべき事は何かをご教示くださいませんか」ということであった。

 私と彼との接点は、掛川を離れる最後の一日となった3月31日に、市長から彼に出向の事例が手渡されるときに立ち会ったということだけで、それまでも会話をした事がなかったのだ。

 A君が北海道に来る理由の多くは、鉄道マニアとしてニセコのSLに乗る事だったのだそうだが、ついでの理由だろうがわざわざこうして訪ねてきてくれるというのだから会わない理由もない。

 それでは昼飯を一緒に食べましょう、ということにして昼に職場を訪ねてきてもらい、そのまま小一時間ほど四方山話に花を咲かせた。

 彼が言うには「市役所同士ならそれほど業務の仕方や、中の人たちの考え方に違いはないだろう、と思っていましたが、随分違うのに驚きました」とのこと。

「どちらが合理的だったり、進んでいると思いますか」と尋ねると「特にIT分野などで掛川の方がずっと進んでいると思いました」とのこと。

 聞けば出向先の市も合併したばかりで、新しい職員や新しいシステムによる職場づくりが始まったばかりなのだそうだが、それにしても職員も市民ものんびりしているように感じているようだった。

 それはとりもなおさず、掛川の方が少し厳しい行政サービスを展開しているという事だろうと私なりに理解をした。普段鍛えられていれば、回りのペースが落ちたときには生ぬるかったり、楽に見えるものである。

 本人はもう少し長く現地にいたい希望を持っているようだったが、それはこれからの彼のプレゼンテーションによるだろう。「何か主張があったら言ってみたらよい。前例を変えて行くのは自分自身だと思った方が良いよ」というのが私のアドバイスだ。

「そんなこと言って良いのでしょうか?」と言うので「単なるワガママではなく、自分がもう少し残る事が古巣のためでもあるのだという理由を自分なりにしっかりと理解してまとめられなくてはいけないよ。その上で君の気持ちを伝えてもその通りにはならないかも知れない。しかし、最初の誰かがそういう考えを伝えなければ何も変わりはしない。もしかしたら君自身ではなく、君の後に続く者がその恩恵を被る事になるかも知れないけれど、その方が良いのならばその考えを伝える意味はあるはずだよ」
「分かりました、考えてみます」

 お役所はどうしても前例を踏襲して新しい事を始めたがらない気分になりがちだ。

 新しい事をしても褒められる事は少ないし、仕事が増える上に失敗すれば怒られるだけだからだ。

 良いアクションを起こした者をしっかりと誉めてあげて、そうではない怠け心を叱責し続ける精神力が上に立つ者には求められる。

 上司は部下をただ漫然と叱ったり、漫然と褒めていればよいと言うわけではない。いつでも自分の考えを伝えて、楽ちんに流れそうな組織の有り様に常に目を光らせていなくてはならない。

 嫌われてもそうしなくてはいけないときがある。なかなかそうはいかない自戒を込めて、そう書いておこう。そうでない私がいたら叱責して欲しいものだ。 

    *   *   *   * 

 数日前に掛川の仲の良かった某町内会の会長から電話が来て、「この週末に町内会で北海道旅行をするのだけれど、金曜日の夜にご一緒出来ませんか」とのこと。

 随分とかわいがってくださった方なのでお会いする事にしたのだが、会場へ向かう途中で、そういえば昼のA君も掛川の縁だったと思い出して、町内会の皆さんのご了解もいただいて、A君にこの会合に一緒をしてもらう事にした。

 新しい人を知る事は良い事だ、というのが私の信条なので、互いに紹介するに値する人がいるときはお引き合わせする事も社会に対する義務だろう。 
 実際に引き合わせてみたら、「あれ、Aさんは俺の息子と同い年だねえ、○○って知ってるかい?」「あ、そうですか。彼とは高校の同級生でした」とか、「なんだ、だいぶ年は違うが小学校の後輩か」などという会話がぽんぽん飛び出した。さすがに掛川は狭いが暖かい。

 北海道の地酒も勧めて北海道の食も堪能していただいて、楽しいひとときに皆さん大いに喜んでくださった。皆年上の先輩ばかりだが、私の事を忘れずに尋ねてきてくださる気持ちが嬉しいなあ。

 明日小樽へ回ったあとに空港へ向かわれるとか。

 家に着くまでが遠足です! 道中お気をつけて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする