釧路をはじめとする道東地域は日本を代表する馬産地で、その歴史は明治時代までさかのぼります。
後に人呼んで「ウマの神様」と言われた神(じん)八三郎が釧路へ来たのは明治20年、当時二十歳の青年でした。
八三郎は釧路へ来てから、商売や農業など様々な職業を経たものの、どれもあまりうまくいきませんでしたが、そんな彼に「馬をやりましょう」と勧めたのは妻のセキだったと言います。
「よし、馬をやるか!」 彼が馬づくりに決心したのは明治35年のことでした。馬の神様が彼に降りた瞬間です。
八三郎の馬づくりの中で、最大の功績は「日本釧路種」と呼ばれる品種を作り上げたこと。当時の馬は戦争のための強力な武器の一つでした。
特に日露戦争でコサック騎兵に散々に痛めつけられた軍部からは、「大きな馬が欲しい」という声が強かったのですが、「体の小さな日本人に大きな馬を与えてどうする?日本人の体格に合った馬がいいんじゃ!」という自説を引っ提げて八三郎は陸軍省や農林省を駆けずり回り、ついに五尺二寸(約156センチ)の馬づくりを目標とさせて、それに見合う馬として作り上げたのが「日本釧路種」だったのです。
今こうした馬の歴史は、釧路市の大楽毛で昔の馬市の後に作られた神馬事記念館がその往時を偲ばせています。
※ ※ ※ ※ ※
さてそんな釧路のこと。一度は馬に乗りたいものだと思っていたら、なんと先週、「東北海道うま会議」のメンバーという方たちが訪れてくれて、道東地域の馬に関する情報をいろいろと教えてくれました。
しかもこの週末に馬に乗るイベントがあるというので、すぐに申し込んで今日早速参加をしてきたのです。
乗馬を行うコースは釧路市の隣町の鶴居村にあります。馬会議の幹事長であるMさんも馬に見せられた男の一人。ここ鶴居村の牧場を借りながら、自分で所有する馬たちを使ってホーストレッキングで楽しませてくれています。
このコースのすぐ近くにはこれまたホーストレッキングで有名などさんこ牧場があって、こことも連携をしているとのこと。
※ ※ ※ ※ ※
【クォーターホースは背が高くてかっこいい】
今日乗る馬はクォーターホースという種類で、どさんこよりは背が高くて馬らしい姿をしています。私が乗ったのはアポロという名の若いオス。ホーストレッキングには私の他に女性が三名と男性が一名が参加していました。
馬に乗るのは初めてという参加者もいる中、事前準備と言っても講習も何もほとんどなく、「馬は首が操縦稈なので、手綱を引っ張れば止まるし、あとは右左に顔を向けさせればそちらへ向かいます。走らせるときはかかとでお腹をドンと蹴ってください。じゃ、いきますか」という乱暴な説明(笑)があるばかり。
しかしそれを可能にしているのが、この馬たちが十分に調教されて馬たちばかりだということ。まさに馬たちが調教されているかどうかこそが、楽しいホーストレッキングができるかどうかの一番のポイントというわけで、それがしっかりできているのがここの馬たちなのです。
今日の目的地は、はるか遠くに見える、大きな木が数本立っている「どんぐりの丘」と呼ばれる小高い丘。早速出発です。
【ずいぶん遠くに見える丘ですが…】
馬の背中の上では上からつりさげられているような気持ちで、と言われますが、つまりは背筋を伸ばして重心を真ん中におけ、ということ。乗っているうちに次第に慣れてくるものです。
【皆上手に見えるのは馬が利口だから、なのです】
途中、美味しいからなのか、それとも騎手が馬鹿にされているのかやたらに草を食べる仕草が見られましたが、「馬を扱うポイントはイニシャチブを取ること。騎手にとって気に入らない態度をしたらすぐにびしっと叱ることを繰り返せば、言うことを聞くようになりますよ」というアドバイスを受けて、次第にコントロールが効くようになりました。馬が利口なんです、馬が。
【見よ、この雄姿】
【参加者で記念写真をパチリ】
※ ※ ※ ※ ※
今日は朝方現地へ向かう途中で雨が降っていたものの、トレッキングを始める頃には雨も上がり心地よい風が吹き始めました。目的地の「どんぐりの丘」で記念写真を撮って再び元の牧場へ。楽しい馬との2時間の旅でした。
お値段の9千円(昼食代込、会員は7千円)を高いと思うか、安いと思うか。北海道ならではの思い出づくりも、馬との相性でさらに素敵なものになりそうです。
私も会員になったので、次はもう少しスピードを上げて走る練習をしたいと思います。
北海道ならではの良さをもっと味わわなくては、ね。
【うーん、なんとも北海道らしい風景だ】
後に人呼んで「ウマの神様」と言われた神(じん)八三郎が釧路へ来たのは明治20年、当時二十歳の青年でした。
八三郎は釧路へ来てから、商売や農業など様々な職業を経たものの、どれもあまりうまくいきませんでしたが、そんな彼に「馬をやりましょう」と勧めたのは妻のセキだったと言います。
「よし、馬をやるか!」 彼が馬づくりに決心したのは明治35年のことでした。馬の神様が彼に降りた瞬間です。
八三郎の馬づくりの中で、最大の功績は「日本釧路種」と呼ばれる品種を作り上げたこと。当時の馬は戦争のための強力な武器の一つでした。
特に日露戦争でコサック騎兵に散々に痛めつけられた軍部からは、「大きな馬が欲しい」という声が強かったのですが、「体の小さな日本人に大きな馬を与えてどうする?日本人の体格に合った馬がいいんじゃ!」という自説を引っ提げて八三郎は陸軍省や農林省を駆けずり回り、ついに五尺二寸(約156センチ)の馬づくりを目標とさせて、それに見合う馬として作り上げたのが「日本釧路種」だったのです。
今こうした馬の歴史は、釧路市の大楽毛で昔の馬市の後に作られた神馬事記念館がその往時を偲ばせています。
※ ※ ※ ※ ※
さてそんな釧路のこと。一度は馬に乗りたいものだと思っていたら、なんと先週、「東北海道うま会議」のメンバーという方たちが訪れてくれて、道東地域の馬に関する情報をいろいろと教えてくれました。
しかもこの週末に馬に乗るイベントがあるというので、すぐに申し込んで今日早速参加をしてきたのです。
乗馬を行うコースは釧路市の隣町の鶴居村にあります。馬会議の幹事長であるMさんも馬に見せられた男の一人。ここ鶴居村の牧場を借りながら、自分で所有する馬たちを使ってホーストレッキングで楽しませてくれています。
このコースのすぐ近くにはこれまたホーストレッキングで有名などさんこ牧場があって、こことも連携をしているとのこと。
※ ※ ※ ※ ※
【クォーターホースは背が高くてかっこいい】
今日乗る馬はクォーターホースという種類で、どさんこよりは背が高くて馬らしい姿をしています。私が乗ったのはアポロという名の若いオス。ホーストレッキングには私の他に女性が三名と男性が一名が参加していました。
馬に乗るのは初めてという参加者もいる中、事前準備と言っても講習も何もほとんどなく、「馬は首が操縦稈なので、手綱を引っ張れば止まるし、あとは右左に顔を向けさせればそちらへ向かいます。走らせるときはかかとでお腹をドンと蹴ってください。じゃ、いきますか」という乱暴な説明(笑)があるばかり。
しかしそれを可能にしているのが、この馬たちが十分に調教されて馬たちばかりだということ。まさに馬たちが調教されているかどうかこそが、楽しいホーストレッキングができるかどうかの一番のポイントというわけで、それがしっかりできているのがここの馬たちなのです。
今日の目的地は、はるか遠くに見える、大きな木が数本立っている「どんぐりの丘」と呼ばれる小高い丘。早速出発です。
【ずいぶん遠くに見える丘ですが…】
馬の背中の上では上からつりさげられているような気持ちで、と言われますが、つまりは背筋を伸ばして重心を真ん中におけ、ということ。乗っているうちに次第に慣れてくるものです。
【皆上手に見えるのは馬が利口だから、なのです】
途中、美味しいからなのか、それとも騎手が馬鹿にされているのかやたらに草を食べる仕草が見られましたが、「馬を扱うポイントはイニシャチブを取ること。騎手にとって気に入らない態度をしたらすぐにびしっと叱ることを繰り返せば、言うことを聞くようになりますよ」というアドバイスを受けて、次第にコントロールが効くようになりました。馬が利口なんです、馬が。
【見よ、この雄姿】
【参加者で記念写真をパチリ】
※ ※ ※ ※ ※
今日は朝方現地へ向かう途中で雨が降っていたものの、トレッキングを始める頃には雨も上がり心地よい風が吹き始めました。目的地の「どんぐりの丘」で記念写真を撮って再び元の牧場へ。楽しい馬との2時間の旅でした。
お値段の9千円(昼食代込、会員は7千円)を高いと思うか、安いと思うか。北海道ならではの思い出づくりも、馬との相性でさらに素敵なものになりそうです。
私も会員になったので、次はもう少しスピードを上げて走る練習をしたいと思います。
北海道ならではの良さをもっと味わわなくては、ね。
【うーん、なんとも北海道らしい風景だ】