今週の日曜日に市民文化会館にて、市民フォーラム「東日本大震災を教訓に釧路の防災を考える」が開催されることになっている。
このフォーラムは、市内にある4つの高等教育研究機関(北海道教育大学釧路校、釧路公立大学、釧路短期大学、釧路工業高等専門学校)が連携協力しながら企画主催する初めてのイベントで、これに釧路市が協力するので、官学連携イベントというわけである。
テーマは文字通り、釧路の防災を考えるということで、北大理学部で津波堆積物を研究している西村裕一准教授による講演があり、私にはその後で『防災とコンパクトシティ』というテーマで30分ほどのミニ講演をしてほしいという依頼があった。
実は西村准教授とは北大へ入学した時の教養時代の同級生で、一緒にソフトボールをして酒を飲んだ仲である。
津波堆積物の研究で津波被害想定にあたってときどきテレビに出ていたのを見かけていたが、その後釧路でも調査に入ってくれて旧交を温めることができた。
再びこういうところで一緒になるというのも不思議な巡り合わせだが、大いに楽しませていただこうと思う。
【市民フォーラムのお知らせ】
http://bit.ly/StwTz9
◆ ◆ ◆
さて、コンパクトシティというのは、高度成長時代に広げすぎた市街地が、やがて人口減少と共に地域で支え切れなくなるのではないか、という予想から、無駄に広い都市を畳もうではないか、という発想の都市づくりプランのこと。
中長期にわたる都市経営をしっかり行うためには無駄な施設や都市面積を集約化する必要がある、という発想だ。
このうち、市内に点在する建築系の建物施設については、現在『公有資産マネジメント』というかたちで精査をしてみようという取り組みが進められているが、コンパクトシティの方はまだ基本的考え方を示して、市民の意見を聞いている最中である。
【釧路市コンパクトなまちづくりに関する基本的考え方(素案)に対する意見募集】
http://bit.ly/U96whr
ある意味では、津波など考えなくても平時において行われるべき都市経営の効率化というわけだ。
◆
これに対して津波防災を考えるというのは、ひとたび発生すると甚大な被害をもたらす津波に対して強靭な町をつくるにはどうすればよいか、という視点である。
発生してしまった時には住民は避難するしかないのだが、今からでも町全体を津波に強くしておくにはどうしたらよいのか、ということを検討しておくことも大切だろう。
津波防災のためには行っておいた方が良い、というエネルギーをコンパクトシティ推進のためにうまく使えれば、その促進が図られるかもしれない。
コンパクトシティとは、単に市街地の可住面積を少なくすることが答えではなく、持っている無駄な資産をどう効率的に使えるか、という工夫のことだ。
実は市街地において、市道や公園があるだけでは市の財政に対してそれほど大きな影響は与えない。
なぜならこれらの行的インフラに対してはその保有に対して一定の交付税措置が取られているからだ。
つまり管理費はかかるが一定の収入もあるのであって、それならばあえて積極的になくしてしまう必要はない。
それよりも人口減少によって支える人口が減り困りそうなのは、上水道や下水道になりそうだ。
これらは企業会計として、まさに利用者の利用料金によって通常の維持管理は将来への投資が行われるからで、人口減少のマイナス面を大きく受けそうなのだ。
しかしそうだとして、それらを畳むことが現実的にどのようなことでやれるか、ということになると、行政力、政治力の面で現実味が感じられない。
一度広げた都市を畳むというのは容易ではないのだ。
◆ ◆ ◆
このあたりをどのようにお話しするかが日曜日のポイントだ。
ご興味がおありの方はぜひ会場に足をお運びいただきたい。
このフォーラムは、市内にある4つの高等教育研究機関(北海道教育大学釧路校、釧路公立大学、釧路短期大学、釧路工業高等専門学校)が連携協力しながら企画主催する初めてのイベントで、これに釧路市が協力するので、官学連携イベントというわけである。
テーマは文字通り、釧路の防災を考えるということで、北大理学部で津波堆積物を研究している西村裕一准教授による講演があり、私にはその後で『防災とコンパクトシティ』というテーマで30分ほどのミニ講演をしてほしいという依頼があった。
実は西村准教授とは北大へ入学した時の教養時代の同級生で、一緒にソフトボールをして酒を飲んだ仲である。
津波堆積物の研究で津波被害想定にあたってときどきテレビに出ていたのを見かけていたが、その後釧路でも調査に入ってくれて旧交を温めることができた。
再びこういうところで一緒になるというのも不思議な巡り合わせだが、大いに楽しませていただこうと思う。
【市民フォーラムのお知らせ】
http://bit.ly/StwTz9
◆ ◆ ◆
さて、コンパクトシティというのは、高度成長時代に広げすぎた市街地が、やがて人口減少と共に地域で支え切れなくなるのではないか、という予想から、無駄に広い都市を畳もうではないか、という発想の都市づくりプランのこと。
中長期にわたる都市経営をしっかり行うためには無駄な施設や都市面積を集約化する必要がある、という発想だ。
このうち、市内に点在する建築系の建物施設については、現在『公有資産マネジメント』というかたちで精査をしてみようという取り組みが進められているが、コンパクトシティの方はまだ基本的考え方を示して、市民の意見を聞いている最中である。
【釧路市コンパクトなまちづくりに関する基本的考え方(素案)に対する意見募集】
http://bit.ly/U96whr
ある意味では、津波など考えなくても平時において行われるべき都市経営の効率化というわけだ。
◆
これに対して津波防災を考えるというのは、ひとたび発生すると甚大な被害をもたらす津波に対して強靭な町をつくるにはどうすればよいか、という視点である。
発生してしまった時には住民は避難するしかないのだが、今からでも町全体を津波に強くしておくにはどうしたらよいのか、ということを検討しておくことも大切だろう。
津波防災のためには行っておいた方が良い、というエネルギーをコンパクトシティ推進のためにうまく使えれば、その促進が図られるかもしれない。
コンパクトシティとは、単に市街地の可住面積を少なくすることが答えではなく、持っている無駄な資産をどう効率的に使えるか、という工夫のことだ。
実は市街地において、市道や公園があるだけでは市の財政に対してそれほど大きな影響は与えない。
なぜならこれらの行的インフラに対してはその保有に対して一定の交付税措置が取られているからだ。
つまり管理費はかかるが一定の収入もあるのであって、それならばあえて積極的になくしてしまう必要はない。
それよりも人口減少によって支える人口が減り困りそうなのは、上水道や下水道になりそうだ。
これらは企業会計として、まさに利用者の利用料金によって通常の維持管理は将来への投資が行われるからで、人口減少のマイナス面を大きく受けそうなのだ。
しかしそうだとして、それらを畳むことが現実的にどのようなことでやれるか、ということになると、行政力、政治力の面で現実味が感じられない。
一度広げた都市を畳むというのは容易ではないのだ。
◆ ◆ ◆
このあたりをどのようにお話しするかが日曜日のポイントだ。
ご興味がおありの方はぜひ会場に足をお運びいただきたい。