【動画のアドレスは一番下に貼ってあります】
私の古巣である滝野すずらん丘陵公園で撮影された面白い動画が話題になっています。
滝野公園では過去に何度も園内にクマが出没したことがあり、フェンスを施したり電気柵を設置したりと園内に入ってこないような措置を講じているのですが、その一環で主要なポイントには定点観測カメラを設置しています。
そしてその延長で、園内の動物の行動や夜の様子など人の気配のないところでの動物たちの様子を定点カメラで撮影し、面白いものを公式ホームページで公開しているのです。
今回公開されてテレビやネットニュースで話題になったのは10月10日に撮影された動画で、エゾリスがなんと人間には猛毒のベニテングダケをもしゃもしゃと食べる様子が映っていました。
ベニテングダケは、真っ赤な傘に米粒のようなブツブツがついていていかにも毒々しいキノコで、人間が食べると吐き気やめまいがし、量が多ければ死にも至るというちょっとヤバイやつです。
しかしそれをエゾリスは前足で押さえてムシャムシャ食べます。
(猛毒なんじゃないの!?)と驚きますが、どうやら野生の動物にはこうしたものに耐性をもっていることがあるようで、驚くべことではないのだそう。
ところがこの動画には続きがあって、ベニテングダケを移していた定点カメラは、その二日後にエゾシカがリスの食べ残したベニテングダケを食べる様子を捉えていました。
(エゾシカにも毒キノコへの体制があるのか~)と感心していたら、なんとその次には、エゾリスが再びキノコのあったところに出てきて、食べ残したはずのキノコを探す様子が映されていました。
リスって本来は忘れん坊のことが多いのですが、このキノコのことは覚えていたようで、楽しみにやってきたらなんと先客に食べられていて、「あれ?あれれ?」と探す様子がなんともコミカルで笑えます。
この一連の動画はテレビのワイドショーなどでも面白く取り上げられたようで、撮影した滝野公園の担当者の方は「思いのほかバズリました」と反響に驚きつつも嬉しそう。
こういう動画コンテンツが充実してゆくのは滝野公園のような大きな自然がありながら人間による管理運営が充実している公園の貴重な財産であり資源のように思います。
幸か不幸か、熊の動画も結構たくさん撮れていて彼らの行動の一端をつかむことにも役立っています。
動物園って、動物単体の姿や生態を見ることができますが、滝野公園の今回の動画のように、動物どうしが食物を介して争ったり競争をしたりするような関係性がわかる姿って動物園では得られない価値があります。
熊の映像は怖いけれど、エゾモモンガとかシマエナガなどかわいい系の動物や鳥なんかも魅力的でしょうね。
このような付加価値がもっと増して、環境学習や動植物の生態学習などの教育に役立つとともに、それが観光資源となって場の魅力を増してゆくような活躍を大いに期待したいところです。
【一連の動画】 「ベニテングダケを食べるエゾリスの動画が取れました」
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