北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

それ、詐欺ですから!

2022-11-16 22:09:05 | Weblog

 

 夜に高齢の母から電話がありました。

 時間が時間だけに内心(良い話じゃないな)とドキッとします。

「ちょっと話してもいいかい…、いやあ詐欺にあいそうになってさ…」と母はなんだか言いにくそうでしたが、ここ二日間のいきさつを話してくれました。

「若いお兄さんが訪ねてきて、『布団の丸洗いが無料で、得だから使わない手はないです』っていう話から始まってさ…」

 聞けば、布団を無料で丸洗いするから布団を見せてほしいという話から始まったのだそう。

 母が、そんな布団はもう使っていないし二階にある、というと自分で取に行くと言って布団を下ろしてくるところまで。

 もうこの時点でアウトのような気がしますが、母は次第に上手に断り切れなくなっていった様子。

 挙句の果てに、「布団の丸洗いは無料だけれど、こんなに良い布団ならばよい布団カバーをつけなくちゃだめだ(もう完全に怪しいですよね)」と言い出し、そのお値段がなんと15万円だという。

 母ももう十分に怪しさが分かってはいるものの、なんとしても帰らないその態度に根負けしてしまって、とうとう手付金として3万円を払ったのだと。

 しかも帰り際に「この話は息子さんがいても息子さんに話しちゃだめですよ」と釘を刺して行ったそう。

 それでその若者は布団を預かってようやく出て行ったそうなのですが、さすがは母で、一晩もんもんと考えた末に、「やっぱりクーリングオフを使おう」と決めて、「息子にこんなのだめだと言われた」と嘘を言って(私には何もはなしてないので)キャンセルの電話したのだそう。

 すると電話口で若者は「どうして息子さんに話したの!」となじったそうですが、ここでも母は機転を利かせて「いや、あの後に息子が家に来て何があったのか訊かれたのさ」と嘘で逃れたそう。

 ことここに至ってさすがに相手も「それじゃあ来週お金とふとんをお持ちします」と観念したとのことで、「そんなことがあったので報告しておく」という電話だったのでした。


 話を聞く限りはとりあえず事態は収まりかけているようですが、これは最後まで見届けて確認しなくては安心できないので、その若者が来るという時間には立ち会うつもりです。

 事情によっては消費者協会や警察に事前に連絡をして対処の仕方を聞いておくのも手かもしれません。

 
 この手の詐欺まがい、詐欺そのものの業者は鵜の目鷹の目で老人だけが住まいする家を狙っているに違いありません。

 普段から子供たちが訪問と会話を密にして何かあった時の心の支えになってあげなくてはいけません。

 また独居老人など、身の回りに信頼できる身内がいないようなところでも、友人や行政などと普段から顔の見える付き合いをしておく必要がありますね。

 皆さんの周りの高齢の親御さんにこんな話はありませんか。

 どうぞお気をつけください。

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自治体の除雪事情 ~ 雪に耐える自治体と雪に困り果てる自治体

2022-11-14 22:53:44 | Weblog

 

 仕事柄、ここ数カ月で8つほどの自治体を訪問して道路インフラの管理の仕方について現状と今後の悩みなどをヒアリングしてきました。

 本州の道路管理であれば冬に雪がないために、一年中道路パトロールと清掃、街路樹の選定、そして壊れたところがあれば小修繕ということで済むでしょう。

 しかし冬に雪が降る北海道となれば、夏の維持体制と冬の除雪体制では関わる業者さんも管理のやり方も全く変わります。

 以前から良く聴かされていたのが、「自治体職員の数が今後は減ってゆく」「特に技術系職員は募集をしても集まらない」「除雪は少子高齢化で業者の数が減っている」「特に大型特殊免許を持っていて除雪の機械を動かすオペレーターが減って除雪の担い手が不足する」といったことでした。

 私もヒアリングをする前は、北海道のどこもそんな感じなのだろうと思い込んでいました。

 ところが実際に現場を訪ねて現状を伺うと、必ずしも自治体によって状況は一様ではないことが分かってきました。

 自治体によって異なる条件の典型は"降る雪の量"です。

 日本海側は海で吸い上げた水蒸気が陸地で雪になるので雪が多く、北海道の中央にある山で雪を落とすと道東側は雪が降りません。

 直感的には、雪が降る方が大変で雪が降らないほうは楽ちんなのではないか、と考えます。

 ところがこれが住民の立場と除雪業者では立場が異なります。

 雪が降るところの住民は雪かきが大変ですし、雪が降らないところは晴天が多く明るい冬が楽しめます。

 ところが除雪の業者となると、「雪が降る地方は出動した時間に応じてお金がもらえるので除雪は儲かるビジネスでやりたがる人は多い」とのこと。

 一方道東のように雪が降らなければ出動する時間がシーズンで3~4回ほどととても少ないために出動してもお金にならない。

 しかもいつでも出動できるための機械を用意して体制を組むのですから、かかる経費はバカになりません。

 それなのに出動しなくてはお金にならないというのでは業者の方は疲弊してゆくというわけです。

 北海道なんてどこでも寒くて雪が降り、除雪の体制はどこも大体同じと思い込んでいたのですが、実は自治体ごとに非常にやり方が異なっているというのは驚きでした。

 
 そしてどこの自治体へ行っても異口同音に述べられるのが「最近は住民からの要求やクレームが増えている」という悩みでした。

 「いつ来るんだ」「家の前に雪を置くな」「家の前も除雪しろ」といった、様々な要求やクレーム、問い合わせに冬は職員が疲れ果てるというのも良くわかります。

 北国では雪のある暮らしについてもう一度生涯学習をして、行政サービスをむさぼろうとするのではなく、どのように周りに貢献できるかという発想に変えて、皆で乗り切るような協力体制が欲しいものだと思いました。

 北国の暮らしって、学校でどう教えていて、社会はどう学んでいるのでしょうか。

 今年もそろそろ雪の便りが聞かれるようになりました。

 

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行政手続きも動画で説明 ~ 青森県庁のグッドジョブ!

2022-11-13 23:41:56 | Weblog

 以前、アワビ・ナマコを取り扱う友達が「今度から法律が変わって、アワビ・ナマコを取り扱うのには採る人も商売で取り扱う会社も登録をして、取引も記録しなくちゃならなくなるんだよ」と聞いた話の続き。

 いよいよその法律がこの12月から適用になるという事で、手続きを急ごうとこの週末に友達と二人でネットを見ながら手続きをやってみました。

 今は電子政府を推し進めるという方針が示されていて、こうした採捕者・取扱者の登録はほぼネットでできるようになっています。

 手続きは2段階構えで、手続きをしようとする者は、まずgBizというシステムで申請者の本人確認が必要なgBiz(正式にはgBizプライム)のアカウントを取って登録します。

 その次に、このアカウントを使って政府の様々な行政サービスへの登録や利用ができるというわけですが、まあなかなかにとっつきにくいところがあります。

 
 前回の作業で、gBizのアカウント登録を終えていた友人はいよいよこれから農水省のeMAFFというサイトから「水産流通適正化法に基づく取扱事業者届け出」というのを行うことにしました。

 とりあえずなんとかんとか、"事業者届け出"の必要事項を書き込む画面まできたものの、そこから先にちょっと迷うことがあって行き詰まってしまいました。

 するとその友人が「それならyoutubeを見て見ようや、およそ何でも説明してくれる動画がみつかるよ」と言い出しました。


【なんとyoutubeに答えが!】

「いやいや、いくらなんでもこの法律の取扱事業者届け出の書き方まではないんじゃないの」
「まあ検索してみようや」

 検索の単語を入れ替えてトライ&エラーを繰り返すこと数分…、出ました!

 なんと「【青森県庁作成】水産流通適正化法の取扱事業者届け出方法」という動画が見つかりました!

 青森県庁では、県内の取り扱いをしようという人たちのために手続きをわかりやすく説明する動画を作成してyoutubeにアップしていたのです。

 この手の動画は、同じ検索ワードでもアップした年月日が古いものがいつまでも引っかかって検索されてくるので混乱の元なのですが、こちらは今から3か月前にアップされたもので新鮮。

 まさに今これからやろうとしている手続きのやり方が画面をキャプチャしてそこに印をつけてくれて「ここにこのキーワードを入れます」「ここのチェックボックスに印をつけます」という説明が分かりやすく丁寧に展開してゆきます。

 
 あくまでも青森県庁が青森県民の水産物取扱業者さん向けに作ったものでしょうけれど、他の都道府県で困っている人のためにもなる優れた作品です。

 他の都道府県もこのような良い事例を見習ってほしいところですが、そもそも手続きを作った農水省がもっと分かりやすい説明をすればよい話。

 行政組織が行政手続きをわかりやすい動画で説明しているなんて、これこそが本当のデジタル化ということではないでしょうか。

 ありとあらゆる困りごとが分かりやすい動画で説明される時代で、多くはゲリラ的なユーチューバーの努力の結果ですが、ここに行政も参入する時代。

 面白い時代になりました。

 

 

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言いたいことは全部紙に書け ~ 言葉は空中に消えてしまうのです

2022-11-11 23:52:51 | Weblog

 

 最近仕事の関係で地方自治体を訪ね歩くことが増えました。

 訪問の目的は会社の事業や製品の紹介とプレゼンテーションが中心ですが、自分の長年の経験から、この上手なやり方が見えてきました。

 資料のつくり方も一つのテクニックなのですが、良い資料を用意したとしてもそれを使ってどのように相手の心に入ってゆくかはこれまた別なテクニックです。

 私がたどり着いた私なりの究極のアプローチ方法は、「とにかく書く」ということ。

 相手に対しては、今回の訪問の目的、背景、現状認識への質問、自社製品のメリットなどをすべて書き出して、できれば一枚にまとめた紙を用意してこれをベースにして意見を交わします。

 こうした紙のことを最近は「アジェンダ」というようになりました。

 しかし「アジェンダ」って言われても私も正直言って長い間なかなかイメージがわきませんでした。

(レジメと何が違うの?)、(アジェンダって辞書を引いてもいろいろな意味が出てきて、つかみにくい)というのが一般的な思いだと思います。

 ところが実際に外部の人が自分に対して資料説明をして内容を伝えようとしている姿を見ていて、(実に分かりにくいし、後に残りにくい)と思うことがしばしばでした。

 それは資料の束だけは残るものの、そのときに何が目的でどんな意見を交わそうとしているのか、は大抵口頭で述べられて、会議のメモも割と乱雑なものに終わってしまうからだと思うようになりました。

 そこであるときから、資料の束とは別に、本日の日付・時間、出席者、意見交換したい議題・ポイントなどを書いた一枚紙をつけて、それをもとに会議に臨むようにしました。

 後から考えるとこれこそが「アジェンダ」で、会議を進めやすくする手助けになっているのだと気がつきました。

 
 自社の製品を売り込むときも、まず製品の特長やメリットから入るのではなく、「こんなことで困っていませんか?」「どんなことで困っていますか?」という質問から入るようにして、ある程度関心と心の中の困りごと・不平・不満を引き出してから、「それならこのような回答があるのではないでしょうか」という形でプレゼンをする。

 お互いに会議の内容とその場の議論が後に残るような工夫が必用で、その一助がアジェンダという言葉に集約されています。

 
 しかもこのアジェンダに代表されるような「書き物」は、回数を重ねるともっと良い内容に次第にバージョンアップされてゆきます。

 これが空中に消えてしまう口頭での発言と違うところで、書き物にして残すことでどんどん内容が向上してゆくという効果が期待できます。

 今まで口頭で説明したり話をしていたことを一度書き留めてみましょう。

 それが後に残る財産になってゆくことでしょう。

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ただ磨けばよいというものではない ~ 歯磨きも目的意識をしっかりと

2022-11-10 23:08:33 | Weblog

 

 歯の定期検診に行ってきました。

 歯の健康状態はインプラントの歯にとっては重大です。

 染め出し液で歯磨きの汚れをチェックして、それからはぐきの閉まり具合を確認、最後に歯石を取るという一連の内容です。

「なにか気になることはありますか?」というので、「インプラントの歯に接する自分の歯の歯茎がちょっと下がってきてたまに痛くなります」と訴えました。

 すると優しそうな歯科衛生士さんが「ああ~、小松さんは歯磨きを頑張りすぎているかもしれませんね」と意外なことを言います。

「ちょっと歯磨きの時に力が入りすぎていてしかも長く歯茎を圧迫しているかもしれませんね」
「歯の汚れを取ろうと一生懸命にやっているのですが、どうしても汚れが残るところが出てきてしまって…」

「そこなんです。ずっと検診結果を見ていると、小松さんは磨き残し率が2~5%くらいでものすごく成績がいいんです。これって20%くらい残るのが普通の方なので、もう落とせる汚れは落とせているのになお汚れを落とそうと歯ブラシを当てているのじゃないでしょうか」
「どうしたらよいですか?」

「歯茎が下がっているとおっしゃるのは左奥の下の歯ですね。それって右利きの人は歯ブラシを当てやすくて磨きやすいんです。だからあえてそこは磨かないくらいの気持ちでも良いかもしれません」

 今まではとにかく歯の汚れを落とそうと一生懸命に磨きをかけていたのですが、なんとそれが逆に"磨きすぎ"なのだと!

 しかし歯の汚れが落ちているかどうかはどうしても気になります。


 すると歯科衛生士さんは、「小松さんは、磨く前に歯の染め出しをしてその汚れを落とすような磨き方をするのが良いと思います。汚れているところを見つけてそこだけを磨くんです」
「ははあ、いわゆる"見える化"ですね」

 そして彼女は、染め出し液は家にありますか、と訊ねてきました。

「あるのですが、なんだか汚れたところがくっきりと浮かび上がらないんです」


 すると「ああ、私たちが使っているプロ用はそこがはっきり出ますからね」と納得顔。

「それって売っていただけるんですか?」「多分大丈夫なので次回までに業者さんに注文しておきましょう」


     ◆


 結局今日分かったことは、「歯を磨くのは汚れを落とすためであり、無駄な歯ブラシは止めること」「無駄な歯ブラシかどうかを判断するのは汚れを見えるようにすればよい」ということ。

 なんでも目的をはっきりさせることが大切で、一見真面目に見えるだけではダメなのです。

 そして「プロ用の染め出し液は市販のものとはやっぱり違う」ということ。

 一度良い道具を見てしまうと、もう性能の劣る道具には戻れないのは釣りでもなんでも同じことですね。

 たかが歯磨き、されど歯磨き。

 奥が深い世界であります。

 

 

 

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釣り道具に奮発する ~ 流れが来ているならば決断のときは今

2022-11-09 23:35:59 | Weblog

 

 半月ほど前に行った鮭釣りではガイドをしてくれた釣り兄貴のおかげで鮭を二匹釣ることができました。

 鮭釣りにもいろいろな釣り方があって、浜辺にずらりと竿を並べるような釣り方もありますが、私の場合は港の中に溜まる鮭を狙う浮きフカセという釣り方で釣れたものです。

 しかし道具は全て釣り兄貴からの借り物。

 兄貴からは「もうちゃんとした道具を買った方が良いよ」というアドバイスを受けていました。

 ちょっと悩んだのですが、釣りもせいぜいあと10年のお楽しみ。

 そこで機は熟したと判断して、ちょっと奮発をして釣り兄貴が「これがいいよ」と勧める磯竿とリール、ラインをネットで購入しました。

 こういう何かに挑戦するときは、「やる気」になったときに「やる方向」に重心をかけて挑むかどうかが大きなターニングポイントになります。

 全体の流れが向かう方向を察知したらもうその流れには逆らわず、逆に積極的にその流れに乗る選択をする方が良い、逆に流れにいつまでも逆らっていてはダメという経験を何度もしました。

 自分の周りにこれだけ釣りに詳しくて教えてくれる人たちがいて、その人たちとずっと一緒に付き合ってゆくには、いつまでも借り物ではいられない。

 どうせやるなら逆らわずに良い道具を手に入れるしかない、それはもう今この瞬間だという判断です。

 そういう勘って案外正しくて、そのお陰で新しい世界が広がってきました。

 その扉を開けなければ開けないなりの人生もあるのでしょうが、開くのを待っている扉があるなら開けた方が世界が広がるのです。

 
 人生って、進学、転勤、読書、趣味など様々な場面での選択の結果が今なので、今が充実していたり楽しいのであれば、選択は妥当だったということなのでしょう。

 
「釣竿買ったら、使い方の注意やらなにやら教えるからね」

 こういう友達がいる世界を選択したことは間違っていなかったな、と思います。
 
   

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大事な友人の大事な奥様とのお別れ

2022-11-06 23:41:24 | Weblog

 

 大事な友達の大事な奥さんが亡くなってしまいました。

 そのためこの週末は土、日と通夜・告別式とあわただしい時間を過ごしました。

 釣りを始めアウトドアイベントには夫婦そろって顔を出してくれて、いつも明るい笑顔を振りまいてくれる方でした。

 アウトドアの集まりはどうしても男性やおやじばかりが集まる傾向があって、私が妻を連れて行ったときは良き話し相手になってくださり、お互いに旦那の悪口を言って笑っていたようです。

 普段は全く病気の話など聞くことがなく、病気などとは無縁と思っていましたがその日の朝に倒れて、そのまま天に召されました。

 最愛の奥様でありお母様でもあった彼女をなくされた友人とお子さんたちの心中を推し量ると胸が詰まる思いです。

 
 コロナ下でのお葬式という事で、喪主となった友人は多くの参列者を迎えることに葛藤があったかとおもいますが、それを知った仲間たちはそんなことはおかまいなしに道内一円はもちろん本州からも駆けつけて別れを惜しみました。

 通夜を終えた後も、翌日の告別式に参列する仲間は多く、黙っていると襲ってくる悲しみにを紛らそうと夜遅くまで集まって飲み明かし故人の思い出に浸りました。

 
      ◆


 通夜、告別式とも僧侶の読経と回し焼香で式は淡々と進みます。

 会場に故人の略歴紹介もなかったのは家族葬を意識して、近親者のみでの葬儀にするつもりだったからでしょうか。

 しかし家に帰ってから香典のお返しに添えられたお礼状を見て涙が溢れました。

 それは型通りの既製品のお礼状ではなく、喪主が故人に寄せた思いが切々と語られた一文で、最初の一行は「愛し愛され 笑顔の花を咲かせた人生でした」とありました。

 私も妻も、亡くなられた奥様には笑顔の姿しか頭には浮かびません。

 お孫さんも増えてかわいい盛り。

 あと10年は一緒に遊べるはずでした。

 笑顔の思い出を胸に刻んでいこうと思います。   合掌

 

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良き官僚として読んでおくべき本 ~ 古典から小説まで

2022-11-04 18:13:09 | Weblog

 

 半月ほど前に行った「人材育成研修」ですが、先週その受講生の一人を訪ねてきました。

 研修は、私が用意した"心に響く"と思われる文章を読んでもらい、感じたことを4人ずつの班ごとに意見交換して内容を発表してもらうという形で進めました。

 文章の方は、「読むだけで人間力が高まる100の話」(モラロジー道徳教育財団発行)から4編と、「二宮翁夜話」(PHP研究所発行)から4編を選びました。

 訪ねた受講生に「読んでもらった文章はどうでしたか」と感想を聞いてみたところ、彼は「『読むだけで…」の方はすんなりと読めたのですが、『二宮翁夜話』の方は文体も古文のようで理解が難しかったです」とのこと。

 二宮翁夜話の方は、数なる中でも読みやすくて分かりやすいと思った文章だったので、あれを難しいと言われたのはちょっと考えさせられました。

 読み慣れているのかもしれない自分を基準にするといけないのかもしれません。

 研修の担当者と事前にもっと綿密に打ち合わせてみるべきだったかもしれません。


     ◆


 さて、翌日に札幌に帰ってきてから受講生の彼に激励のメールを出したところ、お礼の一文と共に下記の情報が寄せられました。

 「研修ではお世話になりました。研修を受講して、10年ほど前に人事院が若手行政官への推薦図書というものが公表されまして、何冊か手に取った日のことを思い出しました。

  https://www.jinji.go.jp/kensyusyo/books/books.html

 こちらは令和2年度版も公表されており、令和2年度版の方はどちらかと言えば現代の話題が多くなっています。

 最近は資格取得に直結する本しか読めていなかったのですが、今回の縁を機にまずは一冊、手に取ろうと思います。ありがとうございました」

 なかなかに良い反応で、人事院が若手官僚に対して「これを読んでおくのが良いよ」という推薦図書を掲げているというのは興味深いものでした。

 このサイトを実際に開いてみていただくと良いのですが、見て見ると署名の他に短文での書物の意義を説明しており、「なるほど」と思うリストになっています。

 
 一番最初は福澤諭吉の『文明論之概略』(岩波文庫など)

 これには「「学問のすすめ」と「福翁自伝」とあわせ読むことが望ましい。・ 国の独立と発展成長のためには、社会全体の知性の向上こそ不可欠であること明快に示した、近代日本最高の古典である」とあります。

 
 リストの中には内村鑑三の『代表的日本人』(岩波文庫など)もあり、これは私が二宮尊徳を紹介するときによく取り上げる本でもあります。

 また塩野七生さんの『ローマ人の物語』などの小説もあったり、私が読んだものも多いのですが、読んでいない本もあり、これらは死ぬまでには読んでおくべき本と理解しました。

 本は出合うことが難しいところもありますが、このような推薦リストは一つの基準になることでしょう。

 もう官僚になることはありませんが(笑)、人生の教養としていつか読んでおこうと思います。

 参考にされてください。

 

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敵はマルチタスクにあり ~ 人は同時にいくつものことはできないのです

2022-11-03 22:27:43 | Weblog

 

 私こと、最近はあまり本が読めておらず、ちょっとまずいなと思っていました。

 先日友人との会話の中で、その原因がスマホやパソコンによる「意識のマルチタスク化」にあることがようやくわかりました。

「最近本が読めなくて困ります」
「小松さんはスマホがいつも近くにあるのではないですか?」

「確かに。それにすぐにパソコンの前に座ってしまいます」
「そう、それです。気が散る要素が多いと、自分がいくつものことを同時にやっているマルチタスクに酔うことがありますが、実はそれは効率を落とす根本的な原因なんですよ」


     ◆


 マルチタスクというのは、一度に複数のことをこなすことで、パソコンであれば、画面を映しながらデータをダウンロードして、さらにその裏で印刷をこなすなど、同時にいくつもの仕事(=マルチタスク)をこなすことができます。

 しかし人間の場合はマルチタスクがやれているようで実はそれは全くの幻想。

 人は機械と違って、一度に二つ以上の事はできずただ短い時間で意識の先をスイッチしているだけです。

 そしてそれらの意識の先をスイッチすると目の前のタスクに集中するための時間が必要になってきます。

 なので、勉強をしながらスマホを見てラジオを聴いてお菓子を食べて…と一度に複数のことをしようと思うと結果的に集中力は下がり効率も下がります。

 頭に入ってくる情報が増えてその情報の整理もできなくなり、イライラしてストレスもたまります。

 一見、すごいことをしているように見えて結果的には思うような成果にたどり着けないのだということを理解すべきです。


 目の前のタスク(やるべきこと)を決めたらまずはそれに集中してやり終えてから、ちょっと休憩をして次のタスクに取り掛かりましょう。

 その間は他のことをしたくなってもやらないことです。

 こうして書いてみて、我が身を顧みてしばしば「マルチタスク状態」に陥りやすいことを反省です。

 改めてマルチタスクこそが敵であると理解しましょう。


     ◆


 読書もまさに重要なタスクで、いくら読むべき本を積んでいてもそれだけでは身になりません。

 本に対しては「時間ができたら読もう」というのではなく、「今読まなくてはいつ読むの」という姿勢で臨まなくてはなりませんね。

 自戒を込めて。

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ホテルの朝食バイキング

2022-11-01 22:34:07 | Weblog

 

 函館での仕事を終えて、市内の知人らを訪問して地域事情の収集。

 ある会社の社長さんとは1年ぶりくらいでしょうか。

「最近の市内はどうですか?」と訊ねると、「まあ人口減少と担い手の不足をじわじわと感じますよ」とのこと。

「何かそれを感じる事件でもありましたか?」
「先日札幌からある団体が来て函館で打ち合わせをして、その後には市内のホテルに泊まっていただきましたが、まあ事件がありましたよ(笑)」

「どういうことですか?」
「今函館のホテルって、"朝食戦争"とか言われて、豪華な朝食バイキングが持て囃されているじゃないですか。そのときも朝食で有名なホテルに泊まってもらって朝食を楽しみにしていたんですが…」

「どうしましたか?」
「朝起きて朝食会場に向かったところ、入り口に60人くらいが並んでいて『コリやダメだ』となり、そのホテルでの朝食が食べられなかったんだそうです」

「えー、それはコロナで人数制限していたとかじゃなくて?」
「単純に人がいないんでしょうねえ。観光需要の喚起とか言いますが、そういうガッカリが積み重なると人気が落ちるというか、嫌われるのじゃないでしょうかね」

 私は今回はそれらとは違ったビジネスホテルでやはり朝食付きにしたのですが、そこはシンプルなワンプレートの食事でした。

 バイキングで豪華さを競うというのも一つかもしれませが、これくらいの割りきりは却って潔い感じさえしてきました。

 やりすぎてやれなくなるサービスもこれからは出てくるのでしょうか。 


     ◆


 今日訪ねた社長さんは、「社員にもちゃんと有休をとって旅でもして見聞を広めてほしい、と言っているのですが、特に50代以上の社員はそれがなかなかできませんね」と苦笑い。

「最低5日は休んでもらわないと、今は労働基準監督署から目をつけられることにもなるので困ると言っているのですが、休暇を取っても家にいて何もすることがない、という者もいます。全く困ったものです」


「そういう社長さんは旅などはしていますか?」
「旅割りが始まって、それをサイトでチェックして九州や四国などを巡ってきましたが、それなりに地域で頑張っている姿がわかるので、どうも頑張っていないように見える自分の町とつい比較してしまいますよ」

「旅割りってどうも苦手です。そういうのを探せる人はチャチャチャとやって安い旅をゲットできるのでしょうね」
「いやそれが、気をつけないといけませんよ」

「どういうことですか?」
「行先に多少は慣れていた方が良くて、初めてのところだとひどい目に会うかもしれません。私もネットで残りの安い旅割りを探していて、ある県のホテルに泊まる安いプランが残っているのを見つけたんです」

「いいじゃないですか」
「そのホテルはちょっと繁華街からは離れていて、近くに食べるお店もないところなのですが、ネットで調べてみるとホテル内の飲食店も6店中半分の3店はオープンしていなかったんです。これでは夕食難民になるかもしれないと思い、その度への応募は止めました(笑)。知らないで行くとひどい目に会ったかもしれません」


 旅も情報戦の様相を呈しているようです。

 生き馬の目を抜くような時代を生きるための知恵とスキルが必要だということでしょうか。

 

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