自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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「抗がん剤は効かない」  近藤 誠・著 その4

2013-01-04 05:56:38 | 推薦図書
P.80
「効く」とは何か

 抗がん剤について人々が誤解し混乱するのは、何をもって「抗がん剤が効く」というのか、
 発言者により聞く者により、言葉の意味が違うことが最大の原因でしょう。

  たとえばある医者は、がんが縮小することがあるから「効く」と言ったのに、
 聞いた患者・家族は、がんが治ると受け取ってしまう。あるいは、治らないまでも
 延命は可能と思い込む。こうした誤解が、患者・家族の行動に影響を与えるのは必定です。

 さらに問題なのは、抗がん剤治療に従事する医者たちが、患者・家族や社会を
 誤解させようとするかのように発言することです。

(中略)P.81
 腫瘤縮小を有効の指標とすると、いろいろ問題が生じます。
 問題点の第一は、抗がん剤は「殺細胞毒」なので、毒性による「縮命効果」や、
 「QPL:生活の質」の低下が見られることです。

 そのため、腫瘤が小さくなって「有効」と判断されても、QOLが低下し、毒性のために
 命を落とすことがしばしばです。また、すぐ死ななくても、寿命を縮めている可能性が高い。

P.84
 現実には、いかに臨床試験を繰り返しても、延命効果を示せない。それゆえの
 苦し紛れの説得方法が、腫瘤縮小ケースの提示なのです。これは
 「部分を強調して、全体をごまかす」手法といえるでしょう。

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P.88
 腫瘤縮小には問題が多いので、抗がん剤ワールドには、③症状の緩和効果を
 指標としようとする動きがあります。
  (中略)
 近時、抗がん剤治療をすると調子がよい、という患者さんの声をしばしば聞くように
 なりました。が、そのほとんどは、抗がん剤ではなく、同時に投与される別の薬が
 作用してのことで、薬というのは「ステロイド」(副腎皮質ホルモン)です。

 (ステロイドの同時処方により、「食欲が出て太っちゃった」という声の引用後)
 ……これは能天気すぎる。ステロイドを侮ってはいけない。弱いステロイドとはいえ、
 気分が高揚して太るほど使ったら、どうなるか。(後略)

 結局ステロイドも、抗がん剤と同じく、かならず副作用や毒性がある。仮に健康人に
 使った場合、ステロイドが寿命を延ばすことは考えられず、縮命効果しかない。
 従って、縮命効果がある抗がん剤と当然のように併用されている現状は極めて危険です。

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以下、近藤医師の主張が、わかりやすい部分を抜粋します。(患者代表・立花隆氏との対談)
P.70
 たしかに検査でがんが見つかって、それを手術して、それで長生きしているという人は
 たくさんいます。ただ問題は、データを解析すると、検査で見つけないで、手術も
 しないでいても、やっぱりそういう人たちは長生きしただろう、という推定ができる
 のです。つまり、発見と手術というのは寿命の上では影響をもたらさなかったということが、
 データ的には妥当な考え方なんです。
コメント
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