
写真は相変わらず、キナバル山の自然です。


標題の本: 上野千鶴子が聞くQ&Aという形で、
著者はお一人様の代表選手・上野千鶴子氏と、
日本在宅ホスピス協会会長・小笠原文雄医師
先般ご紹介した萬田緑平医師の本より、個別ケースが詳細に記され、
読むのに時間がかかりました。が、これからの日本の介護を考える上で、
是非とも読んでおくべき本だと思います。
中味が濃いので、要領良くまとめるのが難しいほど。
心に残った言葉から順不同でメモしていきます。
P.225 あとがきから
現在の日本では病院で死ぬのがあたり前、どのような状況であっても
救急救命が最優先、最期の瞬間は家族が立ち会わなければいけない……
このような考え方が一般的です。
しかし、在宅では笑顔で穏やかな最期を迎えることができます。
在宅ホスピス緩和ケアチームのかかわりのなかでは、
「在宅ひとり死」は孤独死ではなく、「希望死・満足死・納得死」だと思います。
「ひとりで死ねる。ひとりで死んだっていいんだよ」ということを
日本のみなさまに知っていただければ幸いです。
P.221 在宅医療は今、診療報酬の面でも恵まれた状態ですから、
この分野に関心を持つ若い医者は増えています。今後は、
医療システムそのものを変えることも必要でしょう。
今、入院している人の半数以上は在宅で療養した方がいい患者さんですから、
病院勤務のプロフェッショナルな医師も、減らすことができる。
勤務医が激務なのは、自宅ならばのんびり暮らせるような人まで入院させ、
命を1分1秒まで長らえさせる医療や、
訴訟から身を守るだけの医療に汲々としているからです。