P.67 じつは多くの慢性痛の治療現場で、
MRIの必要性に疑問符がついています。
「本当に役立っているの?」と。
とくに腰痛に関しては、日本の腰痛治療専門家の
トップたちが決めた「腰痛治療ガイドライン2012」でも
疑義を呈しているのです。
というのも、「腰が痛い」と訴える患者さんが10人いたとして、
MRIの撮影で原因を特定できるのは、せいぜい2人です。
(中略)
大半の人は、MRIを撮っても痛みの原因は不明のままです。
なぜなら、仮に異常が見つかっても、
それが痛みの原因ではないケースが多々あるからです。
P.68 こうしたお金も時間もかかる原因探しの旅を止めるには、
医者がはっきりと真実を伝えなければなりません。
「MRIでは、原因は写りにくい」と。
しかし、正直にこう言う医者は少数派。
なぜなら、MRIの機材は一億円ほどしますから、
大きな投資をした病院としては回収したい。
回収するには器械を動かして、検査の回数を増やすしかありません。
と~~っても憂鬱な話ですね。