4/5に紹介したのと同じ本を、まだ少しずつ読んでいます。あの時、
パラパラとみて、興味がわいたのは、「五本指シューズ」だけでしたが、
流石に直木賞作家だけあって、他の項目も文章がお上手で、
書き方の勉強になります。
今回はp.25 「スポーツクラブ 考」
実は私も長年「スポーツクラブなんて、絶対、行かない!」と思っていました。
でも、
「大人のマナビバという処でミュージカル・ダンスというクラスがあるのよ」
という情報に飛びつき、それ以来何らかの形で、
「定額払い込みスポーツクラブ」にハマっています。
スポーツクラブの利点・得点・プラス面が面白おかしく紹介され、
いつの間にか足が遠のいていく過程も説得力があります。
著者の場合は、
p.29 (足が遠のく理由は)劇的な変化が短期間に得られないから。
入会時にイメージした理想体型は、半年や一年で手に入らない。
p.33 30代半ばから40代の半ばまでの8年間、毎日毎日思う存分
好き放題に酒を摂取しつつ、体重をはじめ、筋肉量・水分量・
体脂肪が変わらないというのは、ちょっとすごいことなんじゃないか
スポーツクラブに通っていなかったら、ものすごい変化を体験して
いるのではないだろうか。
(中略)いいのだ。自分でそのように驚き、感心していれば。
p.34 きっとスポーツクラブというところは、そういうところなのだろう。
運動の、得意な人よりむしろ苦手な人、好きではない人の
なけなしの運動心をくすぐり、果てなき夢を見させるような、
そういう場所なんだろう。
私自身は著者と全然別のタイプ(=運動大好き)であり、目的があり、
結果がついてきているので、現在は満足しているし、目的がなくなれば
すぐに止めると思っています。
しかし、「運動嫌い」と称している著者が
<取材を受けて、体験を文章にする>という恵まれた環境で、
次々に目新しい運動に挑戦し、普通の人は殆どやらないスポーツを
続けているのは驚嘆に値するので、この本は面白いです。