散歩コースとして、最近は山手線の高田馬場、目白から西へ行ったあたりを歩いている。ほとんど全く知らない地域なのだが、近代日本の文化に大きな意味を持ったところだと判ってきた。池袋や新宿に近いので、映画の前後などに行きやすい。落合あたりの散歩は別にまとめるとして、5日に行った哲学堂公園を先に。地名としては中野区になり、新宿区との境目になる。駅としては、西武新宿線新井薬師駅(西新宿から4つ目)から北へ10分ほど歩いたところ。
このあたりは、妙正寺(みょうしょうじ)川という杉並区荻窪の北方から流れる川に沿って、北側が丘になっている。駅から少しづつ坂になっていて、やがて妙正寺川に出ると、そこが公園の端っこ。結構緑豊かなところで驚く。「哲学堂」というのは、その不思議な名前とともに、昔から気になっていた。今は野球場やテニスコートもあって、全体としては区民の憩いの場所のようだった。連休中は建物の中が公開されるということで行ってみたが、あまりにも快晴の日で逆光だと写真がよく撮れなかった。
前に湯島を散歩した時に、明治時代に井上円了なる人物に関連する「東洋大学発祥の地」という碑を見た記憶がある。その井上円了(1858~1919)は明治の仏教哲学者だが、哲学を中心とした「哲学館」という教育施設を作った。それがやがて哲学館大学となり、今の東洋大学になるという。一方で、哲学の理解を深める精神修養の場として、1904年に「四聖堂」という建物を建てた。もともとはそれが「哲学堂」と呼ばれ、公園の名前となった。その後、近くにいくつもの建物が建ち、まとめて「時空岡」という名前の場所となっている。
新井薬師駅方面から行った場合、川を超えて坂を登っていくことになる。ここでは門の方から写真を載せておきたい。その門は「哲理門」という。何でもかんでも哲学風の不思議な名前が付いている。そこから入ると、「六賢台」という塔や「四聖堂」がある。最初に出来た「四聖堂」とは孔子、釈迦、ソクラテス、カントのこと。「六賢台」の方は、聖徳太子、菅原道真、荘子、朱子、龍樹、迦毘羅仙(かびらせん=古代インドの哲学者)のことを指すという。写真の最後が井上円了。
その一帯、「古建築エリア」(時空岡)には、他に「絶対城」(昔は図書館だった)や「宇宙館」(講義室)、「無尽蔵」(展示施設)などがズラッと出来ている。また、少し登ると「三学亭」。神道、儒教、仏教の三学を指し、三角形で出来ている。
上の写真は、左から「絶対城」「宇宙館」「無尽蔵」「三学亭」。せっかく中を見られる日をねらって行ったのだが、中の写真がうまく撮れてないのでカット。それにまあ、ものすごく面白いものがあるわけでもない。建物の写真も真正面からのものが少ない。5月になると、日が長くなって散歩日和になるが、快晴だと暑くて陽光も厳しい。写真を撮るには曇りの多い6月の方がいい。それにしても、「絶対城」とか「宇宙館」とか、実に不思議な名前の建物が並ぶ。なんだかミステリーに出てきそう。綾辻行人作「絶対城殺人事件」とかなんとか。
上の最初の写真は「時空岡」の風景。うまく全体が撮れない。ちょっと最初に戻ると、2枚目は公園の端の池。3枚目は妙正寺川。川が案外深く、脇に続く公園に入ったところ池がある。昔の哲学関係の建物だけと思っていたら、このように庭が広い。そして実はそこにも哲学風の名前が付いている。ところで、新井薬師駅は初めてかと思ったら、そうではなかった。駅近くに東亜学園があって、昔学校説明会に来たではないか。もう場所は忘れていたけれど。
さて、ここにはもう一つ、哲学関係の不思議な場所がある。「時空岡」を降りてくると、「唯物園」「唯心庭」などまた哲学名前の場所がある。そして川を超えたところに「哲学の庭」というところが作られている。そこに多数の彫刻が置かれている。ワグナー・ナンドールというハンガリーの彫刻家が造った彫刻で、同じものがブダペストにもあるという。歴史上の重要人物が何人も置かれている。実に面白く、不思議なところ。世界の公園の中でも屈指の不思議な場所だと思う。
一人ずつ見てみると、下の写真の左から聖徳太子、ハムラビ(古代バビロニアの王、ハムラビ法典をまとめた)、ユスチニアヌス(ローマ法の集大成)、聖フランシスコ、達磨大師、ガンジー
続いて、左から老子、エクナトン(エジプト第18王朝第10代の王アメンホテプ4世。アモン信仰を捨てアトン崇拝を開始した)、イエス・キリスト、アブラハム(ユダヤ人、アラブ人の共通の祖先とされる預言者。偶像崇拝禁止に配慮して顔を見せずに、神を拝しているところを彫刻にしているという不思議。)他に釈迦もあるが、時間的に逆光で黒くなってしまったのでカット。こういう人選はどうなんだろうか。これが「哲学の庭」でいいのかと思わないでもないけど、まあそれはヤボというものだろう。
そして、元に戻って帰り道には「主観亭」(下の写真左)とか「概念橋」(下の写真右)とかいうものがある。他にもまだまだ面白い名前の場所が付けられた場所が並んでいる。やはり「哲学堂公園」なのである。まあ、東京にはこんな場所もあるんだというのが散歩の感想。
このあたりは、妙正寺(みょうしょうじ)川という杉並区荻窪の北方から流れる川に沿って、北側が丘になっている。駅から少しづつ坂になっていて、やがて妙正寺川に出ると、そこが公園の端っこ。結構緑豊かなところで驚く。「哲学堂」というのは、その不思議な名前とともに、昔から気になっていた。今は野球場やテニスコートもあって、全体としては区民の憩いの場所のようだった。連休中は建物の中が公開されるということで行ってみたが、あまりにも快晴の日で逆光だと写真がよく撮れなかった。
前に湯島を散歩した時に、明治時代に井上円了なる人物に関連する「東洋大学発祥の地」という碑を見た記憶がある。その井上円了(1858~1919)は明治の仏教哲学者だが、哲学を中心とした「哲学館」という教育施設を作った。それがやがて哲学館大学となり、今の東洋大学になるという。一方で、哲学の理解を深める精神修養の場として、1904年に「四聖堂」という建物を建てた。もともとはそれが「哲学堂」と呼ばれ、公園の名前となった。その後、近くにいくつもの建物が建ち、まとめて「時空岡」という名前の場所となっている。
新井薬師駅方面から行った場合、川を超えて坂を登っていくことになる。ここでは門の方から写真を載せておきたい。その門は「哲理門」という。何でもかんでも哲学風の不思議な名前が付いている。そこから入ると、「六賢台」という塔や「四聖堂」がある。最初に出来た「四聖堂」とは孔子、釈迦、ソクラテス、カントのこと。「六賢台」の方は、聖徳太子、菅原道真、荘子、朱子、龍樹、迦毘羅仙(かびらせん=古代インドの哲学者)のことを指すという。写真の最後が井上円了。
その一帯、「古建築エリア」(時空岡)には、他に「絶対城」(昔は図書館だった)や「宇宙館」(講義室)、「無尽蔵」(展示施設)などがズラッと出来ている。また、少し登ると「三学亭」。神道、儒教、仏教の三学を指し、三角形で出来ている。
上の写真は、左から「絶対城」「宇宙館」「無尽蔵」「三学亭」。せっかく中を見られる日をねらって行ったのだが、中の写真がうまく撮れてないのでカット。それにまあ、ものすごく面白いものがあるわけでもない。建物の写真も真正面からのものが少ない。5月になると、日が長くなって散歩日和になるが、快晴だと暑くて陽光も厳しい。写真を撮るには曇りの多い6月の方がいい。それにしても、「絶対城」とか「宇宙館」とか、実に不思議な名前の建物が並ぶ。なんだかミステリーに出てきそう。綾辻行人作「絶対城殺人事件」とかなんとか。
上の最初の写真は「時空岡」の風景。うまく全体が撮れない。ちょっと最初に戻ると、2枚目は公園の端の池。3枚目は妙正寺川。川が案外深く、脇に続く公園に入ったところ池がある。昔の哲学関係の建物だけと思っていたら、このように庭が広い。そして実はそこにも哲学風の名前が付いている。ところで、新井薬師駅は初めてかと思ったら、そうではなかった。駅近くに東亜学園があって、昔学校説明会に来たではないか。もう場所は忘れていたけれど。
さて、ここにはもう一つ、哲学関係の不思議な場所がある。「時空岡」を降りてくると、「唯物園」「唯心庭」などまた哲学名前の場所がある。そして川を超えたところに「哲学の庭」というところが作られている。そこに多数の彫刻が置かれている。ワグナー・ナンドールというハンガリーの彫刻家が造った彫刻で、同じものがブダペストにもあるという。歴史上の重要人物が何人も置かれている。実に面白く、不思議なところ。世界の公園の中でも屈指の不思議な場所だと思う。
一人ずつ見てみると、下の写真の左から聖徳太子、ハムラビ(古代バビロニアの王、ハムラビ法典をまとめた)、ユスチニアヌス(ローマ法の集大成)、聖フランシスコ、達磨大師、ガンジー
続いて、左から老子、エクナトン(エジプト第18王朝第10代の王アメンホテプ4世。アモン信仰を捨てアトン崇拝を開始した)、イエス・キリスト、アブラハム(ユダヤ人、アラブ人の共通の祖先とされる預言者。偶像崇拝禁止に配慮して顔を見せずに、神を拝しているところを彫刻にしているという不思議。)他に釈迦もあるが、時間的に逆光で黒くなってしまったのでカット。こういう人選はどうなんだろうか。これが「哲学の庭」でいいのかと思わないでもないけど、まあそれはヤボというものだろう。
そして、元に戻って帰り道には「主観亭」(下の写真左)とか「概念橋」(下の写真右)とかいうものがある。他にもまだまだ面白い名前の場所が付けられた場所が並んでいる。やはり「哲学堂公園」なのである。まあ、東京にはこんな場所もあるんだというのが散歩の感想。