男子サッカーのアジアカップの話。2月1日の日本時間午後11時にアラブ首長国連邦(UAE)で決勝が行われ、カタールが3対1で日本に勝って初優勝した。僕はけっこうスポーツ中継を見ている。大坂なおみの「全豪オープン」(オーストラリア・オープン)優勝も見てた。大相撲ももう見なくていいかなと思いつつ、最近は具合が悪かったので家でのんびりしてた日が多く、稀勢の里の最後の相撲も見てた。まあ書くこともないと思ってたけど、ちょっとアジア情勢を考えてみたい。
サッカーの国際大会は比較的よく見る。アジアカップは準決勝、決勝が11時からだからちょっと遅いけど、まあ見れない時間じゃない。他の試合はもっと早かったから、日本代表の試合はほぼ見ていた。日本代表を熱狂的に支えているわけじゃないけど、基本的には日本チームを応援して見ている。日本ナショナリズムの高揚に反対だから、早く負けてしまった方がいいという人もいる。でも、そこまで言ったら身近に接している「庶民」と共通の言葉がなくなっちゃうと思う。自分の中にも「国民国家イデオロギー」が皆無ではないから、せめてスポーツ程度で発散しておきたい。
まあその程度の気持ちで見ている。書こうかと思ったのは、次の2022年ワールドカップ・カタール大会に向けて、カタールの強化ぶりに驚いたからだ。サウジアラビアやUAEは、カタールと断交している。カタールの政策に関わらず、いきなり断交はムチャだろう。カタール国民は決勝の応援のためUAEに入国できなかった。それでも、一度もワールドカップに出場していないカタールが、アジアの頂点に立った。開始12分、アリのオーバーヘッドシュート、れは想定してなかった。
(アリのシュート)
僕はやはり一番強いのはイランだろうと思っていた。準決勝でイランと対戦して、負けても不思議はないと思っていたけど、完全に押さえ込んだ。非常に緊迫した試合で、前半は双方無得点。後半10分過ぎに、南野がボールに追いつきゴール前に蹴り込んだボールを大迫がヘディングでゴール。大迫も見事だが、なんといっても諦めなかった南野の執念だろう。献身を続けるとご褒美がある。直後にイランには不運なハンドの反則によるPKで日本にもう一点が入った。決勝では吉田のハンドでカタールにPKが与えられたが、やむを得ないだろう。それにしてもフォワードのアズムンを完全に抑えた富安の守備は素晴らしかった。
(イラン戦の富安)
このイラン戦を経験して、カタールにも勝てると油断したのかもしれない。そのぐらいイラン戦の日本は素晴らしく、一方のカタール戦は守備の穴が大きかった。長友が次のワールドカップ出場も厳しいと言ってるらしい。まったくその通りで、これでアジアチャンピオンのカタールには開催国枠が文句なく与えられるだろう。ロシア大会でアジアは「4・5枠」だった。最終予選グループAからイラン、韓国、グループBから日本、サウジアラビアが出場権を獲得。その後5位決定戦でオーストラリアがシリアに勝ち、さらに大陸間プレーオフでホンジュラスに勝って5か国目の出場権を得た。
カタールに開催国枠が与えられれば、以上の5か国から必ず出場できない国が出る。それが日本かもしれないし、出場できるとしても大陸間プレーオフまでもつれるかもしれない。もちろん韓国やサウジアラビア、オーストラリアも危ない。カタール開催で中東、特にカタールと友好関係にあるイランは士気が上がるだろうし、他の中東諸国も地の利がある。こうなると、次のワールドカップ・アジア予選は戦国時代の様相になる。今回判ることは、アジア各国のサッカーの実力が近づいていることである。今回も1次リーグでヨルダンがオーストラリアを破って1位通過した。ベトナムは1次リーグを突破し、準々決勝でヨルダンに勝ってベスト8に進出した。
日本もワールドカップロシア大会で格上のコロンビアに勝った。ワールドカップには出られないけど、アジアカップには出られた国は、今度は自分たちが同じように日本(や韓国やオーストラリアなど)に一泡吹かせようと狙ってくる。1次リーグの初戦、出場国でランキング最下位のトルクメニスタンに、3対2で辛勝した。前半26分に1点を入れられ、負けた状態で前半が終わったのである。まあ見ていて点差ほどの接戦ではなかったと思うけど、よもやの点差だった。オマーン戦も1対0。ウズベキスタン戦も先に失点し、同点に追いついて、後半に勝ち越した。いずれも接戦。
女子スポーツ選手の収入ランキングを見ると、上の方はテニス選手が並んでいる。一方男子選手の収入ランキングでは1位はボクシングのメイフェザーだが、続いてメッシ、ロナウド、ネイマールなどサッカー選手が続いている。それを見れば、小国の子どもたちも頑張ればヨーロッパに行けて大金を稼げると思うだろう。ヨーロッパは遠いとしても、日本や中国でプレーするのはできるかもしれない。現にJリーグでプレーする東南アジア選手も増えている。団体競技には個性だけでなく規律も必要だから、学校スポーツで団体競技に触れれば産業発展にもつながる。東アジア、中東諸国に続き、東南アジア、中央アジア諸国が台頭しつつある流れは、やがてスポーツを超えて政治、経済、文化全般に及んでくるだろう。
サッカーの国際大会は比較的よく見る。アジアカップは準決勝、決勝が11時からだからちょっと遅いけど、まあ見れない時間じゃない。他の試合はもっと早かったから、日本代表の試合はほぼ見ていた。日本代表を熱狂的に支えているわけじゃないけど、基本的には日本チームを応援して見ている。日本ナショナリズムの高揚に反対だから、早く負けてしまった方がいいという人もいる。でも、そこまで言ったら身近に接している「庶民」と共通の言葉がなくなっちゃうと思う。自分の中にも「国民国家イデオロギー」が皆無ではないから、せめてスポーツ程度で発散しておきたい。
まあその程度の気持ちで見ている。書こうかと思ったのは、次の2022年ワールドカップ・カタール大会に向けて、カタールの強化ぶりに驚いたからだ。サウジアラビアやUAEは、カタールと断交している。カタールの政策に関わらず、いきなり断交はムチャだろう。カタール国民は決勝の応援のためUAEに入国できなかった。それでも、一度もワールドカップに出場していないカタールが、アジアの頂点に立った。開始12分、アリのオーバーヘッドシュート、れは想定してなかった。
(アリのシュート)
僕はやはり一番強いのはイランだろうと思っていた。準決勝でイランと対戦して、負けても不思議はないと思っていたけど、完全に押さえ込んだ。非常に緊迫した試合で、前半は双方無得点。後半10分過ぎに、南野がボールに追いつきゴール前に蹴り込んだボールを大迫がヘディングでゴール。大迫も見事だが、なんといっても諦めなかった南野の執念だろう。献身を続けるとご褒美がある。直後にイランには不運なハンドの反則によるPKで日本にもう一点が入った。決勝では吉田のハンドでカタールにPKが与えられたが、やむを得ないだろう。それにしてもフォワードのアズムンを完全に抑えた富安の守備は素晴らしかった。
(イラン戦の富安)
このイラン戦を経験して、カタールにも勝てると油断したのかもしれない。そのぐらいイラン戦の日本は素晴らしく、一方のカタール戦は守備の穴が大きかった。長友が次のワールドカップ出場も厳しいと言ってるらしい。まったくその通りで、これでアジアチャンピオンのカタールには開催国枠が文句なく与えられるだろう。ロシア大会でアジアは「4・5枠」だった。最終予選グループAからイラン、韓国、グループBから日本、サウジアラビアが出場権を獲得。その後5位決定戦でオーストラリアがシリアに勝ち、さらに大陸間プレーオフでホンジュラスに勝って5か国目の出場権を得た。
カタールに開催国枠が与えられれば、以上の5か国から必ず出場できない国が出る。それが日本かもしれないし、出場できるとしても大陸間プレーオフまでもつれるかもしれない。もちろん韓国やサウジアラビア、オーストラリアも危ない。カタール開催で中東、特にカタールと友好関係にあるイランは士気が上がるだろうし、他の中東諸国も地の利がある。こうなると、次のワールドカップ・アジア予選は戦国時代の様相になる。今回判ることは、アジア各国のサッカーの実力が近づいていることである。今回も1次リーグでヨルダンがオーストラリアを破って1位通過した。ベトナムは1次リーグを突破し、準々決勝でヨルダンに勝ってベスト8に進出した。
日本もワールドカップロシア大会で格上のコロンビアに勝った。ワールドカップには出られないけど、アジアカップには出られた国は、今度は自分たちが同じように日本(や韓国やオーストラリアなど)に一泡吹かせようと狙ってくる。1次リーグの初戦、出場国でランキング最下位のトルクメニスタンに、3対2で辛勝した。前半26分に1点を入れられ、負けた状態で前半が終わったのである。まあ見ていて点差ほどの接戦ではなかったと思うけど、よもやの点差だった。オマーン戦も1対0。ウズベキスタン戦も先に失点し、同点に追いついて、後半に勝ち越した。いずれも接戦。
女子スポーツ選手の収入ランキングを見ると、上の方はテニス選手が並んでいる。一方男子選手の収入ランキングでは1位はボクシングのメイフェザーだが、続いてメッシ、ロナウド、ネイマールなどサッカー選手が続いている。それを見れば、小国の子どもたちも頑張ればヨーロッパに行けて大金を稼げると思うだろう。ヨーロッパは遠いとしても、日本や中国でプレーするのはできるかもしれない。現にJリーグでプレーする東南アジア選手も増えている。団体競技には個性だけでなく規律も必要だから、学校スポーツで団体競技に触れれば産業発展にもつながる。東アジア、中東諸国に続き、東南アジア、中央アジア諸国が台頭しつつある流れは、やがてスポーツを超えて政治、経済、文化全般に及んでくるだろう。