2023年10月15日に、東京都立川市で都議会議員の補欠選挙が行われた。定数2のところに3人が立候補し、なんと自民党候補が3位で落選した。自民会派が分裂したわけではなく、定数2人なら2位には入るかと思われていたから、この結果は驚きを持って受けとめられている。ただ東京ローカルのニュースなので、全国では知らない人も多いかと思って紹介しておきたい。
(選挙結果)
立川(たちかわ)市は東京都西部の多摩地区の中心として繁栄している都市である。人口は18万5千人ほど。今は立川市について書いているわけじゃないので、それ以上の情報は省略する。そもそも何でここで補欠選挙があったかというと、9月3日に行われた市長選に立川選出の都議会議員2人がそろって立候補したことによる。その都議は2021年にあった都議選で当選していたので、都議選、市長選の結果を示しておきたい。
◎都議会議員選挙(2021年7月) 定数2 投票率37.24%
当選 酒井大史(立憲民主党・現) 20,633 当選5回
当選 清水孝治(自由民主党・現) 20,470 当選3回
落選 石飛香織(都民ファーストの会・新) 14,619
◎立川市長選挙(2023年9月) 投票率37.15%
当選 酒井大史(無所属・新) 21,731
落選 清水孝治(無所属・新) 20,150
落選 伊藤大輔(無所属・新) 11,463
他2人(のぐちそのこ、金村まこと)は省略
(当選した酒井市長)
この2回の選挙は投票率もほぼ同じで、対決の構図も同じである。市長選は無所属で出ているが、有権者は酒井氏は元立民、清水氏は元自民と知っている。伊藤大輔氏は都民ファーストの会所属の市議会議員だったので、それも判っている。2回やって、酒井氏、清水氏はほぼ互角ながら、若干酒井氏の得票が上回っている。都議選では自民公認の清水氏は公明党の推薦を受けていた。
では、この2つの選挙の中間時点にあった参議院選挙の比例区票の出方を見てみたい。(当選者を出した党のみ)
◎参議院選挙・比例区(2022年7月) 投票率53.10% 得票順(小数点以下は切り捨て)
自由民主党 (25,106) 立憲民主党 (10,242) 日本維新の会 (9,732) 公明党 (9,380) 日本共産党 (8,113) れいわ新選組 (4,846) 国民民主党 (4,838) 参政党 (2,694) 社会民主党 (2,216) NHK党 (2,029)
これで見る限り、去年の参院選で自民党(候補)に投票した人が2万5千人もいるんだから、投票率が全然違うとは言え、市長選で清水候補が落選したのは意外だったということだ。立民+共産+社民は、2万ちょっと、「れいわ」を入れても2万5千ほどである。投票率が下がっていることを考えると、よほど歩留まりが良かったのである。自民党は今年の統一地方選以来、地方選挙で不振が続いていて、それが影響したのかもしれない。
さて、今回の都議選補選を見てみたい。
◎都議会議員補欠選挙(2023年10月) 定数2 投票率28.90%
当選 伊藤大輔(都民ファーストの会・新) 17,499
当選 鈴木烈(立憲民主党・新) 12,141
落選 木原宏(自由民主党・新) 12,050
トップ当選の伊藤氏は9月の市長選に出たばかりで、知名度が高かった。それに小池都知事が応援に3回応援に入ったことも大きいと言われる。自民党は今春からの公明党との関係悪化を引きずり、市長選と同様に公明党の推薦がなかった。木原氏は市議会議長も務めた人で知名度もあるから、2位には入れると踏んで推薦を求めなかったのだろう。一方、小池都知事は公明党の政策を持ち上げ、公明票の獲得を図ったらしい。立憲民主の鈴木氏は元葛飾区議で知名度が不足する中で、共産、れいわ・生活者ネット(東京の地域政党)の推薦を得て、辛うじて競り勝った。91票差だから、ほとんど差はないと言えるけど、勝ちは勝ちである。
(伊藤候補応援に訪れた小池都知事)
中央の岸田内閣の支持率低迷もあるけれど、マスコミでは埼玉県議会の「虐待禁止条例改正」問題の影響を指摘している。全国ニュースより前に、首都圏ニュースのような番組で大きく取り上げられていた。非常に大きな反発が巻き起こり、「自民党の体質」に批判が起こっていた。そういうことの複合なんだろうけど、補選ということで投票率が4人に1人ほどに落ち込んだので、各党の基礎票の出方が不明。伊藤氏が一月ほどで6千票も増やした真の原因は判らない。ただ「自民」「立民」よりも、「維新」に支持が集まるような風潮がここでも影響しているのかもしれない。
(選挙結果)
立川(たちかわ)市は東京都西部の多摩地区の中心として繁栄している都市である。人口は18万5千人ほど。今は立川市について書いているわけじゃないので、それ以上の情報は省略する。そもそも何でここで補欠選挙があったかというと、9月3日に行われた市長選に立川選出の都議会議員2人がそろって立候補したことによる。その都議は2021年にあった都議選で当選していたので、都議選、市長選の結果を示しておきたい。
◎都議会議員選挙(2021年7月) 定数2 投票率37.24%
当選 酒井大史(立憲民主党・現) 20,633 当選5回
当選 清水孝治(自由民主党・現) 20,470 当選3回
落選 石飛香織(都民ファーストの会・新) 14,619
◎立川市長選挙(2023年9月) 投票率37.15%
当選 酒井大史(無所属・新) 21,731
落選 清水孝治(無所属・新) 20,150
落選 伊藤大輔(無所属・新) 11,463
他2人(のぐちそのこ、金村まこと)は省略
(当選した酒井市長)
この2回の選挙は投票率もほぼ同じで、対決の構図も同じである。市長選は無所属で出ているが、有権者は酒井氏は元立民、清水氏は元自民と知っている。伊藤大輔氏は都民ファーストの会所属の市議会議員だったので、それも判っている。2回やって、酒井氏、清水氏はほぼ互角ながら、若干酒井氏の得票が上回っている。都議選では自民公認の清水氏は公明党の推薦を受けていた。
では、この2つの選挙の中間時点にあった参議院選挙の比例区票の出方を見てみたい。(当選者を出した党のみ)
◎参議院選挙・比例区(2022年7月) 投票率53.10% 得票順(小数点以下は切り捨て)
自由民主党 (25,106) 立憲民主党 (10,242) 日本維新の会 (9,732) 公明党 (9,380) 日本共産党 (8,113) れいわ新選組 (4,846) 国民民主党 (4,838) 参政党 (2,694) 社会民主党 (2,216) NHK党 (2,029)
これで見る限り、去年の参院選で自民党(候補)に投票した人が2万5千人もいるんだから、投票率が全然違うとは言え、市長選で清水候補が落選したのは意外だったということだ。立民+共産+社民は、2万ちょっと、「れいわ」を入れても2万5千ほどである。投票率が下がっていることを考えると、よほど歩留まりが良かったのである。自民党は今年の統一地方選以来、地方選挙で不振が続いていて、それが影響したのかもしれない。
さて、今回の都議選補選を見てみたい。
◎都議会議員補欠選挙(2023年10月) 定数2 投票率28.90%
当選 伊藤大輔(都民ファーストの会・新) 17,499
当選 鈴木烈(立憲民主党・新) 12,141
落選 木原宏(自由民主党・新) 12,050
トップ当選の伊藤氏は9月の市長選に出たばかりで、知名度が高かった。それに小池都知事が応援に3回応援に入ったことも大きいと言われる。自民党は今春からの公明党との関係悪化を引きずり、市長選と同様に公明党の推薦がなかった。木原氏は市議会議長も務めた人で知名度もあるから、2位には入れると踏んで推薦を求めなかったのだろう。一方、小池都知事は公明党の政策を持ち上げ、公明票の獲得を図ったらしい。立憲民主の鈴木氏は元葛飾区議で知名度が不足する中で、共産、れいわ・生活者ネット(東京の地域政党)の推薦を得て、辛うじて競り勝った。91票差だから、ほとんど差はないと言えるけど、勝ちは勝ちである。
(伊藤候補応援に訪れた小池都知事)
中央の岸田内閣の支持率低迷もあるけれど、マスコミでは埼玉県議会の「虐待禁止条例改正」問題の影響を指摘している。全国ニュースより前に、首都圏ニュースのような番組で大きく取り上げられていた。非常に大きな反発が巻き起こり、「自民党の体質」に批判が起こっていた。そういうことの複合なんだろうけど、補選ということで投票率が4人に1人ほどに落ち込んだので、各党の基礎票の出方が不明。伊藤氏が一月ほどで6千票も増やした真の原因は判らない。ただ「自民」「立民」よりも、「維新」に支持が集まるような風潮がここでも影響しているのかもしれない。