下町の淡々とした日常を描くタッチはいやでも昔の成瀬巳喜男作品あたりを思いださせるが、比べてしまうと描写にあれほどのコクはない。「山の郵便配達」みたいに自然が舞台だと淡々とした調子でももつのだけれど、相当に汚い屋台(料理人であるヒロインがしょっちゅう煙草をふかし続けている)の集まりでやられると逆光を生かしてきれいに仕立てたカメラを通しても、なんでもない場面で引き付け続けるというのは難しい。それに考えてみると薬物中毒が出てきたり、結構設定が激しい。今の中国では不思議ないのかもしれないが。
(☆☆☆★)
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