メルキアデスの死骸が三回も掘り返されては埋葬される、とか、時制が交錯して生きている時と死んでいる時とが代わるがわる出てくるあたり、ラテンアメリカ文学的な死生観というか、見かけの荒々しさとは裏腹にアメリカ側から見ると逆にインテリっぽい志向。
「野人であると同時にインテリでもある」というのは品田雄吉がペキンパーについて評した表現だが、監督・主演のトミー・リー・ジョーンズもそんなところがあるのではないか。
埋葬されるべき街が存在しない、というあたり寓話っぽいが、死骸の生々しさなどはまことにリアル。
(☆☆☆★)