ジョージ・ルーカスの長編第一作だけれど、初公開(71)の時は「見にきた人全員の顔を覚えられる」くらいの不入りだったという。それも不思議はない感じの、アートフィルム的な感触の一作。
余談だが、製作総指揮のフランシス・フォード・コッポラも「雨のなかの女」(69)が大コケして、まだ「ゴッドファーザー」を撮っていない不遇の時期。
パネル類やブラウン管映像の極端なクロースアップ、白を基調にしたグラフィック・デザイン的な画面構成、コラージュ風な音声の使い方など、実相寺昭雄の「ウルトラセブン 第四惑星の悪夢」や、その元ネタのゴダール「アルファヴィル」を思わせる。
クライマックスのチェイス・シーンは工事中の地下鉄で撮ったらしい。
やたらと登場人物が薬を飲むのは作られた時代のせいもあるだろうけれど、今見るとグラフィック以上に妙に生々しい。
共同脚本、サウンドデザインはウォルター・マーチ。コッポラの盟友でもあって「地獄の黙示録」でオスカーの音響賞を受賞、同作の「完全版」編集も担当し、監督作品「OZ」(プロデュースは「スター・ウォーズ」のゲイリー・カーツ)もある。