製作時、過激なユダヤ人団体がノーマン・ジュイソンJewisonというユダヤ人じゃないのにユダヤ人みたいな名前の監督に作らせるのは、ユダヤ人に対する悪意を覆い隠そうとする陰謀だと騒いだらしいけれど、実際のイスラエルにロケしていて、機関銃のほかどう見ても本物の戦車や戦闘機が登場するあたり、なんだか妙に気味悪い感じもする。
もちろん、というべきかキリスト教団体からも強く批判されたらしい。
砂漠は一神教を生み、森林は多神教を生む、という言葉があるが、本当に草もろくに生えていない砂漠を捉えたダグラス・スローカムの撮影は見もの。
ユダがゲッセマネの園から走り去る時、まわりを羊が取り囲んでいる寓意。
完全にヒッピー風の衣装、何十倍ものズームの多用、ストップモーション、スローモーションの挟み込み方など今見ると70年代風の意匠が大いに取り入れられている。
アンドリュー・ロイド・ウェバーの後の作風を考えると、「ロック」・オペラと銘打って発表されたのはかなり当時の流行に合わせた気がする。