prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「グロテスク」

2010年04月22日 | 映画
一組のカップルを拉致した男が、それぞれに徹底的な肉体的苦痛を強いて、それでも相手のために耐えられるかというという「自己犠牲」による「感動」をマジで求める。
肉体の責めとともに観念性を突き詰めたところがユニーク。ロンドンで上映したら本気で怒る人が出たらしいけれど、グロな描写以上に拠って立つ考え方を揺さぶるところがあるからではないか。

とことん肉体を痛めつけてしかも死なせない責め役が医者という設定なのが説得力がある。医者というのは、必ず人体を何人もバラバラにしているのですからね、どこか感覚が常人と違っているに違いないというのがアタクシの偏見。

文字通り肉体を一寸刻み五分試しにしていく描写は、実は体が損壊するところは案外見えない。特殊メイクに手間と費用がかかりすぎるからではないか。
(☆☆☆★)


本ホームページ


Twitterボタン
Twitterブログパーツ