原作・脚本のアート・リンソンはプロデューサーとして有名でロバート・デ・ニーロとは「アンタッチャブル」「ボーイズ・ライフ」「ヒート」などで組んでいて、今回はデ・ニーロがプロデュースにも参加している。
映画中映画で犬を殺したらやたら反感を買ったり、若い監督がかなり幼児的でやたら意地を張るかと思うと薬に頼ってころっと態度を変えたり、わがままなスターに手を焼いたりといったトラブル続きなわけだけれど、ハリウッドメジャー映画で犬を殺すわけないだろと思わせたりわがままスターがブルース・ウィリスだったりするように、どうも誇張がすぎる現実的すぎるかでぴりっとせず、ウィリスが剃る剃らないでもめた髭みたいな中途半端に終わっている感じがする。
知人がカンヌについて日本で言うなら熱海みたいな盛りを過ぎた保養地と言っていたが、映画祭をやっていない時のカンヌの情景が出てきて、なるほどこれかと思わせる祭りの後(実際は前だが)的な侘びしさを感じさせる。
(☆☆☆)