prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「わたしを離さないで」

2011年04月23日 | 映画
ふつうだったら近未来を舞台にしたメロドラマにしそうなモチーフを、近過去を舞台にした端正で古典的なタッチで描いている、ちょっと類を見ない作りの映画。
「あらかじめ生き方が決められてしまっている」人間のかなしさ、という点では「日の名残り」とも共通するとも思え、原作の趣向を早めに明かした脚色も生きた。
主役三人の演技レベルの高さとともに、命とか人間性、魂とは何だろうと問題劇的に考えさせるのではなく、ただありありとその痛ましさを感じさせる。
(☆☆☆★★★)


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