prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」

2024年03月31日 | 映画
空中に巨大な宇宙船が停泊しているのだが「侵略者」がまるっきり「侵略」する気があるのかないのかわからずほとんど姿も見せないままでいるのに対して、日本人が勝手になんとなく空気に流されて重武装化しているというのはほとんど今の状況のメタファー。
「侵略者」を射殺するのも、宇宙船を撃ち落とすのも手を下すのは人間の側なのだ。これからどう展開するかわからないが、原作を四巻まで読んだ分では基本的な構図に変わりはない。

大半のシーンを占めるのは日常と非日常に片足づつかけた、半分まったりしとして半分不穏な空気感で、その中でいわば仲良しふたりが必死で「何事もない」ように過ごしている。

画面の縦横比が回想シーンになると変わって横が短くなる。
超能力を発揮するシーンで周囲のリアクションが故意に抑え気味になっている。
母船が空に浮かんでいる図は当然「第九地区」を思わせるが、もっと遡ると「幼年期の終わり」かも。