初めのうちどんな方向に向かおうとしているのか、どんな時代設定なのかよくわからなかったが、中盤の目をむくような展開から加速度をかけたようにタイトルのナザロの意味もわかってくる。
画面は無造作なリアリズムで、実話ネタだというのだが展開の飛躍と周到な小道具の使い方が寓話性に向かう。
ラザロ役のアドリアーノ・タルディオーロが自然にイノセントな感じを出した。
タンクレディってヴィスコンティの「山猫」のアラン・ドロンみたいな役名だなと思っていたら監督によると意図的にそうしたのだそう。
「プリズン・ブレイク」の女医さんのサラ・タンクレディはどうか知らないが。