原題はThe Pope' s Exocist = 教皇のエクソシスト。教皇役がフランコ・ネロというのがなんだか嬉しい。
実在したガブリエーレ・アモルト神父の役がラッセル・クロウで自家用車ではなくスクーターにでかい図体を乗せてくるところが可笑しい。助手の神父役が「ドント・ブリーズ」の強盗三人組のうちのひとりダニエル・ゾバットでなかなかのイケメン。
実話でかつ「エクソシスト」ものの定番という、リアルと作り物のバランスをとった作り。
元祖「エクソシスト」がすでに実話ネタではあるのだが、あれはリアリズム(というよりドキュメンタリズム)を方法論として採用していて、実話ネタという「お話」のパターンからはむしろ離れていた。
アモルト神父が戦時中に殺されかけた体験や、ふたりの神父がそれぞれ過去に関わった女性たちが悪魔が見せた幻影として現れるあたり悪魔らしく人間を惑わす。
このあたり、ひとりだけで応対したら巻き込まれてしまったかもしれないところを、憑りつかれた少年の家族も含めて危機に陥りながらも全体としては助け合うところがいい。