オープニングの車の中のシーンで、ポテトチップを食べる息子にそんな塩分が多い身体に悪いもの食べるなと言う父親自身がタバコを吸っているのが、おまえが言うかを地でいっていて、さらに「自然」なものとは何かというテーマにもつながっている。
人間が別の生き物になっていくのを爪が抜けたり喉の奥から鳥?の羽を吐いたりと粘液感覚を重視してデジタル技術はあまり使わず特殊メイクを採用しているのが、アナログSFX時代の「ザ・フライ」を思わせる。
別の生き物になるというのがどういう寓意なのか、一意的には解釈できないようにしてある。「ザ・フライ」がエイズの象徴だといった解釈が公開当時に一部で流布したが、それに収まらないように。
息子が動物に変わっていくのはわかるのだが、その動物が具体的に何なのかははっきりしない。
変身した母親「らしい」動物は出てくるが、実際にそうなのかはあまりはっきりしない。
音楽というか、音響が素晴らしい。