今はなき大塚名画座で見て以来だから、ずいぶん久しぶりの再見。
非常に凝った構成の作品で、少年が年上の美しい令嬢に思慕を抱いて女性の頼みを聞いて作男との手紙を仲介する(原題のThe Go-Betweenはここから来ている)のだが、その本筋にかなり時代が下った時期のフラッシュバックならぬフラッシュフォワードがちょこちょこ入り、ラストでその意味が明かされるという仕掛けになっている。脚色は不条理演劇の劇作家として名高いノーベル文学賞受賞者のハロルド・ピンター。
非常に凝った構成の作品で、少年が年上の美しい令嬢に思慕を抱いて女性の頼みを聞いて作男との手紙を仲介する(原題のThe Go-Betweenはここから来ている)のだが、その本筋にかなり時代が下った時期のフラッシュバックならぬフラッシュフォワードがちょこちょこ入り、ラストでその意味が明かされるという仕掛けになっている。脚色は不条理演劇の劇作家として名高いノーベル文学賞受賞者のハロルド・ピンター。
そのフラッシュフォワードの入り方はもっと違和感をわざと感じさせるようにしてあったように記憶していたが、ずいぶん今見るとあっさりしている。「LOST」ほか、ドラマでもこういう時間構成をいじったものは珍しくなくなったからかもしれない。
イギリスの田舎のお屋敷というのが「ダウントンアビー」でもお馴染みになっているが、ここではもう少しきらびやか一辺倒ではなくざらっとしたリアリズムが入っているのは監督のジョセフ・ロージーの体質か。
とはいえ、田舎の風景も、衣装も、ジュリー・クリスティのヒロインも美しい。
そのヒロインの悪意のない残酷さにロージーの人間の見方の意地悪さが端的に出た。
BBCで同じL.P.ハートレーの原作をドラマ化したものがあるらしい。どういう風に脚色したのだろう。単純な回想形式でも処理できることはできるのだが。