特に前半、衣装や小道具に緑と茶系統の色を使ったコーディネートが目につく。
河合優実はすぱすぱ実にタバコをよく喫うのだが(ちなみに女の登場人物にタバコを吸うのが目立つ、男は吸ってなかったと思う)その細く巻かれたタバコの本体が茶色で喫い口が緑、ヒロインのかぶっている帽子がてっぺんに近い方が茶系統で鍔に近い方が緑、スマホケースの縁が緑といった調子。
前半で着ているシャツに書かれている文字がЩAМAН(キリル文字でシャーマン)で、後ろは読み取れなかったがbetween God and なんとかと書いてあった。
途中から鼻ピアスをするのが土人風。
(余談だが、水木しげる「ほんまにオレはアホやろか」を最近読んで、水木サンが南方で会った現地人のことを土と共に生きる人とでもいった意味で土人というコトバを肯定的に使っているので、倣いたい)
半分冗談で言うが、緑や茶は植物の色つまり自然の色で、ヒロインは自然児といった性格づけではないか。
もちろん舞台は現代日本で生の自然(とは、しかし何だろうね)とはほぼ無縁だが、ヒロインのふるまいは破天荒には見えないがよく考えてみると破天荒。昔だったら奔放なキャラとしてまとめられただろうが、もっと自然。
金子大地と寛一郎が髪の長さは違うが同じ人間じゃないかと思うくらい見分けがつかないし、おそらくあまり描き分けようとしていない。本質的には似たような男ということ。
タイトルのナミビアの砂漠って、精神科医がパソコン画面を通して問診するバックの壁紙が人工的な自然の情景になっているのと通じる。
よく医者のセリフが聞き取れなかったのだが、躁鬱と双極性障害を混ぜて喋ってなかったか。昔の躁鬱病が今は双極性障害と言っているわけだが、ヒロインはあまり病んだ感じがしない。そこがいい。