冒頭でワニを見世物にしている動物使いが本当にガブリとやられるのを見ていたワニ好きの少女がワニを裏返しにするとおとなしくなると隣の父親に耳うちするのだが父親は耳を貸さず、MCはMCで事態を取り繕うのにばかり気をとられているという芝居の組み立てが面白く、脚本のジョン・セイルズの職人的上手さが生きた。
少女が土産に赤ちゃんワニを買ったら父親が糞が汚いとまた勝手にトイレに捨ててしまう。この女の子があとで生きてくるなと思ったら案の定。
トイレに捨てた赤ちゃんワニがでかくなって下水道で生きているという都市伝説から発想したのだろう。(「グレートハンティング2」に下水道のワニ狩りが出てくると聞いたが、ホントかね)
「第三の男」(Harry Lime Livesという落書きが下水にしてある)を小ネタにしているところもあるが、カラー撮影では白黒ほどの効果はあがらず。
CGがなかった時代の製作('80)なので、ワニの巨大感を出すのにワニの口だけ、尻尾だけの模型とかも併用しながら、水しぶきの大きさから推し量って、本物のワニをミニチュアで動かして大きく見せているところもあるのではないか。
警官役のロバート・フォスターが薄毛を再三サカナにされたり実際無精ヒゲを生やしていたりとかなりムサい。
マイケル・ガッツォやヘンリー・シルヴァなどかなり馴染みのある顔が並ぶ。