prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ディア・ファミリー」

2024年07月05日 | 映画
予告編の押しつけがましさにはヘキエキして、こういう調子でやられたらかなわないなと思ったが、「キングダム」の二作目の予告編もそんな調子だったが本編みたらそうでもなかったので、予告編だけで決めるのはどうかと思って本編の見参に及んだ。

それともうひとつ医学とはまったく無縁の銀行員が子供の命をすくうために猛勉強して研究上の奇跡を起こす実話ものとして「ロレンツォのオイル 命の詩」があったが、あれの監督は当人が医者でもあるジョージ・ミラーだからそれが一種の説得力にもなっていたと思うが、今回はそれは期待できない。

で、前半三分の二くらいは樹脂関連のメーカーの社長・大泉洋が異常にポジティブで諦めるということをおよそ知らず心臓に疾患を抱えた娘のためにひたすら人工心臓の開発に邁進するわけで、いささか「プロジェクトX」のようでもあり、それにしては老いた大泉と菅野美穂が出る冒頭の叙勲式でバルーンカテーテルの開発に功績ありと言ってなかったかと最初にネタバレしている割にズレているのが不思議だった。

不思議といったら病気の娘・福本莉子が自分の命と大勢の人の命を引き換えにする?よう頼み、常識的に考えればついていてあげるべき娘がいるのに父親は娘そっちのけで研究に没頭する。感動の押し付けも困るが、ひとり合点というかどうも感情移入しずらいキャラクターだなと思った。

女の子の遺影が出てくるところで福本が死んだのかと早とちりしたが、これは福本の隣のベッドで入院していた女の子。福本がいつもかけている太い黒縁のメガネをかけてないから紛らわしい。
人工心臓の開発は途中で挫折し、バルーンカテーテルの開発に舵をきるところで、ああこういうことかと冒頭の描写に納得した。

光石研が初め頼りになりそうで後では出入り禁止にしようとする実は学部長の顔色をうかがってばかりいるキャラクターで、立場が逆転すると大泉が高いことふっかけるのがちょっと爽快。

過去の再現で新幹線ひかりをCGで走らせ中ではタバコの煙もくもくというのが短いが印象的。






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