「シンドラーのリスト」同様にナチスからユダヤ人を救い出した人物の実話だが、オスカー・シンドラーが自分の工場で働かせるユダヤ人の経費を安くあげるという打算的なところを見せた上でそれを見逃せなくなるという複雑な役どころだったのに対し、ごく単純に見て見ぬふりはできなくなるという感情が素直に描けている。
アンソニー・ホプキンスと若い時をやるジョニー・フリンのつながり具合がまた淡々としていて、このままさりげなく終わるのかと思うと終盤ぐっと盛り上がり、当人は心残りがあるようだったのが、思った以上に命を救った重さが実感される。