昨日「MAKIKYUのページ」では臨時快速列車「お座敷ゆとり水上号」に関する記事を掲載しましたが、MAKIKYUが高崎駅でこの列車の姿を収めた後は横川へ向かう為に信越本線(本線とは名ばかりで、実態は分断された1支線ですが…)に乗車し、その際にやって来た車両が107系で、今日はこの地味な役回りとなっている同系に関して取り上げたいと思います。
この車両は国鉄の分割民営化直後に製造された近郊型電車で、2両1編成というローカル輸送に手頃な編成となっており、混雑時間帯などは2~3編成を連結して運用される姿もよく目にしますが、コストダウンの為に下回りや空調装置などはローカル輸送用としては使い勝手が悪かった165系からの転用品を用い、車体も自社工場で製造されている事は大きな特徴です。
そのため軽快なスタイルながらも、外観は空調装置などに部品流用車の特徴が見られますし、最近は急行形車両が少なくなった事もあって、横川へ向かう車中では乗客の間でも「この走行音が…」という声が聞かれる程でした。
ちなみに107系が走っているエリアは高崎地区各線(高崎以南を除く)と日光線ですので、北関東のみを走っている地域限定車両と言える存在で、両者は一応宇都宮駅で顔合わせする事もあるのですが、両者は併結も可能ながら仕様が若干異なり、所属や運用は基本的に分かれていて高崎地区用は100番台、日光線用は0番台と区分されており、塗装も両者で異なっています。
高崎地区用の100番台車は増備途中で窓割が変更されているのも特徴で、先日乗車した写真の車両は戸袋窓が省略された後期の編成ですが、車内設備などは特に変化はなく、0番台も含めて全てオールロングシートとなっているのが同系の特徴ですので、形式が語る通り通勤型車両ですが、地域性を考慮してか各編成に化粧室が設置されている事は評価できる点と感じます。
ただ2両1編成の小回りの利く編成という利点があり、ワンマン運転にも比較的対応しやすい構造でありながらも、現在の所はワンマン化改造車が全く登場していませんし、閑散時間帯の高崎地区ローカル列車では中途半端な運転間隔で107系2編成(4両)という運用などもよく見られ、現状では他形式との混用で持て余している感がありますので、今後はこの形式の特性を生かして短編成ワンマン運転を推し進め、代わりにパターンダイヤ化と運行本数の増発で分かり易く便利なダイヤ編成に期待したいものです。
とはいえ高崎近郊で運行間隔が1時間程度開く状況で、この車両が1編成2両での運用となれば、いくら通勤型で詰め込みが利くとは言っても、余り望ましい状況ではありませんし、先日高崎~横川間で乗車した際は、本数も決して多いとは言えない状況にも関わらず、2両編成だった事もあって日中にも関わらず安中辺りまで超満員、その後も終点まで立席という有様でしたので、詰め込みによる合理化の為にこの形式を短編成で運用し、混雑が常態化するする事だけは避けて欲しいものです。