MAKIKYUは今月上旬に青春18きっぷの5回目を使い、群馬県・横川(現在は安中市)にある碓氷峠鉄道文化むらを初訪問して来ましたが、この園内は内容も非常に充実しており、2~3時間はあっという間に過ぎてしまう程…
そんな園内はかつての横川運転区跡地を利用したもので、広々とした園内にある数々の保存車両だけでも鉄道関連の博物館としては日本一では…と感じる程(来月開館予定の鉄道博物館も、かなりの規模になる様ですが…)で、これを取り上げるだけでブログ記事も幾つも作れそうな感がありますが、それ以外にもEF63形電気機関車の体験運転(予約制:MAKIKYUは鉄道車両の体験運転をした事があるとはいえ、ここでの運転を体験した事はありません)や園内を走る遊覧列車の運行など、お楽しみは盛り沢山で一日中居ても飽きない位ですが、今日は園内を走る遊覧列車・あぷと君に関して取り上げたいと思います。
この遊覧列車は園内をエンドレス状に周回する様に軌道が敷設され、全長約800mの環状線を一周する路線ですが、線路幅は日本国内のナローゲージ路線として知られる近鉄内部(うつべ)・八王子線や三岐鉄道北勢線、黒部峡谷鉄道の762mmより更に狭い610mm(2フィート)となっています。
これは日本国内の営業用鉄道では使われていない軌道幅ですが、部分的に横川~軽井沢間の廃線後も残された軌道(体験運転やトロッコ列車運行などで使用:当然JR在来線で用いられている1067mmです)と併走する区間では、その狭さが一目瞭然です。
使用車両は機関車1両が客車3両を牽引しており、3両の客車は「赤城」「榛名」「妙義」と群馬県の山々にちなんだ愛称が付けられていますが、客車自体に形式番号等は付与されておらず、この辺りは如何にも遊覧列車ならではという感があります。
この客車は内装に木材をふんだんに使用しており、小型車両だけあって座席は通路を挟んで2+1配列で並んでいますが、座席は硬い木製のベンチの様なものとなっており、空調装置なども備えられていませんので、居住性はお世辞にも良いとは言いがたい気がします。
ただ乗車時間は数分程度ですので、非空調+木製座席でも実害はありませんし、客車は小型とはいえ2軸車ではなくボギー車(一般的な旅客用鉄道車両の大半が使用している形態で、1車両に台車が2つ:1台車に車輪は2軸あり、1両当たりの車輪は4軸)となっている事は特徴的です。
機関車は主に「グリーンブリーズ」という名称が付けられた蒸気機関車(3950号)が用いられていますが、こちらは碓氷峠鉄道文化むら開園に合わせて準備された1998年製とはいえ、この手の遊覧鉄道ではよくあるSLもどきではなく、鉄道発祥の地・英国で製造された正真正銘のSLで、それも重油焚きではなく石炭を使用していますので、駅構内や機関車周辺は懐かしさを感じるような独特の匂いを放っている点も注目です。
ちなみにこの園内遊覧列車・あぷと君は1乗車400円で乗車可能(他に鉄道文化むら入園料が別途必要です)で、アトラクション的存在とはいえ車庫には転車台が用意され、本線上には腕木式信号機の姿も見られるなど雰囲気もなかなかですので、さすが鉄道文化むらの乗り物だけあると感じさせられ、訪問した暁には是非乗車したい列車ですが、自動券売機で購入する乗車券は食堂の食券の如く…といった感じで、これだけはもう一工夫欲しいものと感じてしまいます。
また昼間を中心に運行されるSL牽引列車の他にディーゼル機関車牽引で運行される場合もあり、こちらも別記事で追って取り上げたいと思います。
写真はSLが牽引する園内遊覧列車とその客車の車内、乗車中のワンシーンと610mm(2フィート)と1067mmの軌道が併走する箇所の様子(乗車中に客車最後尾から撮影)です。