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山北町内循環バス~ボンネットバスも活躍するコミュニティバス

2007-10-01 | バス[首都圏]

 

先日MAKIKYUが小田急線で走り始めたばかりの新型通勤車・4000形に乗車し、その記事も公開しましたが、MAKIKYUはその後県西方面を廻っており、今日はその際に乗車した山北町を走る循環バスに関して取り上げたいと思います。

山北町を走る路線バス(東名高速道路を走る高速バスを除く)は、その殆どを富士急湘南バスが運行しており、一般路線は松田~山北間を結ぶ路線が割合頻繁に運行(以前より本数は減便されていますが、それでも時間帯によっては並行するJRより本数が多いです)され、その一部は山北から更に谷峨を経て西丹沢方面にも足を伸ばしており、この路線は観光利用なども見込まれる事から、全国版の時刻表にもダイヤが取り上げられる程です。

ただ山北周辺のバス路線は廃止も相次いでいますし、現存している路線も朝夕のみ運行といった最小限の運行となっている路線が幾つも見受けられ、最近ダイヤの整理・減便も行われるなど、割合路線バスが健闘している神奈川県の中では余り芳しくない状況です。

こうなると日頃自家用車を運転する方々は何とかなるにしろ、学生や高齢者といった交通弱者の移動手段確保には難がありますので、山北町では山北駅を基点に町内南部(概ねJR線の南側)を廻るコミュニティバス(山北町内循環バス)を走らせています。

運行はこの地域で路線バスも運行している富士急湘南バスに委託しており、この様な事例は山北に限らず地方の過疎地域などではよくある事なのですが、ルートは毎日運行(但し年末年始は運休)の南部循環と称するメインルート(東回り・西回りの双方が設定されており、両者を合わせた運行本数は一日10本以上あります)の他に、学校への通学対策として平日の朝夕のみ運行されるルート(東部循環・西部循環)が設定されている事や、整理券方式を用いて概ね3km以上の大人運賃は200円(3km未満は100円)になるにも関わらず、中学生は全線100円の特例運賃(小学生は全線50円)が設定されているなど、通学対策に重点が置かれている点も大きな特徴です。
(南部循環も平日と土日で運行時刻が変わります)

使用車両もレトロ調の特注車両が使用されており、それも2台の内1台は新造とはいえボンネット車両となっている事も特徴的ですが、このボンネット車両はトラックをベースとしている様で、ボンネットはダミーではなく実際にエンジンなどが格納されているのですが、狭路の走行も考慮して小型車両となっているにも関わらず、前頭部をボンネットとしている事もありますので、客室空間は非常に狭くなっており、収容力の点ではかなり劣りますし、ステップ高さも決して低いとはいえませんので、乗降性という観点でも今一つの様です。
(それでも後部に扉が設けられ、車椅子乗車に対応しているのは現代のバスらしい点ですが…)

またボンネットバスの運転士氏から伺った話によると、一般のバスは運転席後部に前輪が来るのに対し、この車両は運転席より前に前輪が来る事もあってハンドルの操作感覚が大きく異なり、またハンドルも昔のバスを模したのか(?)重いなど運転も結構大変な様で、決して使い勝手の良い車両ではありませんので、独立採算制の一般路線バスではとても考えられない車両と言えます。

ただ奇抜な外観故に通学で利用する小学生などからは、このボンネットバスはなかなか人気がある様ですし、また一般のマイクロバス(日野リエッセ)を特別仕様にしたもう一台(これでも充分存在感ありですが、強烈なボンネットバスと並べば地味な印象を受けてしまいます)も含め、車内は木目を用いた特別仕様となっていますので、一見の価値は充分あるかと思いますし、MAKIKYUが乗車した南部循環線は一周の所用約30分・運賃200円(大人)と手頃な割には、狭路走行も含めなかなか乗り応えのある路線ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も山北へ行かれる機会がありましたら、是非一度町内循環バスに乗車されてみては如何でしょうか?

写真は山北駅前で並ぶ2台の循環バス車両とボンネットバス車内の様子、南部循環乗車中の狭路走行シーンです。