「MAKIKYUのページ」では何度かに渡って錦川鉄道に関する記事を取り上げてきましたが、この錦川鉄道の終点、錦町駅からは通称80条バスなどと呼ばれる自治体運行による白ナンバーの路線バス(過疎地などで自治体のみに認められている特例です)が発着しています。
この路線バスはかつて錦町が運行していましたが、現在錦町は他の錦川鉄道沿線町村などと共に岩国市に合併された事もあり、このバスは現在「岩国市営錦バス」(以下錦バスと記します)として運行しています。
普通に考えると「岩国市営バス」でも良さそうですが、岩国市は以前からJR岩国駅周辺などの市内中心部に市営バスを運行しており、岩国市交通局を抱える中で、これとは別の部署が別形態で路線バスを運行するため、この様な名称になったものと考えられ、この様なバスは錦バス以外にも岩国市内では幾つか存在しています。
錦バスの運行は現在、他の錦川清流線沿線の自治体バスと共に、岩国市などが出資する第3セクターの錦川鉄道に受託されていますので、錦川鉄道は直営の路線バスこそ運行していないものの、実質的に錦川鉄道バスと言っても過言ではない存在となっています。
ちなみにMAKIKYUは錦町→雙津峡温泉間でとことこトレインに乗車した後、雙津峡温泉から錦町駅へ戻る際に錦バスを利用したのですが、MAKIKYUを除くとことこトレイン利用者は全て往復でとことこトレインを利用しており、時間帯の関係もあってか錦バスの利用者は他に途中停留所から一人乗り込んできただけという状況でした。
雙津峡温泉を通る錦バスは2路線存在しており、更に奥の山中へ路線が通じているのですが、2路線合計でも運行本数は6往復程度ですので、運行時刻を事前に調べておかないと利用し難い状況ですが、とことこトレインと組み合わせ、往復で異なる交通手段を用いて錦町~雙津峡温泉間を移動できるダイヤとなっている便も幾つか存在していますので、とことこトレインと乗り比べてみるのも面白いもので、万が一とことこトレインが満席で乗車できない時(可能性は低いと思いますが…)の交通手段としても、知っておくと便利かと思います。
MAKIKYUが乗車した際のバスは1枚目の写真の車両で、ハイバックシートが並ぶ日野製中型車は、路線バスとしてはそこそこ高級な部類に入りますが、この車両はかつて自治体がスクール輸送などの自家用で使用していた車両を譲り受けた様で、この塗装の車両は錦バスでは一台のみの存在との事です。
また錦バスは前乗り前降り(少なくともMAKIKYUが乗車した車両は)、大半が自由乗降区間となっている多区間運賃後払いの路線バスで、路線によっては片道運賃が1000円を超える区間も存在しています(MAKIKYUが乗車した路線でも最高金額は800円を超えており、錦町駅~雙津峡温泉・深須郵便局間では470円です)が、運賃表が地方の路線バスでは時折見かける三角表(2枚目の写真)となっているのはともかくとしても、利用者の大半が地元の乗客という事もあるのか、運賃表示器や音声合成装置などによる車内アナウンスはおろか、MAKIKYUが乗車した車両では整理券発行機すら存在していない事には驚かされたものです。
(信用方式による運賃後払い路線は、都内均一区間用の車両を用いている松戸駅→戸ヶ崎方面へ向かう千葉~埼玉県跨ぎの京成バスなどが有名(松戸駅方向は前払い)ですが、区数が多い錦バスの様な事例は余りないと思います)
そのためMAKIKYUが乗車した際には、整理券発行機が見当たらないので運賃前払いかと乗務員の方に尋ねた程ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も錦バスに乗車される機会がありましたら要注意です。
(余談ながら同じ岩国市内を走る岩国市営バスは、整理券方式運賃後払いながらも、デジタル運賃表示器や整理券発行機、音声合成装置による車内案内放送などがあり、山口県内共通バスカード対応のバスカード機器も備えています)