昨日秩父鉄道では「2008わくわく鉄道フェスタ」が広瀬川原車両基地で開催され、MAKIKYUもこのイベントに出向いた一人ですが、この車両基地は通常旅客営業を行っているひろせ野鳥の森駅から、秩父方向に徒歩10分程度の場所に位置しています。
ただこのイベントでは、最寄駅となるひろせ野鳥の森駅からのアクセスの他に、このイベントへのアクセスの為に、車両基地内を発着する臨時列車が運行され、リバイバル塗装となった1000形(旧国鉄101系)が運用されましたが、この列車は日頃一般旅客が乗車する機会がない車庫線を走るという意味でも、非常に貴重な機会でした。
ちなみに広瀬川原車両基地を発着する旅客の営業扱いも、500mほどしか離れていないひろせ野鳥の森駅の構内扱い、或いは以遠の最寄駅と同運賃扱いにするのではなく、「広瀬川原」駅として旅客扱いを行い、運賃も広瀬川原駅のキロ数を適用(そのため熊谷駅から乗車した場合は230円で、ひろせ野鳥の森駅利用より70円ほど割高に)するなど、一日限りの臨時駅(以前にもイベント開催時に同様の扱いを行った前例あり)としては随分本格的で、MAKIKYUは同駅を初めて利用しましたが、この点もファン的には非常に面白いモノといえます。
その上今回広瀬川原駅を発着する列車の乗降扱いは、仮説ホームなどを用意する訳ではなく、船などで用いられるタラップの如く、列車到着時に可般式ステップをドアに合わせて設置し、ステップの設置されたドアから下車するという、少なくとも日本国内を走る一般鉄道の通常の営業運行では類を見ないもの(海外の低床ホームで乗降する路線では、駅名標だけでホームすらない所で乗り降りする例も多数ありますが…)で、広瀬川原駅を発着する臨時列車はイベント参加者で混雑しているにも関わらず、特定のドアからしか乗降できない事もあって、乗降にも結構な時間がかかる有様でしたが、これもまた普段では体験できない貴重な体験でした。
また広瀬川原駅は車両基地内に直接降ろされるという状況であるにも関わらず、車両基地内では臨時列車発着場所とは少々離れるものの、保線用車両展示位置にきちんと広瀬川原駅の駅名標が用意されていた事や、往路(広瀬川原行)は同駅名が印刷された乗車券の発売こそなかったものの、イベント会場(広瀬川原駅)内では、広瀬川原駅名の入った復路の硬券乗車券や、広瀬川原駅入場券(硬券・501号機関車のイラスト入り)まで発売され、入場券は「20.-5.17に限り有効」と印刷され、この駅の特殊性を示している辺りも面白いものでした。
この広瀬川原駅発着列車に乗車でき、同駅の乗車券(硬券)を入手できただけでも大きな収穫ありという所でしたが、今回のイベントでは目玉のリバイバル塗装車並びや広瀬川原駅営業以外にも面白いモノが目白押しで、これらに関しても近日中にまた別記事で取り上げたいと思います。
写真は本線から分岐してイベント会場の車両基地内(広瀬川原駅)に入る際の、熊谷発臨時列車からの前面展望シーン(熊谷方向からの広瀬川原行き臨時列車は先頭車が3両で唯一の冷房付電動車という事もあって、この手の列車ではただでさえ混雑する最前部は相当なものでした)、広瀬川原駅に到着した寄居からの臨時列車に可搬式ステップを設置する様子、広瀬川原駅名入りの硬券乗車券(一枚は熊谷から広瀬川原まで乗車する際に購入した通常の乗車券)、会場内にあった広瀬川原駅の駅名標です。