今日ネット上のニュース記事を見ていたら、奈良交通のバス専用道(五條~城戸)が今月限りで廃止(閉鎖)され、来月からは専用道付近を通る便が国道経由に変更となるため、最後のお別れ乗車をする乗客で賑わっているという記事を目にしたものでした。
廃止されるバス専用道は、かつて奈良県の五條から和歌山県の新宮へ向かう鉄道として構想があり、途中までの建設は行われたものの、結局鉄道として開業する事はなく、建設済の一部区間がバス専用道に整備され、国鉄バスとして運行していた「五新線」の大半を占める区間です。
五新線は国鉄分割民営化の際、西日本JRバスに引き継がれたものの、その後地場の民営バス事業者・奈良交通に移管され、今日まで運行を続けていました。
バス専用道が存在する地域は、元々山間部で道路混雑などが激しい地域とは言い難い上に、付近を併走する国道も、バス専用道と並行する区間では、道路状況が極めて悪いと感じる所ではありません。
また趣味的には注目と言える存在ながらも、一帯の路線バスが奈良交通に一元化された後は、JRバス引継便とそれ以外で運行経路が異なり、山間部で運行本数も限られる中で、便によって経由が異なるという不便な状況にもなっていますので、この様な状況が一帯何時まで続くのか…とも感じていました。
MAKIKYUはこの五新線バス専用道を走る路線には、国鉄バス~西日本JRバス時代・奈良交通移管後のどちらも乗車した事はなく、未乗のまま終焉を迎えてしまいそうですが、付近を走る国道(168号)は「日本一長い路線バス」としても知られ、近鉄大和八木駅を基点に御所・五條バスセンター・城戸・上野地・十津川村役場・十津川温泉・熊野本宮・志古を経てJR新宮駅へ至る有名な「八木新宮線」も運行している区間で、同線には3年程前に一度乗車した事があります。
その時には国道を運行する八木新宮線車中から、五新線のバス専用道を目撃(写真・以前八木新宮線に関する記事を公開した際に掲載した画像の再掲載です)しており、八木新宮線もこの専用道を運行すれば、趣味的な面白さは…などとも感じたものでした。
とはいえバス専用道が老朽化し、施設維持にも手間取る状況であれば、JRバス移管便を他の便が走る国道経由に変更し、一帯を走る全便の経路を一元化した方が分かり易く、総体的に見れば利便性向上にも繋がる路線再編を行うのは当然の事と言え、バス専用道廃止のニュース記事を見たら、いよいよこの時が来た…と感じたものでした。
ちなみに五新線のバス専用道を走る便は、輸送需要が限られる事もあり、現在では基本的に小型車を用いている様ですが、八木新宮線は大型路線車ながらも、長距離乗車を見込んだ特別仕様車を充当している事でも知られています。
この特別仕様車は結構な古参車(写真・以前八木新宮線に関する記事を公開した際に掲載した画像の再掲載です)で、奈良交通が事業者限定バスコレクション(Nゲージサイズのバス模型)を発売する際にも、新型低床車と共に対象車種に選定された程ですので、注目度もかなり高い車両ですが、活躍路線故に相当な走行距離にも達しているかと思いますので、今後どれだけの活躍が続くのかも気になる所です。
また以前「MAKIKYUのページ」では、八木新宮線に関して取り上げた記事が幾つかあり、以下に該当記事へのリンクを設定致しますので、興味のある方はこちらもご覧頂けると幸いです。
奈良交通・八木新宮線(1)~使用車両は長距離路線にも関わらず…
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100910
奈良交通・八木新宮線(2)~車内運賃表示器の各種表示
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100912
奈良交通・八木新宮線の車窓風景(1)~大和八木駅→上野地編
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100928
奈良交通・八木新宮線の車窓風景(2)~上野地→新宮駅編
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20101001