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山陽電気鉄道 6000系電車~久々に登場した新型車両

2016-09-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、和歌山方面以外に大阪市内や兵庫県内などでも最近稼働開始した車両に幾つか乗車する機会があり、兵庫県内では山陽電気鉄道にも乗車機会がありました。

山陽電気鉄道の既存車両は、阪神直通特急でも用いられる中堅の5000系列と、製造年次が多岐に跨る事から様々なバリエーションが存在する古参3000系列の2形式が活躍する状況が続いてきましたが、長期に渡って製造され初期車は製造から50年を突破し、老朽取換必須の時期に差し掛かっています。

3000系列の一部は更新工事を施行し、まだ暫くの活躍が続きそうですが、かなり草臥れた印象を受ける車両も数多く存在し、同系の代替車両として今春に登場したのが、山陽では久々の新形式となる6000系です。


6000系は今春に3両2編成が登場、今後も3000系代替で増備が進行する見込みで、2編成併結の6両で阪神梅田直通も可能と言われていますが、現在は3両単独で専ら山陽普通(神戸高速線含む)での運用となっています。

高運転台・アルミ車体などは、中堅格の5000系列と共通する点ですが、山陽初・最新型ならではとも言えるフルカラーLEDを採用した行先表示や、戸袋窓部分に赤~オレンジ色がグラデーションで配色されたステッカーなどが際立ち、前面に「6000系DEBUT」というヘッドマークが掲げられた姿も、運行開始から日が浅い最新型車両ならではの姿と感じたものでした。

 
MAKIKYUはこの6000系に支線の網干線で乗車機会がありましたが、同線ではワンマン運転を行っている事もあり、側面の種別表示は「普通」表示の下が英文表示(LOCAL)とワンマン表示が交互表示されていたのが印象的で、また側面表示は種別・行先だけでなく号車番号も表示されるのも大きな特徴と感じたものでした。


車内に足を踏み入れると、車長や扉数、窓割や配色などは異なるものの、簡素な印象の化粧板や特徴的な形状の袖仕切り、天井形状など、千代田線や小田急線でお馴染みの東京メトロ16000系に類似した部分が幾つも見受けられ、製造メーカーがどちらも同一(川崎重工業)である事も影響しているのでは…と感じたものでした。


近年の新鋭車両では、客ドア内側に注意喚起の黄色いラインを配する車両が数多く存在し、関東ではドアの中央部分、関西ではドアの両端に黄色いラインを配する事が多い状況(一部例外あり)ですが、山陽6000系ではドアの中央部分と両端の双方に黄色いラインを配しているのが大きな特徴で、今後この様な車両が他でも相次ぐのか気になったものです。

各ドアには一部ではスマートドアとも呼ばれる押しボタンも設けられ、相互直通運転先の最新鋭車両と同種の意図で設けられたものと思われますが、節電が求められる中で車内空調維持に努める必要もある事を考慮すると、通勤型車両でももっと普及して良いのでは…と感じます。


先頭車では乗務員室が運転席側だけ大きく客室側にせり出し、反対側だけに客席が設けられているのも大きな特徴で、車内はメーカー標準仕様の要素が強いと感じる中で、この構造は既存型式同様に山陽らしい仕様とも感じたものでした。


山陽では新造車導入が暫くなかった事もあり、今流行のLCDモニターによる案内表示装置も6000系で初登場となっており、モニター自体は一つだけで最新型にしては割合簡素な印象です。

 
ただ日英2か国語に加えて中国語と韓国語も表示、中国語は簡体字と繁体字の双方が併記される仕様となっており、これは山陽亀山駅が近年中華圏の同名駅と姉妹提携を行った事も影響しているのか…とも感じたものでした。

また3両編成で中間車にシングルアーム式パンタグラフが2基搭載された姿は、1M2Tもしくは中間車と片方の先頭車が電動車なのでは…と感じてしまいますが、パンタグラフを装備した中間車が付随車、パンタグラフを装備していない両端車が電動車という、直流区間専用車では珍しい配置となっているのも特徴的と感じたものでした。

設備面ではオールロングシート車だけに、専ら普通運用に充当されるのであれば無問題、今後の活躍にも期待の車両と感じましたが、2編成併結で阪神直通特急に充当、梅田~姫路間を通して乗車となると、現状でもライバルのJR新快速に比べて苦戦が否めない状況ですので、新鋭ながらも更なる見劣りが否めなくなるのでは…とも感じたものです。

今後恒常的に直通特急に充当される事になるのか否か、また直通特急充当用に客室設備を一部変更した編成が出てくるのかも気になる所で、3000系列代替で増備が進むと推測されますが、新たなバリエーションの展開にも期待したいと感じたものでした。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (H・Sさん)
2017-05-14 01:17:18
3000系のリニューアル改造を打ち切り6000系の増備を
進めてほしい。
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代替費用が捻出できるなら… (MAKIKYU)
2017-05-15 15:01:59
H・S様こんにちは。

山陽電車の3000系列は鋼製車体の抵抗制御車で、運行コストも決して安くない事を考慮すると、残存する非リニューアル車に関しては更新するよりも、6000系代替の方が長期的なコスト面でも優位になる可能性は大きいかもしれません。

車両代替費用が捻出でき、メーカー側の新造が可能な体制ならば、サービス面でも6000系で代替した方が得策かと思いますが、一挙に代替を進めるのが困難なら、割合製造時期が新しい3050番台のアルミ車を更新し、鋼製車代替を優先的に進めていくのも一つの方法化と思います。

また中堅格の5000系列もそろそろ大規模更新を実施しても不思議ではない時期かと思いますので、今後各形式でどの様な動きが出てくるのかも気になる所ですね。
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