京浜急行電鉄(京急)では、近年(新)1000形ステンレス車両の増備が進行しており、これは賛否両論でネット上でも様々な見解が示されていますが、ステンレス車初導入となった2007年の6次車導入開始から早くも10年が経過、今まで「赤い電車」の印象が強かった京急もステンレス車の大量導入で様相が随分変化したと感じています。
(新)1000形ステンレス車は既存車両よりも製造コストを大幅に削減する事を主眼に導入され、結構な勢いで増殖していますので、銀色の電車がやって来て「またか」と感じる事も少なくない程ですが、個人的には内外共に様々な面で安物感を強く感じる車両と感じています。
これに加え今まで導入されたステンレス車(6~15次車)は全席ロングシート、この座席は好みが大きく分かれ、異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」となっており、個人的には非常に頂けない存在と感じる程です。
しかしながら昨年末に導入が開始された16次車は、車体材質自体は相変わらずステンレス製で、雨樋も張り出した構造ながらも、昨年少数が導入された1800番台車(正面貫通路付の4両編成)と同様に、ラッピングで既存塗装車に近い「赤い電車」の装いを再現しており、一目で銀色の電車との違いを識別できる様になっています。
MAKIKYUも昨年末に初めてこの車両に乗車機会があり、車内もFRP製の天井板や異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」のロングシートなどは相変わらずですが、車端部分にステンレス車では初となるボックス席が設けられており、座席数は僅かながらも「ブカブカした感触の座席」ではない座席に着席できる様になったのは大いに歓迎できる事と感じています。
このボックス席は混雑対策などもあってか、アルミ合金製車体の(新)1000形初期車などに比べると、設置数は半減していますが、スマートフォンなどの充電に使えるコンセントが設けられるなど、他社一般車両ではまだ導入事例が少ない先進的な取り組みも見られます。
また客ドアも内側が(新)1000形ステンレス車では初の化粧板貼りとなり、今までコストダウンばかりに注力し、貧相さが否めないと感じていた傾向が変化し、見栄えが随分向上しています。
ドア上には近年の新型車両では標準装備とも言えるLCDモニターが装備され、LCDモニター自体は(新)1000形ステンレス車の一部や600形などでも導入されていますが、片側がモニター1面、もう一方が2面となっている配置は、他では余り類を見ない独特なモノと言えます。
LCDモニターを2面配置にする場合、一方を次駅などの運行情報案内・もう一方を広告やニュースなどの放映で用いるのが一般的ですが、16次車の場合は千鳥配置となっている左側モニターを韓国語と中国語の運行情報案内モニターとし、右側は日本語と英語の運行情報案内モニターとしているのが特徴で、これは空港アクセスに注力している近年の京急ならではとも感じたものです。
ただ相互直通運転先と共に空港アクセスに注力し、外国人利用なども多く見込まれる路線にも関わらず、未だに首都圏大手私鉄では唯一自動放送装置設置車両が皆無となっている辺りは片手落ちの感があり、今後近鉄奈良線系統などで導入事例が存在するタブレット端末を活用した多言語案内実施などを検討しても良い気がします。
全般的な印象としては、ステンレス車導入前の車両に比べると相対的にはやや見劣りするものの、今までの銀色ステンレス車に比べれば遥かに上等で、この車両の評判がまずまずならば、既存の銀色ステンレス車も車端部分のボックス席設置やドア上LCDモニターの片側2面化(もしくはLED文字案内装置から換装)を行うと共に、改良を施した編成を16次車と同様の装いに改めて頂ければ…と感じたものでした。
(欲を言うなら個人的にはこれに加えてロングシート部分の異様に柔らかい「ブカブカした感触の座席」を、乗入他事業者並の座席に改善して頂けると助かりますが…)
ちなみに写真の16次車は専ら京急線内で運用される6両編成ですが、近日中に導入予定の8両編成は今後首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃などで悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)にも乗り入れ、通称「悪徳」とも呼ばれる列車などに多用される事も見込まれますので、この記事の取扱カテゴリーは「北総監獄」扱いとさせて頂きます。
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京急新1000形は、アルミ車→ステンレス車への移行以降、1両辺りの製造費用が4桁万円単位で下がったという事もあってか、見るからに安物感が否めず、この手の車両ばかりが大増殖する有様にウンザリというのは同感です。
昨年末に導入が始まった赤いステンレス車は、以前のアルミ車に比べると見劣りが否めない部分もあるものの、永年導入が続いていた銀色のステンレス車に比べると随分マシになったと感じ、相変わらずのロングシートを除けば、とりあえず許容範囲内かな…と言うのが個人的な印象です。
また窓枠に関しては標準部品使用の事なども考慮すると変更は厳しく、クロスシート部分に別途小テーブルを設けるのが妥当な気もしますが、これは今後実現すのか否か…
ただ自動放送に関しては、空港アクセス路線として力を入れている中では、競合する東京モノレールをはじめ、国内他空港への空港鉄道などに比べて大幅な見劣りが否めず、片手落ちの感がありますので、これは既存車両も含め早急に改善すべき課題だと感じています。
趣味者の間では賛否両論あるステンレス車ですが、通勤電車の特性上大量増備が必要な上に手間の掛かる塗装を不要にしているという点を考えると、現場のメリットも大きく、ある程度の簡素化などは致し方ないのかも知れませんね。
今回の16次車は、カラーフィルムながら塗装車並みの装いにした点や、再び化粧板仕上げのドア(現物を見る限り、東急5000系グループとの共通品でしょうか?)に戻されたことで、標準部品を使用しつつ旧来の車両に近付けた点は評価されてよいと思います。
ところで、度々要望が出る自動放送ですが、相互直通する路線が非常に多く種別・行き先が多岐に渡りダイヤ乱れなど不測の事態には度々行先変更が行われる為に、臨機応変に対応出来る乗務員の放送を行っている…と中の人から聞いた事がありました。
現状を考えると難しそうですが、せめてエアポート快特のようなスカイアクセス関連の列車だけでも京急線・都営浅草線を含めた区間に対応する自動放送の新設を望みたいですね。
昨年末に登場した京急新1000形の16次車、車体材質はステンレス製ながらも、それ以前の車両に近い装いをラッピングで再現し、塗装作業軽減を図りつつも京急のイメージ継承に努めている点は大きく評価できる事かと思います。
車内も化粧板仕上げとなった客ドアやボックス席など、従来のステンレス車に比べると随分改善されたと感じるのは同感で、今回導入された16次車の評判が良好なら、既存のステンレス車も16次車で取り入れた要素の一部を取り入れても…と感じます。
また自動放送に関しては、空港連絡路線と言う特性も考慮すると外国語案内は必須、2か国語どころか4か国語放送を実施しても…と感じる中で余りに対応が遅れ過ぎていると言わざるを得ないのが本音です。
現在車掌台に蒲田到着時などに簡易放送を流すボタンが設置された車両が多数あるものの、これだけでは余りに不充分と言わざるを得ない状況で、外国語案内だけでもICレコーダーを用いて流す位は…と感じています。
京急側の人物で海外鉄道利用経験のある人物が少なく、また羽田空港はメインが国内線だけに外国人対応は現状で充分と感じている人物も少なくないのかもしれませんが…
相鉄もヨコハマネイビーブルーで走ルンです化に歯止めがかかっていますし。
あ、東日本は相変わらずですが、山手線とか(笑)
京急の方も16次車を前面に押し出していますし従来の銀色も全般検査などで意匠変更されるのでは?と期待してます。
京急は銀色のステンレス車登場時に随分騒がれ、個人的には未だに銀色の京急電車は好きになれませんが、ステンレスと言う材質ではなくデザイン面が大きいと思います。
近隣でも江ノ電や箱根登山電車の最新型車両はステンレス製ですが、車体を塗装する事で無塗装ステンレス車特有の雰囲気が感じられない車両になっており、材質はステンレスを維持しつつもラッピングで従来の「赤い電車」の雰囲気を再現する発想も悪くないと思っています。
また最近の増備車は装いだけでなく車内も側面ドアの客室側が化粧板仕上げに戻り、車端部にボックス席も復活するなど、標準仕様を取り入れながらもコストダウン一辺倒ではない雰囲気になっています。
こちらも外観・内装共に今後銀色の電車を、最近の増備車並に改装して頂けないものか…と感じていますが、今後改装の動きが出て来るか否かも気になりますね。