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錦川鉄道 NT-2000形気動車~発足当初に導入された軽快気動車

2008-05-06 | 鉄道[中国]

先日錦川鉄道の新型車・NT-3000形気動車に関して取り上げましたが、錦川鉄道ではNT-3000形の導入(現在3両が在籍し、今後更に1両導入予定)によって既存車両6両を代替する事になっていますが、代替対象となっている車両がNT-2000形と呼ばれる車両です。

この車両は錦川鉄道発足当初に5両導入され、その後更に1両が増備されていますが、後に増備された1両はトイレ付きになるなど若干仕様が異なる事もあって、NT-2101と2100番台を名乗っています。

現在はNT-3000形導入による車両代替によって、勢力はやや新しいNT-2101を含む2両にまで減少しており、MAKIKYUが先日錦川鉄道に乗車した際には、この形式の乗車はおろか、稼動している姿すら見れない程でしたので、今や主役の座をNT-3000形に譲り渡し、活躍自体もそろそろ見納めという状況になっています。

塗装も開業当初はクリームと赤に緑色(これに類似した塗装は錦町営バス→岩国市営錦バスで今でも用いられており、近日中に取り上げたいと思っています)を纏っていた様で、車両毎に愛称が付けられているのも特徴ですが、近年は沿線の5つの自治体にちなんだデザイン(NT-2101は沿線地域共通の広域デザインですが、現在の錦川鉄道沿線は市町村合併で全て岩国市域になっています)に改められています。

この新デザインは車両毎に塗装を変え、それぞれ異なる動物のイラストを描くなど、凝ったものになっていますので、なかなか見応えが…という所ですが、退役車が相次ぎ、現在見られるバリエーションが限られているのは惜しい限りです。

それでも新型と共に、まだこの形式が姿を留めている内に訪問でき、1両は車庫の奥に停車していて撮影もままならない状況だったとはいえ、後に増備されたNT-2101「せいりゅう」の姿をじっくりと眺め、記録できたのは良かったと感じており、この車両に興味のある方はなるべく早めに足を運ばれた方が良さそうです。

ちなみにNT-2000形の経年は約20年程ですので、首都圏のJR某通勤線区で活躍し、造りの悪さ故に早くも廃車解体処分になる車両が相次いでいる「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の元祖と言える車両程ではないとは言え、軽快気動車の寿命の短さを感じさせられるものです。


錦川鉄道 NT-3000形の増備車両・「ひだまり号」と「こもれび号」

2008-05-05 | 鉄道[中国]
  

昨日「MAKIKYUのページ」では錦川鉄道の新型車両・NT3000形気動車に関して取り上げましたが、同形は昨年に「せせらぎ号」と呼ばれるNT-3001号が登場した後も、今年に入ってからNT-3002・3003号の2両が増備されており、MAKIKYUが錦町からの岩国までの復路で錦川清流線を利用した際(岩国~錦町間を直接並行する路線バスは存在しておらず、錦町から他へ抜ける路線バスも限られますので、錦川清流線乗車は往復利用が最もベターな方法です)にも、NT-3003号車に乗車する事が出来ました。

この2両はそれぞれ「ひだまり号」・「こもれび号」と名付けられ、車両自体は「せせらぎ号」と同形ながら、外観は清流のブルーをイメージした「せせらぎ号」とは異なり、「ひだまり号」は桜のピンク、「こもれび号」は森林のグリーンをイメージしたものとなっており、それぞれ違った趣が楽しめるのも魅力的です。

この2両の登場に当たっては、車内掲示などでも大々的に告知しており、「せせらぎ号」と同様のハイグレードを誇るこの新型車両の導入には、錦川鉄道の意気込みの高さを感じさせられますが、今後も1両「きらめき号」と呼ばれる車両の導入予定があり、同社HPでも告知されていますので、こちらにも期待したいものです。

錦川鉄道・NT-3001「せせらぎ号」~ハイグレードな設備を誇る錦川清流線の新型車両

2008-05-04 | 鉄道[中国]

  

先月末にMAKIKYUが広島周辺を訪問したのは、広島周辺を走る鉄道路線の中でも未乗路線として残っていた錦川鉄道・錦川清流線に乗車するのが最大の目的だったのですが、その際に岩国から乗車した車両がNT-3001号で、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

錦川清流線は旧国鉄岩日(がんにち)線を第3セクターに転換した路線(国鉄民営化直後も僅かな期間はJR西日本が運行)で、起点は岩国からJR岩徳線で2駅目の川西駅となっていますが、全列車が岩徳線に乗り入れて岩国~錦町間を運行していますので、運賃こそ川西を境にJRと錦川鉄道に分かれるものの、実質的には岩国を基点に錦町までを運行する路線と言えます。

錦川清流線に転換してからも既に20年余りの月日が経過しており、開業当初に導入されたNT-2000形と呼ばれる気動車は老朽化も進んでいますので、最近はこの車両の取替えにNT-3000形と呼ばれる新型気動車が導入されています。

その先陣を切って昨年から走り始めた車両がNT-3001号で、「せせらぎ号」と呼ばれる愛称が付けられていますが、この車両は地方の第3セクター鉄道でも比較的近年に車両代替を行った第3セクター鉄道などで、他にも幾つもの採用事例が存在する新潟トランシス製の標準車両ながらも、錦川鉄道に導入された車両は転換式クロスシートを主体とした座席配置を採用しているのが特徴です。

第3セクター鉄道ではよくあるイベント兼用車ではないにも関わらず、クロスシート部分の窓側には木製の折り畳み式テーブルも備え付けられており、内装も木目を用いていて高級感がありますので、岩国駅で顔を合わせる事もしばしばあり、普通列車用車両としては高級な部類に入る事で知られる山陽本線を走るJRのN○0工事施行車(車両自体は旧国鉄から継承した経年車ですが、座席や内装のグレードは関西の新快速などに匹敵します)と比べても決して見劣りしない程です。

そのため岩国駅から2駅間は同じ線路を走る岩徳線の旧年式気動車(キハ40・47形)などに比べると遥かに上等な車両と言え、岩国~川西間を利用するのであれば乗り得車両と言えます(ただ岩徳線・錦川清流線は共に決して運行本数が多いとは言えませんので、好きな列車を選んで乗車できる時間帯は限られますが…)し、決して安いとは言えない錦川清流線の運賃に見合う車両とも言えます。

ただその一方でドア付近のロングシート部分で用いられている座席モケットをみると、東洋随一の歴史を持つ事で知られる東京の地下鉄某線を連想させられ、長閑な山間の川沿いをノンビリと走る路線に乗車していながらも、大都会でも屈指の混雑線区を連想させられるのは不思議なもので、錦川清流線とは何か接点でも…と感じさせられます。
(まあこんな事を感じるのはMAKIKYUだけで、大多数の利用者はこんな事は考えないのでしょうが…)

沿線の過疎化などで利用客が減少し、車両代替の陰で在籍車両数の減車(6両→4両)と、これに伴う朝ラッシュ時間帯の減便が報じられ芳しいとは言い難い状況の中でも、ベース車両自体はメーカー標準とはいえ、永年使い続ける事を考慮してこれだけのグレードを誇る車両を導入した事は評価に値するものと感じますし、今後末永く沿線に愛される車両として活躍し続ける事に期待したいもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岩国辺りへ行かれる機会がありましたら、是非錦川清流線を走るこの新型車両に乗車されてみては如何でしょうか?


JR東日本 E233系3000番台電車~一本だけが活躍する東海道本線の最新型車両

2008-05-01 | 鉄道[首都圏・JR]

  
 

今日MAKIKYUはJR東海道本線に乗車する機会があったのですが、その際には何度も姿を目撃こそしていたものの、3月に営業開始して以来、なかなか乗車する機会がなかった最新型車両・E233系3000番台にようやく乗車する事が出来ましたので、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

E233系はJR東日本の首都圏一般型標準車両の最新タイプで、最初に中央線快速用、次いで京浜東北・根岸線用に導入され、そして東海道本線用で3例目となりますが、前2者は比較的乗車時間が短い通勤路線用(中央線快速は高尾以遠に直通する列車などもありますので、そうなると結構な乗車時間になりますが…)として製造された事もあって、全車両が4扉ロングシートの通勤仕様となっています。

しかし東海道本線用は4扉ロングシート車も含まれるものの、普通車でも一部車両は4扉ながらドア間にボックスシートを配しており、トイレも設置されていますし、2階建てグリーン車の組込みもあるなど、近郊型故に同一形式ながらも前2者とは様相が異なっており、この点は「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の代表格とも言える先代の首都圏一般型標準車両と共通しています。

前2者は既存車両の老朽取替え(京浜東北・根岸線の車両は平成生まれの3VF車ですので、この手の車両の取替えは異例ですが…)で短期間に大量増備となっているのに対し、東海道本線用は横須賀・総武快速線用車両(E217系)の更新に伴った既存車両捻出(E217系1編成)の補充分として1編成のみの導入となっていますので、当面は増備予定もない模様で、ある程度運用が限られるとはいえ捕まえ難い状況です。

編成は現在基本10両(うち2階建てグリーン車2両)+増結5両で、東海道本線東京口で活躍する他形式と共通しており、現在はE233系の増解結を伴う運用こそ設定されていないものの、一応「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の代表格とも言える東海道本線の主力形式との併結も考慮されている模様です。

その事もあってか、車内案内表示装置は通勤仕様の中央線快速用や、京浜東北・根岸線用のLCDモニターではなく、主力形式と同等の2段式LEDによる文字案内となっていますが、普通車の座席モケットも主力形式との整合性を考慮したのか、主力形式と同等のものを用いており、この点は新車とはいえ、同系統の色彩(青系統)ながら新柄を採用した京浜東北・根岸線用のE233系などに比べて、どうも薄暗く新鮮味に欠ける感があります。
(その割に床材などは主力形式とは別物なのですが…)

車内も通勤仕様のE233系と、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の代表格とも言える東海道本線の主力形式を折衷した車両という感があり、特徴的な荷棚やつり革(これは好みが大きく分かれ、MAKIKYUは余り感心できないのですが…)の形状をはじめ、座席も厚みのある座面(この点は評価できるのですが、普通車ボックス席背もたれ上部の異様な感触は相変わらずです)となっていますし、普通車の客扉内側も、E233系の特徴と言えるガラス四隅が角張った化粧板仕上げとなっています。

ただ普通車の客扉は化粧板仕上げとなっているにも関わらず、2階建て車両となっているグリーン車の客扉内側はE233系登場以前の形式と品の互換性を持たせたのか、或いはグリーン車はデッキや階段等で出入口と客室と仕切られ、普通車と異なり客ドアと客室が直接向かい合う事がないからと割り切ったからなのか、質素な感が拭えない金属地剥き出しとなっています。

そのため客扉だけを見るとグリーン料金を要するグリーン車よりも、乗車券のみで乗車できる普通車の方が高級に感じてしまいますし、グリーン車だけ別形式を組み込んでいる様に錯覚させられるのは滑稽なものです。

とはいえこの新型車両、一応「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」のシリーズに数えられ、比較的簡素な雰囲気が漂っていますので、国府津や熱海などで顔を並べる事があるJR他社の同年代車両などに比べると…という感がありますが、貧相な感が拭えない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の代表格とも言える車両に比べると、内装のレベルをはじめ、MAKIKYUが乗車した限りでは高速走行時の騒音や振動(これは各台車にヨーダンパを取り付けた影響があるかもしれません)も改善されている様に感じられたものです。

またフルカラーとなったLED表示も、前面は交互表示ながらようやく行先が表示
(今までの車両では種別や路線名を表示していても、一番肝心な情報は側面だけという有様ですので…)される様になるなど、まだまだ私鉄各線やJR他社などに比べると…という感はあるものの、様々な面で既存車両より改善されている点は評価できるものです。

当面は少数派として活躍する事が見込まれるとは言え、今後の活躍に期待すると共に、この会社の車両は余り手を入れない傾向が強い(先日の記事で取り上げたE217系更新車などはその一例と言えますが…)ですが、この車両で改善された点は従来車にも波及させて欲しいと感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(少なくとも前面LEDで行先を表示する程度は、既存車両でもすぐに出来そうですが…)